元日に始めると勉強習慣が根付く脳科学の法則とは?【受験の心療内科】
この効果は、アメリカのペンシルベニア大学が行った実験を通して発見されたものです。
実験では、被験者の人に、一人ひとり目標を自分で決めてもらって、その半分の人には「3月20日から始めてください」とお願いしました。
3月20日は、日本だと春分の日になることが多いですが、アメリカでは、「春が始まる一日目」と言うだけで、祝日でも何でもないので、ただの普通の日だとしか感じない人が大半だったわけですね。
この場合は、途中で挫折して、目標を達成できない人が多かったんです。
ところが、残り半分の人には、同じように「3月20日から始めてください。」と言った後に、一言、「この日は、春が始まる非常に重要な日ですよね」と付け加えたんですね。
普通のアメリカ人は、そう言われてはじめて、「あ!そうそう!3月20日って、春が始まる一日目だよね」と思い出す人が多いんですね。
それだけで、目標の達成率が、なんと3.5倍に跳ね上がったというデータが出たわけです。
「特別な日」という意識が達成率を上げる!
この実験結果は、何かを始める時に「今日は特別な日だ!」と意識した方が成し遂げられるということを意味しているのです。
つまり、何気ない普通の日から始めるより、新しく始まる特別な日だと意識して始めたほうが、持続しやすいということを示しているわけです。
この実験結果を元に、「フレッシュ・スタート効果」という専門用語も誕生しました。
この点でいうと、日本人にとっては元日は1年が始まる特別な日です。
だから、今日、目標を立てたら、強い「フレッシュスタート効果」が働くために、目標の達成率が上がってくれるということです。
何かを始めることで脳は変わる!
では、どうして特別な日だと意識した方が、目標を達成できるのか?
研究データを分析したら、特別なきっかけを意識すると、ライフスタイルそのものが変わりやすいということがわかったんです。
ドラマでよくあるパターンですが、何か出来事を経験して、それがきっかけで意識が変わるってありますよね。
これは、実際にも起こることなんですが、そのためには、一つ条件があることもわかったんですね。
ほんの少しでいいので、すぐ始めないと、効果は持続しないというデータも出ているんです。
だから、元日の今日じゅうに目標を決め、ほんの少しでいいので、今日から何か具体的に始めるのが大事なんです。
頭の中で目標を考えるだけだと、フレッシュスタート効果も少ないんです。
目標を書くことが脳に影響!
この点では、書き初めとして、元日に目標を書く人もいるが、これは脳医学の面からも素晴らしい習慣だと言えます。
書くということは、手を動かすという具体的な行動になっています。
つまり、脳にとっては、実際にすぐに行動に移したという体験として記憶されることになるのです。
だから、頭だけで目標を思い浮かべるより、紙に書いたほうが、達成率は大幅に高くなるというわけです。
これ以外にも、脳科学を応用すれば、ごく簡単なことで、勉強の無気力を治すことができます。
① 「5分間勉強法」
② 「スタンディング勉強法」
③ 「相撲スクワット勉強法」
この3つの方法については、私のクリニックのホームページの「受験無気力症候群(Exam Apathy Syndrome)」のページの中で解説していますので、こちらをご参照ください。
その冒頭だけ、こちらのブログでも掲載しておきます。
興味のある方は、ホームページを見てください!
https://www.akamon-clinic.com/受験無気力/
✔「受験無気力症候群・セルフチェック」を掲載!簡単に自己診断ができます。
✔「受験無気力症候群(Exam Apathy Syndrome)」が急増しており、本来は学力があるはずなのに入試に落ちてしまいます!
✔ 勉強はできないが、ゲームやスマホなら熱心に取り組めるのが特徴です!
✔ ご自宅で誰でも簡単に実践できる「受験無気力症候群(Exam Apathy Syndrome)」の予防法をご紹介しています。
勉強に対するヤル気が、ある時期を境に極端に低下してしまう・・・。
もちろん、勉強をサボりたいだけなら、病気ではありません。
しかし、そうとは言い切れないケースが、今、受験生の間で急増しているのです。
これが、「受験無気力症候群」(Exam Apathy Syndrome)です。
従来からある「大うつ病性障害」という心の病気に陥ると、大半の患者さんが、何事に対しても極度の無気力状態に陥ります。
ところが、最近の受験生に増えている無気力は、明らかにこれとも異なるのです。
特徴は、勉強にはヤル気が出ないにもかかわらず、ゲームやスマホは活発に取り組めるということです。
そのため、多くの親は、「うちの子どもは、ただサボっているだけじゃないか・・・」と誤解してしまいます。
また、受験生本人も、「甘えているだけなのかな・・・」と悩んでしまいがちです。
こうして、「受験無気力症候群」(Exam Apathy Syndrome)は、見落とされてしまっているのです。
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