受験生の脳と心を改善させるヨーグルトの食べ方とは【心療内科】
その対策として、ヨーグルトなどの発酵食品が効果があるということは、ご存知の方も多いかもしれません。
しかし、ヨーグルトは、ただ食べればいいというものではなく、脳への効果を高まるには、ヨーグルトを食べるタイミングと、一緒に何を食べるかが重要です。
メンタル医学では「脳腸相関」と呼ばれているのですが、腸内環境が良くなると、それが脳に波及し、メンタルも安定して緊張やイライラが軽減する効果があることが確認されています。
ところが、多くの方が、ヨーグルトを食べる時間とタイミングを間違ってしまっているので、そもそもヨーグルトが腸内環境を整える効果が十分に発揮できていないのです。
しかも、食べ物を組み合わせることによる相乗効果も、十分に得られていない人が大半です。
ヨーグルトが「脳腸相関」の仕組みを通して、どのように受験生の脳と心を改善させるのか?
脳と心を改善させる効果が最も高まるのは、いつ、どのタイミングで、何と一緒にヨーグルトを食べれば良いのか?
受験生を専門に診療している心療内科医としての経験と専門知識をもとに分かりやすく解説します。
ヨーグルトは食べるタイミングが生命線!
腸内環境を良くする食品は数多くありますが、その中でもヨーグルトが良いというのは、わざわざ心療内科医が声高に言わなくったって、皆さん、常識だと思います。
でも、注意していただきたいのは、食べるタイミングと、一緒に食べるものが大事だということです。
これができていないために、せっかくのヨーグルトの能力を、じゅうぶんに活かせていない人がとても多いのです。
乳酸菌が胃酸で殺菌されない食べ方!
まず、ヨーグルトを食べるタイミングの大原則は、食事の後に食べるということです。
食事の前に、前菜みたいな感覚でヨーグルトを食べる人が多いようですが、これでは、せっかくの効果が台無しで、とってももったいないことです。
また、食事の前半に食べるのも、やっぱり効果が減ってしまうのでお勧めしません。
このような食べ方をしますと、空腹感の影響で、胃の中で一気に胃酸が分泌されます。
そのため、せっかくの乳酸菌が胃の中で殺菌されてしまうのです。
ヨーグルト食べる理想のタイミングは、胃酸が最も薄まる食事の一番最後です。
このタイミングで食べると、腸まで届いてくれる乳酸菌の割合は大幅にアップしてくれます。
ヨーグルトを食べるベストの時間帯は?
受験生は、イライラしたり不安で落ち込んでしまったり、なにかとメンタル面のトラブルを起こしやすいものです。
そのような場合は、腸内環境をさらに一層改善して、脳腸相関の作用からも、メンタルをより強力にサポートする必要があります。
そのためには、朝食の後と夕食の後と、どちらもヨーグルトを食べておくのがベストです。
受験生を救う「Wヨーグルト法」
朝にヨーグルトを食べる理由は、朝は胃腸の働きが弱回っているため、ヨーグルトで優しく胃腸をサポートしてあげることです。
一方、夕食の後にヨーグルトを食べる理由は、この時間帯に食べておくと、最も腸内環境を整える作用が高くなる真夜中の12時から午前0時までの「腸のゴールデンタイム」と呼ばれている時間帯に、乳酸菌が腸に届いてくれるからです。
このように、朝食と夕食の後にどちらもヨーグルトを食べることは、ストレスを抱える受験生にはメリットが大きく、私はこれを「Wヨーグルト法」と呼んで提唱しています。
バナナを乳酸菌のエサにする!
また、乳酸菌が腸に届いた後に、乳酸菌が腸内で増殖するためのエサも必要となります。
そのためにベストだと言えるのが、バナナです。
バナナに含まれるオリゴ糖が腸までとどき、乳酸菌のエサになって増やしてくれるわけです。
受験生はお腹を冷やさない!
また、お腹を冷やすと、腸内に住み着いている腐敗菌の活動が活発になり、乳酸菌が腐敗菌との生存競争に負けてしまいます。
普段なら、若い受験生の世代なら、少々、お腹が冷えたって、どうってことはないかもしれません。
でも、試験のときや受験勉強のストレスでメンタルが不安定になったときは、「脳腸相関」の作用で、緊張感から腸内環境が悪化しやすくなっています。
だから、受験ストレスでメンタルが不安定になった時期には、意識して温かい料理を食べるように心がけるのがいいのです。
さらに、夜、寝るときはもちろん、試験を受けに行くときも、お腹はしっかり温めるべきです。
正直、「年寄り臭くて嫌だ!」という気持ちになるのはよくわかりますが、これも合格するためなので、しっかり実践してください。
入試に落ちる「受験FD」とは?
受験を専門に診療している心療内科医として、とても心配なのは、試験のときに胃腸の調子が悪くなることです。
この場合は、「脳腸相関」の作用で、胃腸だけの問題にとどまらず、脳に悪影響が波及し、問題を解くための能力自体も低下してしまいます。
胃腸の症状はなんとか我慢できても、こちらの作用によって入試に落ちてしまうのです。
これが入試のときに起きる「受験FD」での典型的なパターンです。
対策として今すぐ実践していただきたいのが、朝食を食べるときにちょっとした工夫をしていただく「朝食トレーニング」です。
ぜひ、その方法などをわかりやすく解説している以下の「はき気・食欲不振(受験生)」をご参照ください。
本日、リニューアルし、内容をアップデートしています!
受験ストレスと胃の不調
機能性ディスペプシア
FD Functional dyspepsia
志望校合格のための食事改善法
✓ 受験勉強のストレスが引き起こす胃の不快感、食欲不振、吐き気は、「受験FD」または機能性ディスペプシア(Functional Dyspepsia:FD)の典型的な症状とされています。このFDは広く医学界で注目され、公認の疾患名としてされています
✓ 脳機能の低下を引き起こす可能性がある胃の不快感に注意が必要であり、これにより問題解決能力が低下し、受験結果に影響を及ぼす可能性があります。
✓ 家族が受験生の朝食の様子を観察し、そのメンタル状態を理解することは非常に重要です。朝食の取り方の工夫やFDの改善・予防に効果的な食品の選び方について深掘りし、志望校合格のための対策をご紹介します。
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