受験生の不眠が誤った常識で悪化する理由は?【受験の心療内科】 | 受験専門の心療内科 東大赤門 吉田たかよし

受験生の不眠が誤った常識で悪化する理由は?【受験の心療内科】

 

 

 

受験の心療内科

 

受験生の睡眠障害間違った常識で悪化

 

 

 

 

今日のテーマは、「受験ストレス不眠(Exam stress Insomnia)」です。

 

 

睡眠が不足すると、せっかく勉強して習得した知識が長期記憶に変換されないため、2週間以内に忘れてしまいます。

 

思考力も集中力も、睡眠が不足すると低下してしまいます。

 

受験生の不眠は、志望校への合格の可能性を奪い取る危険な罠なのです。

 

 

ところが、そんな受験生の不眠が、受験生には合わない大人の常識に基づいた医者のアドバイスを鵜呑みにして実践することによって、余計に悪化しているという例が、今、頻発しています。

 

これによって、学力があるにもかかわらず、志望校の入試に落ちたかわいそうな受験生も続出しているのです。

 

 

受験生から合格を奪い取る、間違った不眠の対処とは何か?

 

合格を勝ち取るためには、具体的にはどうしたらいいのか?

 

受験生を専門に診療している心療内科医としての経験と専門知識をもとに分かりやすく解説します。

 

受験うつ~どう克服し、合格をつかむか~ (光文社新書)(電子版)

 

ストレスが増える受験期に、突然うつ症状を発症する人が急増している。うつで人生を狂わさないために、受験生本人や家族ができることは何か。受験生専門外来のがストレス管理や効率の良い勉強法を解説する。

 

 

受験ストレス不眠(Exam stress Insomnia)とは?

 

本格的な受験勉強に、長期間、頑張って取り組んでいると、やがて、勉強のストレスと脳の疲労が蓄積してきます。

 

その影響で、多くの受験生が、夜がふけても、なかなか眠れなくなるのです。

 

これが、受験勉強のストレスで不眠になる「受験ストレス不眠(Exam stress Insomnia)」です。

 

これは、中高年の大人に多い不眠とは、脳内で生じる発症のメカニズムが根本的に異なります。

 

このことを理解しておかないと、良かれと思って行っていた不眠の対策が、逆効果となってしまうので注意してください。

 

 

受験ストレス不眠が増加している理由とは?

 

このタイプの不眠は、今、特に増加傾向にあるので注意が必要です。

 

もともと、受験生の脳は、日々、プレッシャーを受け続けているので、ストレスによるダメージを受けやすいのです。

 

それに加え、コロナ感染など何かと我慢を強いられるライフスタイルが続いた影響が今も脳に残り、さらに増加しているわけです。

 

これは、合格を勝ち取る上で、とっても危険な障壁になっています。

 

 

合格には睡眠による脳のリフレッシュを!

 

受験生にとって、脳を効果的にリフレッシュさせる睡眠が取れるかどうかは、合格を勝ち取る上で生命線です。

 

受験勉強を行うのも脳!

 

試験会場で問題を解くのも脳!

 

だから、その機能をリフレッシュさせる睡眠が大事なのは、受験にとって当然のことです。

 

 

実際、クリニックで、日々、受験生の脳機能の分析を行っていて、睡眠の質の低下で脳が働きにくくなっているケースはとても多いのです。

 

 

受験に落ちる医者のアドバイスとは?

 

そのような中、特に注意して頂きたいのが、我々医者がテレビやラジオで、「睡眠は、こういうふうに、とりましょう!」とアドバイスしていることを鵜呑みにして、逆に受験生の脳がダメになってしまうことです。

 

その中でも最大の問題が、「眠れないときには無理に寝ようとはせず、眠くなってから床につきましょう!」というアドバイスです。

 

 

これは、我々医者にとって、睡眠医学では定番となっているアドバイスです。

 

テレビやラジオで質問を受けたら、医者はそういう答えをすることが多いので、聞いたことがある人が多いと思います。

 

私だって、何度かそういうことをテレビやラジオで話した経験があります。

 

 

高齢者の不眠対策で受験生が落ちる!

 

これは、テレビの視聴者が多い高齢者などへの一般論としては、医学的に正しいアドバイスです。

 

高齢者の場合は、全身の代謝が低下してそもそも必要な睡眠量が少なくなっています。

 

また、脳の松果体が分泌できる睡眠ホルモンのメラトニンの量も低下しているため、無理して眠ろうとしないということが、長い目で見ると適切な対処だといえるのです。

 

 

しかし、受験生がそのアドバイスを鵜呑みにして実践してしまうと、入試に落ちる要因となってしまいます。

 

どうしてなのか?

 

 

若い受験生の脳と、リタイアした高齢者の脳は、そもそも機能が大きく異なります。

 

若くて元気な受験生の脳は、眠くなければ眠らなくて良いと指導すると、いくらでも夜更かしをしてしまいます。

 

 

さらに、受験生と高齢者では、置かれている社会的環境が根本的に違います。

 

受験生が昼夜逆転してしまったら、脳は体内時計が壊れてしまって、コツコツと受験勉強を行うということができなくなってしまいます。

 

へたをすると、それで受験うつに一直線です。

 

だから、高齢者と受験生とでは、医学的に正しい対処が異なるのは当然なのです。

 

 

受験ストレス不眠の対策とは?

 

では、受験生の場合は、どうしたらいいのか?

 

ぜひ、以下の解説をご一読ください!

 

こちらは、本郷赤門前クリニックの「受験ストレス不眠(Exam stress Insomnia)」のページの一部ですが、受験生にはとても役立つ情報だと思います。

 

 


受験生にとって危険な不眠の対処法


☓ 眠れないときには無理に寝ようとはせず、眠くなってから床につく!

☓ 睡眠はこうあるべきだという考えは捨てる!

☓ 眠れなくても、緊張したら眠れなくなるものだと受け入れる!

⇒ 不合格になる危険な常識!

 

これらは、一般論としては正しいです。

しかし、受験生の方に限れば、こうした方法を鵜呑みにするのはとても危険です。

なぜなら、不眠は治るかもしれませんが、それによって大切な受験で失敗してしまうからです。

 

不眠対策の常識が、志望校への不合格を導くという落とし穴をもつことを、ぜひ、認識しておいてください。

 

 

必要な睡眠時間には個人差があり、特に年齢によって大きく変動します。

ですから、決まった時刻に眠り、睡眠時間をしっかり確保しなければならないと決めつける必要はない・・・というアドバイスです。

よく言われているので、あなたも何度か耳にしたはずです。

 

しかし、受験生に限れば、このアドバイスはとっても危険なのです。

 

なぜなら、日中に勉強したことは、眠っている間に長期記憶に変換されるためです。

睡眠時間を十分に確保しなければ、苦労して勉強したことが無駄になってしまいます。

 

また、脳は、1日24時間のサーカディアンリズムによって機能しています。

このリズムを壊してしまうと、問題を解くための能力が大幅に低下してしまします。

 

さらに受験生に知っていただきたいのは、そもそも、このアドバイスは、高齢者に向けたものだということです。

年をとると、睡眠ホルモンのメラトニンの分泌が低下するため、そもそも生理的に睡眠の量が低下するのは当然のことです。

さらに、老後に悠々自適の年金生活を送っている場合、記憶力が低下してもそれほど困ることはありません。

だから、高齢者に向けたアドバイスとしては適切なのですが、受験生は事情が異なります。 

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本郷赤門前クリニック 受験ストレス不眠

 

 
 

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