テストのケアレスミス原因はトンネルビジョン効果
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今日は試験でのケアレスミスを防ぐために、ぜひ知っておいていただきたい「トンネルビジョン効果」についてです。
これは、大半の受験生がご存知ありませんが、試験の成績に大きな影響を及ぼすことがわかっています。
そこで、「トンネルビジョン効果」についてわかりやすく解説し、誰でも簡単にできるその対策もご紹介します。
トンネルビジョンとは、狭い視野になってしまい、全体像が見えなくなる現象のことを言います。
トンネルに入ると、周囲は真っ暗でよく見えませんが、先の出口の部分だけは明るいので、その部分だけを注目しがちですよね。
このように一部だけに気を取られ、周囲については注意が向かなくなることを、トンネルに入ったときの見え方に似ているという意味で、「トンネルビジョン」と名付けられました。
受験生ご自身は意識していないかもしれませんが、試験を受けているとき、「トンネルビジョン効果」は大なり小なり、ほぼすべての人に生じています、
問題全体を把握する代わりに、一部分に意識や視点が固定される・・・。
その結果、大切な要素を見落としてしまう・・・。
そんな経験が一度もないという受験生はいないと思います。
受験生を専門に診療している私の心療内科クリニックでは、ケアレスミスも重要な検査項目です。
志望校への合格を勝ち取る上で大きな障害となるのは、大切な試験であればあるほど、逆に「トンネルビジョン」によってより失点しやすいということです。
実際、こうした傾向があることは、分析を行うとデータとして出てきます。
どうして大切な試験であるほど、「トンネルビジョン効果」は生じやすくなるのか?
その理由は、プレッシャーや不安を感じる状況で「トンネルビジョン効果」が増加しやすいという性質を持っているからです。
試験を受けているときは、体内でストレスホルモンのコルチゾールが増加します。
これが脳に作用し、その結果として脳は無意識に視野を狭くし、細部に焦点を当てるという構造になっているのです。
これは人類の進化の過程で獲得した、危険を察知して生存するための機能なのです。
肉食動物の牙など、私たちの命を奪いかねない危険な一部分に脳のすべてのリソースを動員して集中し、そのぶん、それ以外の部分については、注意のレベルを多少落とすほうが、生き延びるために役立ったのです。
しかしながら、現代に生きる私たちが、入試などのテストを受けるときには、この「トンネルビジョン効果」はむしろ邪魔になるだけです。
では、受験生にはとっても困るケアレスミスをなくすため、「トンネルビジョン効果」を抑えるにはどうすればいいのでしょうか?
認知科学の研究によって、その対策が明らかになってきました。
やるべきことは、姿勢と眼球の動かし方にあります。
これは基本中の基本ですが、まずやるべきことは、背筋を伸ばして猫背にならないようにすることです。
多くの受験生が試験を受けているときは、猫背になって問題用紙に目を近づけています。
何度しても点数を稼ぎたいという熱意の現れなのはよくわかりますが、結果としてはケアレスミスを増やすので逆効果です。
「トンネルビジョン効果」は目の中でピントを合わす働きをしている眼内筋という筋肉の収縮と連動しており、問題用紙に目を近づけると「トンネルビジョン効果」が高まることがわかっています。
だから、背筋を伸ばして問題を解いたほうが、ケアレスミスの予防に役立つわけです。
ただし、目を離すだけではなく、適切に視線を移動させることが必要なのですが、このとき、ちょっとしたことを心がけるだけで全体像を把握する能力が大幅に高まります。
これについての詳しい解説は、クリニックのホームページ「受験生のケアレスミス解消:テストでの点数アップ方法 - 脳科学が解明する5つの原因と14の対策」をご参照ください。
今日、アップされたばかりの最新の解説記事のページです。
タイトルの通り、ご紹介した視野を広げることを含め、あわせて14のケアレスミス対策をご紹介しています。
「受験生のケアレスミス解消:テストでの点数アップ方法 - 脳科学が解明する5つの原因と14の対策」
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