【受験心療内科】音が気になり勉強できない脳の悪癖?ストレス性の聴覚過敏 | 受験専門の心療内科 東大赤門 吉田たかよし

【受験心療内科】音が気になり勉強できない脳の悪癖?ストレス性の聴覚過敏

https://www.akamon-clinic.com/聴覚過敏症(受験生)/

 

 

 

 

受験の心療内科

 

音が気になり集中できない受験生の聴覚過敏

 

 

 

 

今日のテーマは、かすかな雑音なのに、それで勉強に集中できなくなる脳の症状が、受験生の間で増加しているということです。

 

 

家族の話し声や足音で、勉強に集中できなくなる・・・。

冷蔵庫やエアコンなど、かすかな生活雑音まで気になってくる・・・。

 

 

これは、受験生特有の聴覚過敏症(Hyperacusis associated with depression)の典型的な症状です。

 

 

この場合、受験生へのデメリットは、単にイライラしたり、勉強の集中が妨げられるということだけではありません。

脳の認知機能に悪影響が蓄積していき、最もストレスが高まる入試の前夜や本試験の真っ最中に、メンタルのコントロールが崩壊してしまうこともあるのです。

 

 

聴覚が過敏になった場合、受験生の脳ではいったい何が起こっているのか?

脳の状態を改善させるには、勉強をするときに、具体的にはどのようなことを心がければいいのか?

 

受験生を専門に診療している心療内科医としての経験と専門知識をもとに分かりやすく解説します。

 

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ストレスが増える受験期に、突然うつ症状を発症する人が急増している。うつで人生を狂わさないために、受験生本人や家族ができることは何か。受験生専門外来のがストレス管理や効率の良い勉強法を解説する。

 

 

 

合格を勝ち取るためのセルフチェックのポイントは?

 

志望校への合格を勝ち取る上で、受験生ご自身にも、受験生の親御様にも、ぜひ、チェックしていただきたいポイントがあります。

 

それは、勉強しているときに、音をどのように感じているかということです。

 

特に重点的にセルフチェックしていただきたいのが、雑音が気になり、勉強に集中できない脳の状態になっていないかということです。

 

 

家族の話し声、冷蔵庫、エアコン・・・

 

たとえば、

 

家族の話し声にイライラしてしまって、勉強に集中できない・・・。

冷蔵庫やエアコンなど、生活雑音が気になって、勉強が進まない・・・。

 

そんなお悩みがないでしょうか?

 

 

このような症状が激しい場合、受験生に特有に見られる聴覚過敏症(Hyperacusis associated with depression)になっている危険性があります。

 

受験生の聴覚過敏症とは?

 

一般的には、聴覚過敏症とは、音を聞き取る聴覚が敏感になりすぎて、雑音などを不快に感じるというものです。

 

もちろん、受験生が、たまたま、一般の方と同じタイプの聴覚過敏症になることもあります。

 

ただし、それ以上に多いのは、受験勉強のストレスと脳の疲労が原因で起こる、受験生特有の聴覚過敏症(Hyperacusis associated with depression)です。

 

 

脳の扁桃体の過剰な反応

 

受験勉強の疲労がたまると、脳はストレスが高まり、扁桃体という部分が刺激を受けやすくなります。

 

この部分は不満や不安といったネガティブな感情を作り出しやすく、この部分が暴走するのが「受験うつ」です。

 

 

ただし、そこまで行かなくても、扁桃体が過剰に刺激を受けやすくなると、普段はまったく気にも止めなかった些細な雑音が耳に付き、不快な感情を生み出します。

 

これが、受験生特有の聴覚過敏症(Hyperacusis associated with depression)が生じるメカニズムなのです。

 

 

放置すると入試の本番で大惨事に!

 

このタイプの聴覚過敏症は、内耳の聴覚機能そのものに不調が起きているわけではありません。

 

ですから、一般的にはそれほど心配する必要はないものです。

 

ただし、受験生に限っていうと、話はまったく違います。

 

 

脳の疲労やストレスによって生じるので、通常、こうした疲労やストレスがより高まる入試の時期が近づくほど、症状は重くなります。

 

そして、多くの場合、この症状が極大化するのが、入試を受けている本番の真っ最中なのです。

 

 

隣の受験生の物音で集中力が崩壊!

 

よく、入試の最中に隣の受験生のペンの音が気になって、問題に集中できなくなって落ちてしまった・・・という話を聞きますよね。

 

実は、コレって、単なる緊張のせいだけではないんです。

 

一時的に、受験生特有の聴覚過敏症(Hyperacusis associated with depression)が生じているのが主な原因です。

 

 

最近の研究で、入試より少し前の時期から、聴覚過敏症が一気に激しくなっていくことが確認されています。

 

つまり、志望校に受かるためには、事前にその兆候に気づいておいて、入試よりも前に脳の状態を治しておきたいということです。

 

 

過去問を解いてセルフチェックを!

 

セルフチェックをする上で、特に効果的なのは、過去問を解くときの感覚です。

 

入試の会場で聴覚過敏が起きるかどうかを、過去問を解くことで、事前に、ある程度は再現できます。

 

ただし、できるだけ、本試験を受けているんだという感覚で過去問を解かないと、よい訓練にはならないのですが、とはいっても、本試験と同じレベルの緊張感とはいきません。

 

だから、過去問を解いているときに音が気になって集中できなければ、本試験では、それよりはるかに症状が重くなると考えるべきです。

 

そのような場合は、ぜひ、今すぐ対策をとることをおすすめします。

 

 

対策の第一歩は聴覚過敏症をよく知ること!

 

対策の第一歩は、受験生に特有に見られる聴覚過敏症(Hyperacusis associated with depression)について、よく知ることです。

 

私のクリニックのホームページに、「聴覚過敏症(受験生)」のページを設けていますので、ぜひ、こちらをご参照ください。

 

発達障害と聴覚過敏との関連についても、解説しています。

 

https://www.akamon-clinic.com/聴覚過敏症(受験生)/

 

 



 

 このページの要点は? 

 

 ✓  試験を受けているときや受験勉強をしているときに、本当は小さな音なのに大きな音に感じて、試験に集中できない場合、受験生に特有に見られる聴覚過敏症(Hyperacusis associated with depression)の危険性があります。

 

 ✓  聴覚過敏には、発達障害による感覚過敏や突発性難聴による「リクルートメント(Recruitment)」と呼ばれる現象が原因としてあげられます。

 

 

 ✓  受験生に特有に見られる聴覚過敏症の場合は、脳内の扁桃体(Amygdala)が不安や不満の感情を過剰に生み出し、これに連動して聞き取った音が増幅されます。

 

 

 ✓  原因は受験ストレスなので、通常、入試の時期が近づくと症状が悪化し、入試の当日に最も症状が重くなるため、合格をつかみ取るには、早期の治療が不可欠です。

 

 

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