親子の会話で成績が上がる?心療内科医が勧める「リファクタ効果」【受験専門の心療内科】 | 受験専門の心療内科 東大赤門 吉田たかよし

親子の会話で成績が上がる?心療内科医が勧める「リファクタ効果」【受験専門の心療内科】

 

 

受験の心療内科

 

親子の会話で子供の成績アップ!リファクタリング効果

 

 

 

 

今日は、親子の会話に、メンタル医学で「リファクタリング効果(Refactoring)」と呼ばれている作用を取り入れることで、子どもの成績をアップさせる方法をご紹介します。

 

 

私は受験生を専門に診療している心療内科医として、日々、親子のカウンセリングに携わっています。

その中で、子どもの成績をあげるには親子の会話がとても重要だということを痛感させられています。

 

しかし、子どもの教育のサポートは、単に親子の会話の時間を増やすというだけでは不十分です。

成績アップに繋がる効果的なコミュニケーションの工夫と子どもへの踏み込んだ感情理解が求められるのです。

 

 

このコラムでは、「リファクタリング」というメンタル医学の大事な考え方と、これを利用して親子のコミュニケーションを向上させ、子どもの学業成果を向上させる方法についてご紹介します。

 

リファクタリングの力を引き出せば、意欲を高める、ストレスを生じにくくなる、疲労から回復しやすくなる・・・など多くの効果があることがわかっているのです。

 

 

「リファクタリング(Refactoring)」とは、心療内科医としてカウンセリングを行うときに積極的に取り入れているものです。
ご家庭でも、親子の会話の中で、うまくリファクタリングの効果を活用すると、子どもの成績アップにとても役立ちます。

 

普段の子どもとの会話の中で、どのようなことに気を配れば、リファクタリング効果によって成績を上げられるのか、わかりやすいように、親子の会話の具体例を示しながら解説していきます。

 

 

 

 

「リファクタリング(Refactoring)」とは?

 

「リファクタリング(Refactoring)」は、日本語でもリファクタリングといいますが、無理に直訳すれば、「再構築」です。
 
コミュニケーションにおいて相手の発言や行動を再構築することで、より良い意味合いや理解を生み出すプロセスをメンタル医学ではリファクタリングというのです。


受験生の親として、この心理学的なリファクタリングの手法を使うことで、子どもの成績向上に寄与することができます。
 
例えば、成績が下がったときに「頑張ってなかったのね」と一言言われた場合、この発言は子どもに否定的な影響を与える可能性があります。
 
しかし、リファクタリングを適用すると、親はその発言を再構築し、建設的なコミュニケーションを生み出すことができます。
 

 

子どもの心に寄り添うリファクタリングとは?

 

具体的な方法としては、子どもの考えや感情を尊重し、彼らの視点から問題を共有することが挙げられます。

 

成績が下がった原因を尋ねる際には、子どもの立場に寄り添った形で原因を尋ねることで、子供に自分自身の学習状況や課題について考える機会を与えることができます。

 

これにより、子どもは自己評価を行い、自己認識を高めることもできるのです。

 


例えば、成績が下がった時には次のような会話をしてみましょう。

親:「成績が下がったね。どうして成績が下がったと思う?」


子ども:「テストの内容が難しかったし、時間が足りなかったからかな。」


親:「それは大変だったね。難しいテストに取り組むのは挑戦だったと思うよ。時間配分にも工夫が必要だね。次回のテストではどうやって対策するか考えてみようか。一緒に計画を立ててみるといいかもしれないね。」


このような会話では、親が子どもの感情や考えに寄り添い、共感的な対話を行います。

 

子どもは自分の考えを言葉にすることで自己評価や自己成長を促され、次回のテストに向けた具体的な計画を立てることができます。

 

親が成績が下がったことを叱りつけるより、子どもの勉強の意欲にとっては、はるかに良い影響を与えているはずです。

 

 

私たち心療内科医は、カウンセリングを効果的に行うために、リファクタリングを心掛けるよう、研修を通して叩き込まれているのですが、一般のご家庭でも、リファクタリング効果を念頭に置いているだけで、親子の会話は、ずいぶん変わります。
 

 

子どもの自己肯定感を高めるリファクタリング効果!

