落ちた受験生が立ち直る親の言葉とは?心療内科医が教えるメンタル効果!
気休めの言葉は無気力症候群を生み出す元凶!
「大丈夫!お前なら、次はもっといい大学に合格できる」
「心配するな!お前なら必ず次は受かる!」
入試に失敗した受験生に対して、多くの親御様が、このような気休めの言葉をかけることによって受験生を励まそうとします。
しかし、こうした言葉は、親の思いとは裏腹に、受験生を無気力症候群へと駆り立ててしまう、とっても危険な要因となのです。
親から「来年はもっといい大学に合格できる」と励まされたとしても、「あーそうか!僕は来年はもっと 偏差値の高い大学に合格できるんだ!よかった!よかった!・・・」と思える 受験生は、まず、いないでしょう。
入試に失敗した直後は、脳の扁桃体という部分が過剰に働き、ネガティブなことに対して敏感になっています。
そのため、親か気休めの言葉をかけているということが、受験生にはいつも以上によくわかることなのです。
逆に、扁桃体の活動がさらに刺激を受け、気休めの言葉をかけてかけられているという現実に対して、深い苦悩を感じ取ってしまいます。
これによって、余計に気力を失ってしまうのです。
こうして 無気力症候群に進展してしまうと、その後、長い年月にわたって気力を回復できなくなってしまうケースがとても多いのです。
決して安易に気休めの言葉をかけないでください 。
これは 、入試に失敗した後のご家族にとってのとても重要な大原則です。
親が声をかけなければ、スマホが脳を蝕む!
だったら、親は声をかけず、そっとしておいてやればいいのではないか・・・と思われたかもしれません。
しかし、心療内科医の観点から言えば、これも適切な対応とは言えないのです。
確かに受験生自身は「ほっといてくれ!」という言葉をよく口にします。
また、昔は、実際にそっとしておいてあげると、自然に心が癒され、次の目標に向かって意欲をしだに取り戻していく・・・ということもありました。
しかし、現在では、受験生が置かれている環境は、放っておいてあげたら勝手に意欲を回復するというような甘い状況ではありません。
最大の問題点はスマホです。
入試に失敗した受験生の多くが、意欲を失うと、毎日、ダラダラとスマホを眺めるという時間が多くなってしまいます。
これによって現実と向き合わず、実際の苦悩から目を背けることで、自分の心を守ろうとする習慣が身についてしまいます。
しかも、スマホを眺めるのは、脳にとっては極めて消極的な受け身の情報処理にかたよっています。
これによって、次第に無気力症候群に移行してしまうというのが、現在の受験生にはとても多いということなのです。
ですから、親が声をかけずにそっとしておいてあげるというのは、現在の状況では適切な対応だとは言えません。
まずは親自身が心底から前向きな心理を取り戻すこと。
では、親は入試に失敗した受験生に対して、どのように接すればいいのでしょうか。
最も大事なのは、親自身が心の底から前向きな心理状態を取り戻すということです。
人間は言葉の意味だけではなく、表情や仕草、それに言葉の響きなどを通して、脳内の大脳辺縁系という部分を使って感情のキャッチボールしています。
親子の場合は、特にこの作用がお互いの脳内でより活発に生じます。
さらに、入試に失敗した直後のように、脳の扁桃体が過敏に働いている時は、この感情のキャッチボールがとりわけ重要となってくるのです。
多くの親御様か、この言葉をかければいいと言った言葉の選択に心を砕きます。
ですが、それよりも重要なのは、まずは親自身がポジティブな心理状態を取り戻すということです。
親自体が受験の結果に対して失望している場合に、うわべだけの言葉で、いくらポジティブな感情を装ったとしても、受験生には通じません。
逆に、どんな言葉であっても、親自身がお子さんの未来に対してポジティブな感情を見出していると、それが子供に伝わって、少しずつ心が前向きになり、意欲も取り戻してくれるのです。
多くの親御様が、これを言ったらあっという間に我が子の心が前向きになるといった、魔法の言葉を期待します。
しかし、心療内科医の立場から言えば、こうした考え方自体が間違いです。
大事なのは、まず、親御様自身がメンタルを立て直すということです。
まずは親自身が徹底的に落ち込むこと!
とはいえ 、我が子が受験に失敗した場合に、親がポジティブな感情を回復させるというのは、簡単なことではありません。
では、どうしたら親はメンタルを立て直すことができるのでしょうか。
まず行うべきことは、我が子か受験に失敗したという現実をとしっかりと 直視し、一旦、思いっきり 落ち込むということです。
脳の扁桃体は、一旦、 徹底的に落ち込んだ方が、 その後 、切り替えが行われやすいということがわかっています。
まずは 、できることなら涙を流し大泣きした方が、その後のメンタルの立て直しはより良く行われます 。
親が子どもの今後のプランを用意してあげる!
