子どもが朝起きられない脳の異変 | 受験専門の心療内科 東大赤門 吉田たかよし

子どもが朝起きられない脳の異変

 

⇒「睡眠相後退症候群(不登校)Delayed Sleep Phase Syndrome」はこちらから!

 

もうすぐ子どもたちは夏休みですが、そこで大きな落とし穴になるのが、朝、起きられなくなることです。

 

朝寝坊がどんどん激しくなって、行き着くところ、昼夜が逆転することも、決して少なくないのがここ数年の傾向です。

 

 

でも、それでも、夏休み中は特に生活に支障はなく、問題が大きくなりません。

 

心療内科の医者からすると、これが最も怖いことです。

 

これで、朝寝坊が脳に固定化され、9月になって不登校になってしまう・・・。

 

そこで親も子供も慌てるのですが、いったん、脳に固定化された朝寝坊は、容易に元には戻れません。

 

 

特に注意していただきたいのが、「二次性の睡眠相後退症候群」です。

 

以下、以前に書いた「睡眠相後退症候群」の解説記事を再掲載します。

 

ぜひ、お読みください。

 

 

【以前の記事】

 

朝寝坊・・・。

 

あなたは、どんなイメージをお持ちですが。

 

私は心療内科医として、この言葉の罪は重いと思います。

 

 

朝寝坊といえば、クスッと笑えるような欠点だと感じる人も多いし、

 

サボっていて叱りつけないといけないと感じる親も多いでしょう。

 

 

でも、その言葉のカゲで、睡眠相後退症候群という病気が見過ごされ、それで人生を棒に振ってしまう子どもたちも多いんです。

 

 

私のクリニックでは、不登校を治す診療プログラムも設けていますが、検査を行うと、睡眠相後退症候群が見つかることが、少なくありません。

 

特に、二次性の睡眠相後退症候群は、発症例が多いのに、あまり知られておらず、対策が遅れがちです。

 

 

そこで、今日、私のクリニックのホームページの中に、「睡眠相後退症候群(不登校)Delayed Sleep Phase Syndrome」のページを開設しました。

 

お心当たりのある方は、必ず、以下のホームページの解説をご参照ください!

 

 

 



極端に遅い時間にしか眠れない・・・。

起床時間は昼頃にずれてしまう・・・。

もちろん、学校には登校できない・・・。

そんな場合、「睡眠相後退症候群」の危険性があります。

これを治さない限り、精神論では登校も受験もできません。


 このページの要点は? 

 

 

 ✓  睡眠相後退症候群(Delayed Sleep Phase Syndrome)とは、睡眠を取る時間帯(睡眠相)が1日24時間の中で後ろにずれていく病気です。

 

 ✓  多くの親が単なるサボりや子供のわがままだと勘違いしがちですが、睡眠相後退症候群は脳の不調が招く病気で、叱りつけることで治るということはありません。


 ✓  睡眠相後退症候群に陥ると、学校への登校や大切な試験を受験することができなくなり、早期に治療しないと子供の将来に深刻な禍根を残すことになります。

 

 ✓  睡眠相後退症候群には1次性と2次性の2つのタイプの病気があり、それぞれ治療法が異なるため、適切な検査を行って正しく見極める必要があります。

 

 ✓  早期回復のための治療法や専門のプログラムについても、ご紹介します。

 

   

 東京大学本郷キャンパス赤門正面

本郷赤門前クリニック



睡眠相後退症候群とは、夜になったら眠り、朝になったら起きるということが慢性的にできなくなる病気です。

 

精神医学では、睡眠を取る時間帯を睡眠相といい、これが1日24時間の中で、後ろにずれていく病気なので、睡眠相後退症候群と言います。

 

 

典型的には、夜中の3時を過ぎたらやっと根付くことができ、その分、朝、起きることはできず、目覚めたらお昼となってしまいます。

 

もちろん、これでは学校に登校できるはずはありません。

 

こうした病的な状態が1か月以上も持続し、さらに、いくつかの診断基準を満たす場合に、睡眠相後退症候群という病気として扱います。

 

 

特に困るのは、試験があるなど、どうしても朝、普通に起床しないと行けない日も、起きることができないことです。

 

学校の定期テストを受けられなければ、留年や退学を余儀なくされます。

 

また、入学試験を受けられなければ、当然、延々と浪人を繰り返すことになります。

 

 

人生を再建する上で、睡眠相後退症候群は、決して放置してはいけない病気なのです。

 

 

 東京大学本郷キャンパス赤門正面

本郷赤門前クリニック



睡眠相後退症候群は、思春期から青年期にかけてが、最も発症しやすい年代です。

 

ただし、この年代は、ともすれば夜ふかしや朝寝坊をしやすいため、多くの親御様は、睡眠相後退症候群をその延長だと誤解し、叱りつけることで改善できると考えがちです。

 

 

しかし、睡眠相後退症候群は、単なるサボりではなく、脳の不調が招く病気なので、叱りつけることで治るということはありません。

 

逆に、精神的なストレスが発症に関与している場合もあり、このようなケースでは、叱りつけると、通常は症状が悪化します。

 

 

特に、午前中は、無理に起きたとしても、病的な眠気に襲われ、さらに頭痛や頭重感、それに食欲不振や疲労感などの身体的不調のため、学校に行くことも、勉学に励むことも困難です。

 

さらに、トラウマとして本人の心が深く傷つくと、うつ病などの精神的な他の病気に移行し、社会復帰が困難になります。

 

 

 

 

 東京大学本郷キャンパス赤門正面

本郷赤門前クリニック



睡眠相後退症候群には、1次性と2次性の2つのタイプがあります。

 

 

まず、1次性の睡眠相後退症候群は、心理的、あるいは精神的な問題とは無関係に、いつでも睡眠相の後退が起こるのが特徴です。

 

原因は、脳の視床下部という部分にある体内時計が正常に機能しないことです。・・・

 

 

「睡眠相後退症候群(不登校)Delayed Sleep Phase Syndrome」