9月に「受験うつ」が激増する理由とは?【受験専門の心療内科】 | 受験専門の心療内科 東大赤門 吉田たかよし

9月に「受験うつ」が激増する理由とは?【受験専門の心療内科】

 

 

受験の心療内科

 

受験生の親は要注意!9月に「受験うつ」が激増する理由とは?

 

今日のテーマは、9月に入ると、「受験うつ」が激増するということです。

 

といっても、占いとか、ヤマカンで言っているのではありません。

 

統計データで裏づけられていることなのです。

 

 

受験生が無気力になって勉強ができなくなる・・・。

 

イライラして、家族に暴言を吐くようになる・・・。

 

思考力や記憶力が低下し、成績が一気に急落する・・・。

 

 

こうした受験生の脳や心の問題が、噴出するのが9月に集中するのです。

 

その原因が「受験うつ」なのです。

 

 

いったい、受験生の脳や心で何が起きるのか?

 

予防や回復のためには、具体的には何をどう行えばいいのか?

 

受験生を専門に診療している心療内科医としての経験と知識をもとに、わかりやすく解説します。

 

 

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  データが示す9月に増加する「受験うつ」

 

9月になると、受験生のメンタル面が不安定となり、脳や心のトラブルを抱えやすい・・・ということは、私が「受験うつ」の診療を始めた20年前から、診療の体験を通して気づいていました。

 

なぜなら、「受験うつ」の症状で来院された受験生に問診を行うと、9月に脳や心の調子が悪くなったというケースが多いからです。

 

 

ただ、現場の医者の感覚で増えた感じがする・・・というだけでは、科学的な証明とはなりません。

 

そこで調査を行い、客観的にデータを分析することにしました。

 

 

こちらは、私が学会で発表した調査データをまとめたものです。

 

多くのメディアでも、お取り上げいただきました。

 

 

 

興味のある方は、報道記者発表の資料をこちらで公開しています。

 

 

 

  9月は「受験うつ」から子どもを守る分水嶺!

 

上記の表を簡単に説明しておきましょう。

 

受験生のメンタル面のトラブルを評価する「受験うつ評価尺度」とは、「HAM-Dハミルトンうつ病評価尺度」という、うつ病の評価に用いられている評価尺度を受験生の実情に合わせて改訂したものです。

 

 

分析の結果、入学試験が行われる1月と2月が最も高水準となっています。

 

なんだ!

 

9月という話ではないのか…と、思われた方が多いでしょう。

 

 

確かに、「受験うつ」の症状それ自体は、やはり、入試が行われる時期に、最も深刻となります。

 

これは、世間の常識と一致していると思います。

 

 

ですが、注目していただきたいのは、前月からの増加量については、9月が年間を通して最大だという点です。

 

こちらは、意外に感じる方が多いと思いますが、発症す時期に着目すると、「受験うつ」を発症するのが一年の中で最も多いのは、実は9月だということを意味しているのです。

 

だから、1月や2月に「受験うつ」が深刻になるのを予防するためにも、9月はとりわけ重要だということです。

 

 

  9月の「受験うつ」の原因は、夏休みの幻想の破綻!

 

では、どうして9月に「受験うつ」を発症してしまうのでしょうか?

 

原因はいくつか見つかっていますが、最も大きな要因は、夏休みの幻想が9月に破綻してしまうことにあります。

 

 

多くの受験生が、夏休みに猛勉強をして、不得意科目や不得意分野を克服し、一気に成績をアップさせるという目標を立てます。

 

しかし、現実は、そんなに甘くはありません。

 

思ったほどの成果が上がらなかったという受験生のほうが多数派でしょう。

 

中には、スマホばかり眺めていて夏休みが終わってしまった・・・という残念な受験生もいます。

 

 

このようなケースで、落胆と悔恨の感情が脳内で扁桃体の過剰な活動を促します。

 

そのようなタイミングで夏休みが終わり、新学期が始まるわけですが、夏休みに不規則な生活が身にしみついてしまい、新学期の規則正しい生活に適応することも、脳にとっては負担となります。

 

こうした条件が重なって、無気力やイライラ、不安や不満といったネガティブな感情の暴走を生み出してしまうのです。

 

 

  9月に発症した「受験うつ」が1月2月に重篤化!

