読むのが遅くなる受験生の病気!
https://www.akamon-clinic.com/読解力を低下させる受験うつ/
大学入学共通テストで失敗しちゃった受験生に、ぜひ、セルフチェックしていただきたいことがあります。
それは、ご自分の脳が、試験の問題文をサクサク読んで、内容を把握する能力を正常に保てているかどうかということです。
今週、私の受験生専門の心療内科クリニックでは、共通テストで失敗した受験生の脳機能を検査すると、この能力が低下している人が、すごく多かったんです。
共通テストを受験した方は、皆さん、感じたと思いますが、去年までのセンター試験に比べて、問題文が長く、これがサクサク読めないと、制限時間内に得点が稼げないんです。
じゃあ、ご自分の脳が、大事な入試で、どうして、問題文をサクサク読めないのか?
受験生に限って言うと、原因として圧倒的に多いのは、受験うつです。
うつ病になっている場合は当然ですが、そうではなくても、受験ストレスで、一時的に、脳の状態が受験うつと同じ働きになっているのです。
うつ病になると、脳の中で不安や不満を生み出す扁桃体という部分が過剰に働き、その影響で、左脳の背外側前頭前野の機能が低下し、ワーキングメモリーという能力が低下します。
だから、うつ病の患者さんは文章を読み取るのが苦手になりますが、うつ病ではなくても、受験ストレスによって扁桃体が刺激を受けるので、一時的ではありますが、うつ病の患者さんと、同じような状態になるわけです。
多くの場合、こうした状態は一時的で、ストレスがなくなると元に戻ることが多いので、医療の対象にはなっていませんでした。
でも、少なくとも、入試がすべて終わるまでは、悪化する一方なので、すべて落ちてしまって、浪人ということになるのが大半で、この場合は、4月以降も受験ストレスが消えないため、さらに悪化してしまいます。
やっぱり、最良の薬は志望校に合格することなんですね。
こうした事情を踏まえ、私のクリニックでは、軽症の受験うつであっても、改善の見込みのある場合は磁気刺激治療を活用し、とことんまで今年の合格を追求しています。
なんだか問題文を読むスピードが落ちた気がする受験生の方は、受験ストレスが脳の働きを低下させている危険があるので、私のクリニックのホームページのうち、「読解力を低下させる受験うつ」のページをぜひ、ご一読ください。
以下、冒頭だけ、こちらのブログでもご紹介しておきますが、くわしくは、ホームページを見てください!
https://www.akamon-clinic.com/読解力を低下させる受験うつ/
吉田たかよしのYouTube勉強法解説もよろしく!
https://www.youtube.com/watch?v=cSYnihkb8HQ
このページの要点は?
❏ 英語や国語など、文章の読み取りが困難になった場合、「受験うつ」などの脳機能の低下が起きている危険があります。(Reading Comprehension Skills)
❏ 脳科学で「心の黒板」と呼ばれているワーキングメモリー(Working memory)の機能が脳内で悪化すると、文章を読み取って理解する能力が低下します。
❏ うつ症状により、脳内の扁桃体(Amygdala)が過剰に刺激を受けると、その悪影響でワーキングメモリーの機能が低下します。
❏ チェックポイントは、「スラスラと読めない」、「同じ部分を何度も読み返す」、「読むスピードが低下する」、「読み終えても内容が頭に残っていない」という症状です。
❏ 決して学力そのものが低下したわけではないので、ワーキングメモリーを回復させることで、再びスラスラと読み取れるようになります。
それまでスラスラ読めていた英語の文章が、急に読み取れなくなってしてしまう・・・。
もし、そんな症状が起きたら、受験うつを中心とした脳機能の障害が原因になっている可能性が高いので注意してください。
もちろん、英語だけでなく、現代文や古文漢文など、文章の読み取りが苦手になるというのは、国語で起こる場合もあります。
中には、問題文の文章量が多い化学や生物といった理系科目で生じることもあります。
私達は普段、意識することはありませんが、長い文章を読み取るとき、ワーキングメモリー(Working memory)など、脳の高度な機能を活用しています。