 

リファクタリング効果は、成果や取り組みを褒めるときにも力を発揮してくれます。

 

例えば、次のような会話をしてみましょう。

 

 

親:「頑張ったね!この科目の成績が上がったことを認めたいよ。」

 

 子ども:「ありがとう。前回よりも頑張ったから、ちょっと成績が上がったかも。」

 

 親:「それは素晴らしい!自分自身の努力が実を結んだんだね。続けて頑張っていけばさらに成果が出ると思うよ。」

 

 

この会話では、成績が上ったという成果を単にほめるだけではなく、それは自分が頑張ったためだと子どもに自己評価をさせています。

 

さらに、頑張ったことで成績が上ったということを、親もしっかりと言葉にし直して、子どもの脳に深く認識させることをしています。

 

これが、リファクタリングなのです。

 

 

これによって、子どもは努力すれば結果が出るということを再認識し、これによって自己肯定感がさらに高まります。

 

子どもは自分の能力に自信を持ち、さらなる成績向上への意欲を高めることができているわけです。

 

これがリファクタリング効果の大きなメリットなのです。

 

 

勉強の意欲が高まるリファクタリング効果

 

もうひとつ、子どもの成績をあげるための、リファクタリング効果を用いた親子の会話の具体例をご紹介しておきましょう。


親:「テストの結果を見たけど、この科目の成績が上がっているね。頑張ったんだね!」


子ども:「うん、ちょっと苦手だったけど、前回よりも頑張ったよ。」


親:「素晴らしい!自分自身に向き合って取り組む姿勢が成果につながったんだね。どんな学習方法や戦略を試したの?」


子ども:「ノートのまとめ方を変えてみたり、友達と一緒に勉強する時間を作ったりしたよ。」


親:「それは良いアプローチだね。自分に合った学習方法を見つけることは重要だよ。他にも新しい方法を試してみるのもいいかもしれないね。次回のテストでも同じような取り組みを続けてみよう。頑張れるようにサポートするからね。」


この会話では、親は子どもの努力や戦略をしっかり認め、具体的なアプローチを共有することで成績向上をサポートしています。

 

子どもは自分の努力が実を結ぶことを実感し、新しい学習方法を試す意欲が高まるでしょう。

 

 

うまくいかなかったときのリファクタリング効果とは?

 

リファクタリング効果は、いい時ばかりでなく、勉強がうまくいかないときにも、力を発揮してくれます。

 

そうした場合のリファクタリングを取り入れた親子の会話の具体例をご紹介しておきましょう。

 

 

受験生の子ども:「最近、勉強がうまくいかないんだ。成績が思うように上がらなくて悔しい。」


親:「それは大変だね。一緒に原因を探ってみようか。どうして勉強がうまくいかないと感じるのか、具体的に教えてくれる?」


受験生の子ども:「テストの前に緊張してしまって集中できないんだ。それでミスが多くなって成績が下がるんだと思う。」


親:「緊張が集中力に影響を与えているのね。それは分かるよ。緊張を軽減する方法を一緒に考えてみようか。どんなことが緊張を和らげるのか、何かアイデアはあるかな?」


受験生の子ども:「友達と一緒に勉強すると、緊張が和らぐかもしれない。あと、テスト前にリラックスする時間を作ることも試してみたい。」


親:「素晴らしいアイデアだね!友達と一緒に勉強することで緊張が軽減される可能性もあるし、テスト前のリラックスタイムも効果的だよ。それを取り入れながら、次回のテストに向けて計画を立ててみよう。成功したときには一緒に祝福しようね!」


この会話では、親が子どもの感情や困難に寄り添い、共感的な対話を通じて解決策を見つけることを支援しています。

 

親は子どものアイデアを評価し、具体的なアクションプランを共有して次のステップに進むことを促します。

 

親子で協力し合い、成功を共有することで、子どもは自己効力感を高め、成績向上への自信を深めることができます。

 

 

親子の会話で子どものストレスチェック!

 

親子の会話で、リファクタリング効果に加え、もう一つ心掛けていただきたいのは、お子さんが受験ストレスを抱えていないか、それとなくチェックしてあげることです。

 

チェックの仕方としては、お子様の受験ストレスを10項目のポイントで親御様が判定できるチェックリストがあります。

 

ぜひ、こちらについての解説記事も、ご一読いただきたいと思います。


 

 

 

 


危険な受験うつ?

単なるワガママ?

お子様の受験ストレスを10項目のポイントで判定できます。

 

Self-Rating Exam Depression Scale 


 このページの要点は?   

 

  わが子の受験ストレス(Exam stress)を親御様に10項目のチェックポイントで判定していいただきます

 

  デューク大学(Duke University)の研究手法をもとに、クリニックでの症例と学習塾・予備校のデータをもとにリスト化したものです。

 

  親が声をかけると「うるさい!」「ほっといてくれ!」と怒鳴るようになるのも「受験うつ」の重大な兆候です。見逃してはいけません。

 

  受験ストレスが高まると、脳内で「寛容低下」と呼ばれる現象が起き、通常なら気にならない些細なことについてもイライラし始めます。これが限界を超えると「受験うつ」を発症します。

 

  子どものワガママなのか、メンタル面や脳機能の問題なのかを区別することが重要です。これを見極めるための指針を解説しています。

 

 

 
 

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