 

データから見えてきたもう一つの重要なポイントは、9月に「受験うつ」が発症した場合、たとえそのときは症状が軽くても、放置していると、1月2月の受験本番のシーズンで、症状が重篤化することが多いということです。

 

なぜなら、10月11月と秋が深まると、受験の本番がヒタヒタと近づいてきます。

 

それに応じて精神的なプレッシャーも増加してくるので、脳や心のトラブルは、改善するどころか、悪化の一途をたどるわです。

 

 

「受験うつ」を予防するには、今が正念場です。

 

ということで、「受験うつ」について、もっと理解を深めていただきたい・・・と思い、クリニックのホームページの、「受験うつ(Exam Depressive Disorder)」のページをリニューアルしてもらいました。

 

興味のある方は、ホームページを見てほしいのですが、まずは、以下のサマリーを読んでください。

 

「受験うつ(Exam Depressive Disorder)」⇒クリック!

 


  「受験うつ」とは、受験生が勉強のストレスなどで生じるうつ症状の総称です。2005年に当院院長の吉田たかよし医師が日本で初めて提唱し、「受験うつ どう克服し、合格をつかむか」(光文社新書)がベストセラーになったことなどで広く社会に浸透しました。

 

 受験生の自覚症状として最も多いのは、集中力の低下です。勉強のストレスや不合格になるのではないかという不安によって、脳内で集中力を生み出す中枢が機能低下を起こすために生じます。

 

 英語や国語の課題文が読み取れなくなるということも、「受験うつ」で頻発している症状です。脳内の扁桃体(Amygdala)が暴走すると、ワーキングメモリー(Working memory)の機能が悪化するため起こります。

 

 「受験無気力症候群(Exam Apathy Syndrome)」を併発する方も多く、受験勉強を持続する能力が低下し、志望校への合格を阻む重大な原因になっています。

 

 最新の脳科学とメンタル医学を総動員し、受験生のお一人お一人の脳の状態に最適な治療を行うことで、「受験うつ」が早期に軽快するだけでなく、脳機能がパワーアップするため、発病前より2ランク高い志望校に合格されるケースも少なくありません。

  

 

 


「受験うつ」とは、受験生が、勉強のストレスや入試に落ちるのではないかという不安などにより生じる、うつ症状の総称です。

 

2005年に当院院長の吉田たかよし医師が、受験期にうつ症状が急増することを指摘し、日本で初めて「受験うつ」として警鐘を鳴らすべきだと、所属学会をはじめ、テレビ・ラジオ・雑誌等で広く提唱しました。

 

当初は、「受験うつ」と呼ぶことに対しご批判をいただくことも多く、長く論争が続きましたが、そんな中、光文社新書より「受験うつ どう克服し、合格をつかむか」という書籍を刊行させていただきました。

 

これが、紀伊国屋本店で販売ランキングのトップになるなどベストセラーとなり、一気に社会的な認知が広がり、今ではかなり一般的に使われる用語となっています。

 



 

上記の受験うつの様々な症状の中で、受験生ご本人が感じるのが最も多いのは、集中力の低下です。

 

うつ病になると、記憶力や思考力など、脳内の様々な認知機能が低下しますが、集中力の低下も、かなりの高い割合で生じます。

 

さらに、受験勉強が高度な集中力を要求するため、脳内で集中力を生み出す中枢が、とりわけダメージを受けやすいのです。

 

 

また、受験勉強や模擬テストで集中力を問われるため、受験生は、いわば集中力の検査を日々行っているようなものなので、異変に気づきやすいという側面もあります。

 

集中力の低下が、受験うつを教えてくれる大事なSOSサインであるということを、ぜひ、肝に銘じてください!

 

続きを読む ⇒ 本郷赤門前クリニックホームページ「受験うつ(Exam Depressive Disorder)」