親の励ましで成績が上がる子と下がる子!違いは目元で見極める!【受験専門の心療内科】
「頑張れ!」と親に言われて「受験うつ」を発症!
受験に成功した方の合格体験記を読むと、よく目にするのがこういう記事・・・。
「親から、ことあるたびに、頑張れ!お前ならできる!」といった励ましの言葉をかけてもらった・・・。
そうしたら、それで自信と勇気が湧いてきて、おかげで本当に合格することができました・・・」
こういう話がよく出てきます。
これって、とても心温まる話ですよね。
それで、うちの子どもにも合格の手助けをしてあげようということで、同じように「頑張れ!お前ならできる!」という言葉を連呼する親御様が多くいらっしゃいます。
これに対し、私は受験生を専門に診療している心療内科の医者として、声を大にして言いたいです。
こうした励ましの言葉というのは、受験生の脳と心に、とても危険な副作用を持っているということです。
確かに、一部の受験生のメンタルには、大きなプラスの心理的効果を発揮するのは事実です。
ただし、その一方で、それによって精神的なストレスが高まり、逆にメンタルを崩壊させてしまう受験生も大勢いるのです。
中には、こうした親御様による励ましの声かけがきっかけになって、「受験うつ」を発症してしまう受験生も少なくありません 。
親の励ましがプラスになる脳とマイナスになる脳の違いとは?
では、こうした親の励ましの言葉がプラスに作用するお子さんの脳と、マイナスに作用してしまうお子さんの脳では、いったい、何が違うのでしょうか。
これには様々な要素が関与していますが、最も大きいのは、脳の中で原始的な感情を作り出す扁桃体の働きにかかっているということです。
扁桃体は、嬉しいといったポジティブな感情を生み出す原動力にもなりますが、どちらかと言うと、不安感や不満といったネガティブな感情を生み出す作用の方が上回っています。
これは、良い状況の時に喜ぶことよりも、悪い状況になった時に対策を取ったり警戒したりすることの方が、生命を維持するのに重要だったからです。
さらに、メンタルがデリケートな今の若い世代の受験生は、扁桃体がネガティブな感情を作り出す作用が、親の世代より上回っているという特徴があります。
扁桃体がポジティブな感情を生み出している時は、親が励ましの言葉を与えると、脳はそれを真正面から受け止め、自信と勇気を深めます。
そのため、受験に対して、よりポジティブに取り組むことができるわけです。
簡単に言うと、脳がもともと頑張ろうという性質を持っているときに、頑張れという言葉がそれを拡大してくれるということです。
合格体験記で親に励まされたおかげで合格出来たという受験生の脳は、まさしくこういう状態にあったわけです。
一方で、脳の扁桃体がネガティブな感情を生み出しやすい状態になっている場合に、親が「頑張れ!お前ならできる」と声をかけると、子供の脳は「頑張ろうと思っても頑張れないのだから、僕はできない人間なんだ」と悲観的に感じ取ってしまいます。
それによってネガティブな感情をより深めてしまうわけです。
さらに「受験うつ」の一歩手前の状態に陥っている場合は、扁桃体がネガティブな感情を生み出す作用を病的なレベルに高めています。
そんな時に、こういった励ましの言葉をかけると、「受験うつ」の発症を引き起こす最後の引き金になってしまうのです。
扁桃体の見極めは受験生の目元をチェック!
では、受験生の脳の扁桃体が、親が励ますことでプラスになる状態なのか?
それとも、親が励ますことでマイナスになる状態なのか?
どうすれば見分けることができるのでしょうか。
ポイントとなるのは、受験生の目元です。
親御様に行っていただきたいのは、まず試しに、軽く受験生を励ます事です。
何気なく「頑張ってね。お前なら出来るんじゃないかな」と声をかけてあげてください。
守っていただきたいのは、そのとき、ごくごく軽い雰囲気で、さりげなく声をかけることです。
そして大事なのは、それに対する受験生の反応を見極めることです。
親の励ましの言葉に対して、子供が明らかに不快な反応を示した場合は、脳の扁桃体は励ますべきではない状態だと判断できます。
ただし、「わかった。頑張るよ」と肯定的な答えが返ってきた場合でも、それをそっくり鵜呑みにしてはいけません。
人間は、感情をそのまま言葉にするとは限りません。
特に、思春期の若い世代というのは、この傾向が強いのです。
そこで、是非、チェックしていただきたいのは、その時の受験生の目元です。
人間の本当の感情は、目尻に現れやすいことが、脳医学の研究でわかっています。
「頑張るよ」という答えの時に、子供の目尻が下がっていれば、ポジティブな感情が生まれやすい状態になっていると判断できます。
しかし、いわゆる目が笑っていないという状態になっている場合、医学的には外側眼輪筋という筋肉が収縮してないということを示しています。
この場合は、脳の扁桃体はネガティブな感情が強く出やすい状態だと判断できます。
だから、親御様は、少なくとも当分の間、無理な励ましの言葉をかけるべきではないのです。
また、励ましの言葉をかけた時に、明確にメンタル面の悪化が認められた場合は、既に「受験うつ」に罹患しているか、あるいはその一歩手前の状態に陥ってる可能性が高いといえます。
この場合は、磁気のパルスを脳の背外側前頭前野に当てて機能を強化させるといった最新の脳医学に基づく治療が、志望校への合格を勝ち取るためにとても有効です。
✓ ヤル気・イライラ・集中力・記憶力・思考力の5つに関して、受験生の遺伝子のバリエーションに起因する脳の働きの格差が大きく、これを知ることが志望校への合格に大きな力を与えてくれます!
✓ 受験に特化した光トポグラフィー検査や各種の認知機能検査のデータを解析することで、受験生の脳がどのような働き方の癖を持っているのか科学的に解明できます!
✓ 根性で頑張るといった前近代的な方法で受験に取り組むと、逆に脳に対する悪影響が生じ、成績の低迷をもたらします!
✓ 遺伝子のバリエーションを無視し、他人が成功した方法を鵜呑みにして真似ると、脳に負担を与えることにより、受験うつなどに陥る場合が少なくありません!
✓ 5つに特別診療で、こうした問題を一気に取り除き、憧れの志望校への合格を手繰り寄せます!
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