アクビで集中力を高める勉強の裏技テクニック【受験の心療内科】
集中力が高まる意外な勉強脳法則
答えは、アクビが出そうになったら、意識的により大きく口を開けること。
喉の奥を冷やす効果が、より高まります。
多くの方は、アクビが出そうになると、アクビをこらえようとします。
そのとき、衝動的に大きく開こうとしている口を、無理やり閉じようとしていますよね。
これでは、口の中で空気があたたまるので、アクビの効果は台無しです。
もちろん、人前でアクビをするのは、
「今、私の脳は集中力が低下している。その原因は、あなたの話がつまらないためだ・・・」
と言っているのと同じです。
脳科学的にも、やっぱり人前でアクビをすることが失礼なのは変わりません。
だから、人前でアクビが出ないようにしなければならないので、そのための脳科学的な方法は後ほど、ご紹介します。
ただ、一人で勉強しているときは、思いっきり大きな口を開けて、アクビをしましょう。
また、英語でも国語でも、長文を読んでいて、頭に入ってこなければ、たとえアクビが出なくても、アクビと同じことを意識的に行えば、脳の働きが改善して読解力も高まるわけです。
名付けて、「嘘アクビ」
長い文章を読んでいて、なんだか集中力が低下してきたなと感じたら、ぜひ、実践してください。
また、脳が温まりすぎているわけですから、室温も脳にとっては温度が上がりすぎている場合が多いです。
脳は情報処理をするときに熱を大量に生み出す臓器なので、全身にとって快適な温度であっても、脳にとっては高すぎる温度になっている場合があるのです。
特に、脳を重点的に使う受験生は、こういうケースが特に多いわけです。
アクビが出そうになったら、エアコンの温度設定を下げる必要があります。
さきほど、少し触れましたが、学校の授業中など、人前でアクビをしてはいけません。
そのような場合に、アクビを防ぐ呼吸法があります。
それは、口をほんの少し開けた状態で、口の中を「お」を発音する形にしておくのです。
「お」を発音するときは、舌の奥の部分が下がり、喉の奥への空気の通り道が広がります。
アクビほどではないですが、空気が温まりにくい状態で喉の奥に達するので、こうした口の中の形で呼吸を繰り返していると、アクビが出にくくなります。
ただし、最後に、アクビについて、受験を専門に扱う心療内科医として注意があります。
たまに、アクビが出るというのは、良くないことですが、異常ではありません。
しかし、受験生の中には、国語や英語の長文を読むたびに、アクビが出るという人がいます。
この場合、脳が文章全体の意味を把握しにくい状態に陥っていて、それに対する脳のSOSサインとしてアクビが出ている可能性があります。
脳の中で思考力の基礎となるワーキングメモリーと呼ばれる機能が低下していると、そのような状態になるのです。
そうなってしまう根本的な原因は、受験うつに陥っている場合が多いのです。
実際、長文を読み取るのが苦手になったと感じ場合、検査をすると、大なり小なり、「受験うつ」の兆候が見つかります。
心当たりのある方は、以下の「読解力を低下させる受験うつ」の解説記事をぜひ、ご一読ください。
このページの要点は?
❏ 英語や国語など、文章の読み取りが困難になった場合、「受験うつ」などの脳機能の低下が起きている危険があります。(Reading Comprehension Skills)
❏ 脳科学で「心の黒板」と呼ばれているワーキングメモリー(Working memory)の機能が脳内で悪化すると、文章を読み取って理解する能力が低下します。
❏ うつ症状により、脳内の扁桃体(Amygdala)が過剰に刺激を受けると、その悪影響でワーキングメモリーの機能が低下します。
❏ チェックポイントは、「スラスラと読めない」、「同じ部分を何度も読み返す」、「読むスピードが低下する」、「読み終えても内容が頭に残っていない」という症状です。
❏ 決して学力そのものが低下したわけではないので、ワーキングメモリーを回復させることで、再びスラスラと読み取れるようになります。
それまでスラスラ読めていた英語の文章が、急に読み取れなくなってしてしまう・・・。
もし、そんな症状が起きたら、受験うつを中心とした脳機能の障害が原因になっている可能性が高いので注意してください。
もちろん、英語だけでなく、現代文や古文漢文など、文章の読み取りが苦手になるというのは、国語で起こる場合もあります。
中には、問題文の文章量が多い化学や生物といった理系科目で生じることもあります。
私達は普段、意識することはありませんが、長い文章を読み取るとき、ワーキングメモリー(Working memory)など、脳の高度な機能を活用しています。