入試を受けに行けなくなる受験生の無気力!【受験の心療内科】
入試に行けない受験生のメンタルの闇!
受験生を専門に診療している私のクリニックでは、入試に失敗した方が次の入試に向けてご来院された場合、まず、前回の入試で合格できなかった原因を、問診と専門の脳機能の検査で突き止めます。
ここ数年の傾向として、受験当日に試験会場に行けなかったために不合格になったという、とても残念な例が特に増加しています。
さらに、驚かれるかもしれませんが、受験生の親御様に問診していて、次のようなエピソードを数多く耳にします。
大切な入試の当日に、受験生が家から出ていこうとしない・・・。
当然、親御様は受験生に問いただします。
「なぜ、試験の会場に行かないのか?」
受験生の口から出てくる理由は、親にとって、驚愕の言葉です。
「めんどくさいから・・・」
多くの親御様は、烈火のごとく怒るか、あるいは理解できす、ただただ困惑するばかりというケースが大半です。
めんどくさいから入試に行かない・・・。
これが、最近の受験ストレスを象徴するキーワードとなっているのです。
「めんどくさい」が生み出す受験生の悲劇!
でも、このとき、見落としてはいけない大きな要因があります。
それは、親が推測する「めんどくさいから入試に行けない」ということと、受験生の脳内で実際に生じているトラブルの医学的な本質は、大きく異なっているということです。
なぜなら、「めんどくさい」という言葉の意味が、親の世代と受験生の世代で大きく違っているからです。
これに撹乱されて、正しい対処をするという大切な機会を逸してしまうのは、とても惜しいことです。
世代間による言葉のギャップは、よく話題になり、会話が盛り上がるテーマですよね。
ただし、受験生の「めんどくさい」という言葉は、そんな生やさしいものではないということを、私は診療の現場で痛感させられています。
その結果、受験生の心の病気を見落としてしまい、気づいたときには入試がすべて終わっていて、浪人が決定してしまっていた・・・というケースが多いのです。
入試の無気力から始まる人生の転落!
浪人することで、1年の月日と予備校の費用を無駄にするわけですがら、それだけでも、もったいないことです。
でも、本当にもったいないことになるのはその後です。
結局は、めんどくさいから、予備校も通わなくなる・・・。
他のことは、めんどくさいから、スマホやゲームにはまる・・・。
規則正しい生活はめんどくさいので、やがて昼夜が逆転する・・・。
外出するのは、めんどくさいから、引きこもり生活に入る。
仕事をするのも、めんどくさいから、就職もしない・・・。
こうなってしまうと、人生すべてを台無しにすることになってしまいます。
そのキッカケになるのが、何気ない「めんどくさい」という言葉だという場合が多いのです。
そこで私は、こうした現象を「めんどくさい症候群」と名付け、広く警鐘を鳴らしています。
受験生の意欲を守る朝の生活習慣!
では、「めんどくさい症候群」を予防するには、どうしたらよいのか?
「めんどくさい症候群」の根本的な原因は、側坐核など脳内で意欲を生み出す中枢が活発に働かなくなっていることです。
逆に言えば、この部分を改善すれば、「めんどくさい症候群」から離脱ができるので、受験勉強にも意欲的に取り組めるし、もちろん、入試の会場にも行くことができます。
そのために最も大事なのは、毎朝、決まった時間に起きることを確実に行うことです。
脳の中でモーニングサージと呼ばれるホルモン量の変化がおこるのですが、これに合わせて起床するということにより、意欲を確保する効果が得られるのです。
さらに朝起きたら、できるだけ早く、必ず外に出ることです。
目に光を入れるとともに、外出することによる脳への刺激で、意欲が保たれます。
どこにも行くことがなければ、コンビニに行くだけでも結構です。
朝は脳にとって気力と無気力の分水嶺!
意欲が低下した受験生にとって、頑張るということは、とても大変なことです。
だから、朝から夜まで頑張ろうとすると、結局は挫折してしまい、自己嫌悪と自信喪失でますます意欲がわかない脳になってしまいます。
実際、無気力に陥った多くの受験生がこうした悪循環に陥っています。
脳医学に基づく適切な対策とは、無理なことは初めから考えず、まずは、朝だけ限定して頑張ってみることです。
これなら、意欲が低下した受験生でも、なんとか可能な射程圏に入るわけです。
しかも、脳にとって、朝は気力が湧くのか、無気力になるのか、一日の方向性を決める分水嶺なのです。
だからこそ、朝の攻略が、無気力から脱するためにとりわけ重要だということです。
実際、朝に気力を取り戻した受験生の多くが、やがて、丸1日 、気力を高めることができるようになっています。
朝食の声掛けが受験生の脳を守る!
また、声を出すことも脳への効果が大きく、受験生の脳を健康に保つうえでとても重要です。
朝食をとるときは、家族と話をする習慣を身につければ脳にとっても理想的です。
でも、現代っ子って、親と話すことが何もないって言う人は多いですよね。
もし、話すことが何もなければ、家族に対して大きな声で「おやようございます」と挨拶しましょう。
それだけでも、一定の効果があります。
また、親御様の方でも、受験生にいろいろ話しかけて上げてください。
そのときに、説教臭いことは言わないこと。
「今日の夕食は、何を食べたい?」など、勉強や受験と関係のないことを尋ねると、答えが返ってきやすいです。
脳医学に基づく対策が合格をもたらす!
ご紹介したことを毎朝心がけるだけで、意欲の中枢がかなり保たれます。
ただ、受験生の意欲の喪失がすでに起こってしまった場合は、こうした対策だけでは不十分です。
脳医学とメンタル医学に基づく適切な対策が必要です
入試で合格を取るために大切なのは、一日も早く異変に気づき、脳医学とメンタル医学に基づいた適切な対策を行うことです。
そのための方法について、詳しくは、私のクリニックのホームページのうち、「受験生の意欲喪失」のページで解説していますのでご参照ください。
⇒意欲喪失・・・「めんどくさい」の連発は受験うつ。詳しい医学解説はこちらから!
このページの要点は?
✓ 「朝、起きるのが、めんどくさい!」、「学校に行くのが、めんどくさい!」、「勉強するのは、もっと、めんどくさい!」などと、受験生が「めんどくさい」という言葉を頻繁に口にするようになったら、脳の働きに何らかの障害が生じている可能性があります。
✓ そのうち最も懸念されるのが、受験期のうつ症状「受験うつ」です。
✓ 子どもの言葉に注意深く耳を傾けると、単なる怠惰なのか、それとも「受験うつ」の兆候なのか、ある程度は見極めがつきます!
✓ 「おはようの挨拶がめんどくさい!」「親しい友だちとの会話がめんどくさい!」「お風呂に入るのも、着替えるのもめんどくさい!」は、メンタル医学の面では、特に危険な兆候だといえます。
✓ 脳科学に基づく検査によって、単なる怠惰のせいなのか、「受験うつ」の悪影響なのか、かなり正確に区別が付きます。また、どうすれば治すことができるのか、適切な対処の方法もわかります。
ポイント!
受験生が口にする「めんどくさい」の中で、どのようなケースが、「受験うつ」の可能性が高いのでしょうか。
典型例を3つ、ご紹介しておきましょう!
【チェックポイント1】
「受験うつ」の可能性が高い最も危ない兆候は・・・
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