雑音で試験に集中できない脳の癖の治し方!【受験の心療内科】
吉田たかよしの勉強法講座
https://www.akamon-clinic.com/聴覚過敏症(受験生)/
まもなく12月・・・。
ということは、共通テストまで1ヶ月半ということです。
この時期に、受験生の方のメンタル面が健康な状態かどうかについて、ぜひ、セルフチェックしていただきたいポイントがあります。
それは、音をどう感じるかということです。
特に重要なのが、雑音が気になり勉強に集中できない脳の癖です。
家族の話し声がイライラして、勉強に集中できない・・・。
冷蔵庫やエアコンなど、生活雑音が気になって、勉強が進まない・・・。
そんなお悩みがないでしょうか?
このような症状が激しい場合、受験生に特有に見られる聴覚過敏症(Hyperacusis associated with depression)になっている危険性があります。
受験生に限ってのことですが、この症状は、脳の扁桃体の過剰な反応で起こることが多く、通常、入試の時期が近づくほど、症状は重くなります。
よく、入試の最中に隣の受験生のペンの音が気になって、問題に集中できなくなって落ちてしまった・・・という話を聞きますよね。
実は、コレって、単なる緊張のせいだけではないんです。
最近の研究で、入試より、少し前の時期から、聴覚過敏症になっていることが多いということがわかってきたんです。
つまり、志望校に受かるためには、事前にその兆候に気づいておいて、入試よりも前に脳の状態を治しておきたいということです。
セルフチェックをする上で、特に効果的なのは、過去問を解くときの感覚です。
入試の会場で聴覚過敏が起きるかどうかを、過去問を解くことで、事前に、ある程度は再現できます。
ただし、できるだけ、本試験を受けているんだという感覚で過去問を解かないと、よい訓練にはならないのですが、とはいっても、本試験と同じレベルの緊張感にはなりません。
だから、過去問を解いているときに音が気になって集中できなければ、本試験では、それよりはるかに症状が重くなると考えるべきです。
ぜひ、今すぐ対策をとることをおすすめします。
ということで、私のクリニックのホームページに、「聴覚過敏症(受験生)」のページを設けています。
ぜひ、こちらをご参照ください。
https://www.akamon-clinic.com/聴覚過敏症(受験生)/
このページの要点は?
✓ 試験を受けているときや受験勉強をしているときに、本当は小さな音なのに大きな音に感じて、試験に集中できない場合、受験生に特有に見られる聴覚過敏症(Hyperacusis associated with depression)の危険性があります。
✓ 聴覚過敏には、発達障害による感覚過敏や突発性難聴による「リクルートメント(Recruitment)」と呼ばれる現象が原因としてあげられます。
✓ 受験生に特有に見られる聴覚過敏症の場合は、脳内の扁桃体(Amygdala)が不安や不満の感情を過剰に生み出し、これに連動して聞き取った音が増幅されます。
✓ 原因は受験ストレスなので、通常、入試の時期が近づくと症状が悪化し、入試の当日に最も症状が重くなるため、合格をつかみ取るには、早期の治療が不可欠です。
東京大学本郷キャンパス赤門正面
本郷赤門前クリニック
試験を受けているときに、本当は小さな音なのに、とても大きい音に感じて、試験に集中できなかったという経験はありませんか。
・周囲の受験生が答案用紙に書き入れるペンの音。
・周囲の受験生が消しゴムで消すときに机がきしむ音。
・時計の秒針が時を刻むチクタクチクタクという音。
この場合は、受験生に特有に見られる聴覚過敏症(Hyperacusis associated with depression)の危険性があります。
また、自宅で受験勉強をしているときも、イライラしたり不安になったりすると、聴覚過敏症の症状が出やすくなります。
たとえば、家族のなにげない会話や、洗濯機や冷蔵庫やエアコンなどの生活騒音が、本当は小さな音なのに、とても大きな音に感じる場合があるのです。
こうしたタイプの聴覚過敏症は、メンタル面の不調が発病に大きく関連しています。
だから症状は、緊張感が最大限に高まる入学試験のときに極端に重くなる場合が大半です。
学力が高くても入試に落ちてしまうため、早期に治しておく必要があります。
東京大学本郷キャンパス赤門正面
本郷赤門前クリニック
発達障害や難聴とはことなり、受験生に特有に見られる聴覚過敏症(Hyperacusis associated with depression)の場合、直接の原因を生み出すのは、脳内の扁桃体(Amygdala)と呼ばれる部分です。
この部分が不安と不満の感情を生み出すと、音が増幅して感じられるようになる仕組みが脳に備わっているのです。
実は、この仕組自体は、どなたの脳にも備わっています。
扁桃体が不安や不満を生み出す場合、自分の身の回りで危険なことが起こっている、あるいは、自分の身に不利益なことが起こってるはずです。
そのような場合に、危険を回避したり、損をしないために、聴覚を過敏にして、身の回りに起こる些細な変化も見逃さないことが必要です。
つまり、不安や不満とともに聴覚を敏感にすることは、生き残るために必要なことなのです。
しかし、いくら必要な仕組みであっても、程度を超えて暴走すると、本人に不利益をもたらす病気となってしまいます。
受験生に特有に見られる聴覚過敏症(Hyperacusis associated with depression)は、受験ストレスのため、扁桃体が暴走してしまうことで起こるのです。・・・