こうして 親自身のメンタルの状態を、一旦 、ボトムに落とした後で 、今後の我が子がどのようなキャリアの立て直しができるのか 、まずは親自身で考えてあげましょう 。
確かに、 入試は合格する方が良いに決まっていますが、とはいえ、 1回の受験の失敗で人生が閉ざされてしまうような社会制度には、少なくとも今の日本はなっていません。
次のチャンスを掴み取ることは可能なはずです。
子供の将来を親が勝手に決めつけるのは、当然 良くないことです。
しかし、その選択肢を親が見つけてあげることは、是非、行っていただきたいことです。
今回の入試で失敗したことを前提に 、プラン A 、プラン B、 プラン C 、プラン D・・・ と、多くの選択肢を見つけてあげ、 それを少しずつ お子さんに語りかけてあげてください 。
多くのプランを親が考えてあげれば、そのうち お子さんの心を揺り動かすことができるようなプランに巡り会えてはずです。
お子さんを無気力症候群から救うのは、 抽象的な 上辺だけの言葉ではありません。
このように現実的なプランと、 そしてそれを支える親の心の底からのポジティブな感情 なのです。
5つの方法で改善しない場合は?
ご紹介したような取り組みをご家族で行うと、入試に失敗した受験生のメンタルはかなり改善効果が上がります。
逆に言えば、それでも改善しない場合は、すでに「受験うつ」を発症している可能性があります。
あるいは、その一歩手前の状態にあるかもしれません。
こうした場合は、磁気のパルスを脳に当てて前頭前野の機能を回復させる・・・、あるいは扁桃体の暴走を抑える・・・といった専門の治療がとても有効です。
実際、早期の回復とともに志望校への合格にも大きく寄与しています。
そのためにも、まずは、脳がどういう状態になっているのか光トポグラフィー検査という専門の検査を行う必要があります。
ぜひ、以下の光トポグラフィー検査(受験に特化)についての記事もご一読ください。
受験勉強の脳機能を医学的に分析!
【このページの要点】
①最新の光トポグラフィー検査(Optical Topography)で、勉強中の脳機能を科学的に分析します!!
②安全な近赤外光(near infrared radiation)で大脳新皮質の血流変化を測定するので、まったく安全です!
③大うつ病性障害(MDD)・双極性障害(BP)・統合失調症(SZ)などの誤診を防ぐこともできます!
④勉強のヤル気がわかない、集中力が持続しない、記憶できないなど、脳が抱える問題点が明確になります!
受験ストレスの状態を脳のレベルで科学的に診断するため、決定的に重要だといえるのが「光トポグラフィー検査(Optical Topography)」です。
そこで弊院では、早期合格コースの受験生の方に、真っ先にこの検査を受けていただいています。
「光トポグラフィー検査」を行うと、受験勉強を阻む症状をもたらしているのは、脳がどのような問題点を抱えているからなのか、正確にアプローチができます。
これは、志望校への合格を勝ち取る上で、生命線とも言える、とても大切なことです
急に勉強のヤル気がわかなくなった・・・、
イライラが収まらなくなった・・・、
問題が解けなくなった・・・、
これらは、受験ストレスの典型的な症状ですが、実は脳の中で起こっている異変はさまざまなのです。
たとえば、勉強へのヤル気がわいてこなくなくなったとしても、受験生のかた、お一人お一人、原因は異なります。
ある人は、脳内にあるA10神経の活動が低下して、ヤル気が出なくなる…。
別の人は、背外側前頭前野という脳の別の部分の問題で、ヤル気が出なくなる…。
原因が異なるわけですから、適切な対策も異なるのが当然です。
受験勉強の効率をアップさせるには、まず、脳機能の状態を浮き彫りにさせることが必要なのです。
光トポグラフィー検査は、まったく安全な検査です!
光トポグラフィー検査は、波長が800~2500μmの近赤外光(near infrared radiation)という光を頭に当てて、脳の活動状態を検出します。
この波長の光は、血液中のヘモグロビンに吸収される性質を持っています。
ですから、脳の大脳新皮質のそれぞれのエリアが、その瞬間、どの程度、活動して血液中の酸素を使っているのが、数値化できるわけです。
ぜひ、知っておいていただきたいのは、近赤外光(near infrared radiation)が人体にとってまったく安全であり副作用もないことは、医学的に完全に証明されているということです。
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