受験生が感じる「音」の問題!聴覚過敏と脳やメンタルとの関連とは?
受験の心療内科
受験生が感じる「音」の問題!聴覚過敏と脳やメンタルとの関連とは?
今日のテーマは「受験生が感じる「音」の問題!聴覚過敏と脳やメンタルとの関連とは?」です。
夏休みが終わり、新学期が始まりました。
この時期、メンタル面で不安定になった受験生の間で増えてくるのは、「聴覚の過敏」です。
受験生のご家族にぜひチェックしていただきたいのは、受験生が音に対して敏感になってきていないか、ということです。
実は、人間の聴覚というのは、不安感が高まってくると過敏になる傾向があります。
これは、人類が生き残る上でとても必要な能力でした。
なぜなら、人間の命を脅かすケースは、原始時代においては肉食動物が襲いかかってくるか、あるいは敵対した部族が襲撃に来るか、いずれにしても微かな物音で異変に気づくということが、自分の命を守るうえでとても重要だったからです。
だから、人間はメンタルが不安定になってくると、自動的に聴覚が敏感になるようにできているのです。
ぜひ受験生のご家族にチェックしていただきたいのは、普通に考えてさほどうるさくない状況でも、受験生が「うるさい」と言ったり、そのような言葉を連発するようになったら、これはメンタル面のSOSサインと考えるべきです。
また、受験生が「うるさい」という言葉を言わなくても、何か音に対してイライラしている感覚が表情として見えてきたら、やはり聴覚過敏の症状ということがすでに現実になっている可能性があります。
こうした症状が9月の段階で現れるのはとても心配です。
なぜなら、今後入試が近づいてくると、ますますこのメンタルの不安定さは加速度的に悪化してくるのが一般的だからです。
もし、現在の状態でこの聴覚過敏が出ている受験生を放置しておくと、入試の本番ではその過敏性が高まるのが一般的で、中には十倍、百倍にも高まってしまう受験生もいます。
具体的には、隣の受験生が回答を書くペンのカチカチとした音、あるいは消しゴムで消そうとする微かな音も大きな音に感じてしまう。
また、試験監督の方が巡回している時のわずかな足音さえも大きな音に感じて、集中力を切らしてしまうということが起こってしまいます。
こうした聴覚の過敏は、決して中耳や内耳など耳そのものに問題があるわけではありません。
問題があるのは脳です。
そして、この脳の問題が連動する形で、問題を解く能力そのものの低下にもつながってしまいます。
これが聴覚過敏の恐ろしいところであり、受験生が点数を落としてしまう非常に危険な状態なのです。
これに対する具体的な対策については、ホームページ「受験生の聴覚過敏(Hyperacusis associated with depression)」の記事をぜひご一読ください。
早い段階の対策が、志望校合格への不可欠な道となります。