【受験生の脳が危ない】共通テストの後に夜更しと朝寝坊が激増
その一方で、高校は休みになっているところが多く、朝寝坊しようと思えばいくらでも朝寝坊できます。
その結果、共通テストで失敗して気落ちしている場合は、起きてバリバリ勉強しようと言う気力がわかなくなってきて、起きる時間がどんどん遅くなってしまうのです。
その分、夜は眠れなくなってしまうので、こちらもどんどん夜更かしになっていくわけです。
一方、共通テストが思いのほかより点数だった場合も、落とし穴が潜んでいます。
気が緩み、夜中までついついスマホを眺めて就寝時間がズルズル遅くなりがち・・・。
朝も、共通テストの成績が良かったから、少しサボっても大丈夫だと朝寝坊・・・。
こうして、夜更かし朝寝坊になりやすいのが、共通テストの後なのです。
入試の当日だけ早起きしても、脳は働かない!
もちろん、入学試験の当日になると、慌てて朝早く起床することになります。
でも、脳内では、1日24時間のリズムであるサーカディアンリズムが乱れてしまっています。
そのため、試験を受けている時間中も、脳にとっては半分寝ているような状態になって、頭はボケボケになってしまいます。
脳がこんなコンディションでは、良い点数は取れるはずはありません。
脳のリズムを回復させるには、最低でも5日が必要!
試験問題を解くのに、脳の中で最も重要なのは、論理的思考力を生み出す前頭前野です。
この部分は、朝、起床してからベストコンディションになるまで、3時間ほど必要です。
入試は、午前9時から始まることも多く、そこから3時間を引き算して、午前6時に目覚めるようにすべきです。
さらに、入試の当日だけ朝6時に起きても駄目です。
体内時計を完全に整えるのに、最低でも5日、できれば2週間ほど、同じリズムで生活する必要があります。
夜、なかなか寝付けず、結果的に朝寝坊になってしまっている受験生も、合格に赤信号が灯っていると思ってください。
生活の乱れをもたらす脳の無気力の正体とは?
ただし、受験生自身、知識としては、夜更かし朝寝坊が入試によくないということ自体は、理解しているケースが大半です。
でも、頭では分かってはいても、夜になったら眠れなくなる・・・。
この繰り返しで、結果としてこうした生活リズムの乱れが助長されてしまうというのです。
このような状態に陥っている受験生に問診を行うと、よく返ってくる答えが、
共通テストで失敗したことをきっかけにして、急にヤル気がわかなくなってしまった・・。
だから、頑張ろうと思っても頑張れない・・・。
結果として、夜更かし朝寝坊のライフスタイルになってしまう・・・というのです。
脳を蝕む「受験うつ」の兆候に注意!
そうなってしまった受験生の脳の状態を検査すると、「受験うつ」や、そこまで行かなくても、「受験うつ」の前段階に陥っているケースが多いんです。
共通テストで思った得点が出せず、ガクッと来ちゃった受験生・・・。
それまで張り詰めていた緊張の糸が、共通テスト終了とともに、プツッと切れてしまった受験生・・・。
受験生の脳機能を専門に扱う心療内科医として、これは、とっても心配なケースなんです。
入試の直前に睡眠リズムを調整する方法とは?
このようなケースでは、一時的に勉強量を減らして、しばらくの間、少し脳を休ませること。
その分、残っている脳のすべてのエネルギーを投入するような気持ちで、生活リズムの再建を最優先で行うべきです。
特に優先順位が高いのは、いくら夜ふかしをしていても、朝、6時になったら必ず起きること。
起きない場合は、親御様に心を鬼にして起こしていただきたいです。
当然、無理やり叩き起こすば極度の睡眠不足になります。
でも、その日は、勉強ゼロにしてもいいので、このプロセスを必ず断行してください。
このプロセスを突破しないと、生活リズムはいつまでたっても治りません。
勉強よりも睡眠リズムの回復が、合格への必須の条件!
多くの場合、1日で生活リズムはある程度は戻ってきますが、長い場合はそれでも3日ほどかかってしまいます。
当然、その間は密度の高い勉強はできなくなります。
ですが、受験生ご本人もご家族も、もったいないとは思わないでください。
そのぶんの勉強を捨てても、生活リズムの再建の方が、志望校に合格する確率を高めるためには、はるかに効果的です。
なぜなら、勉強量を増やして知識を詰め込む量をほんの少し増やすことよりも、入試を受けているときに脳の働きをよくするほうが、試験の点数をアップさせる効果のほうが、圧倒的に大きいからです。
特に最近の入試傾向は、思考力を問う良問が増えており、昔の入試よりも当日の脳のコンディションが、より合否に甚大な影響をおよぼすようになってきました。
日中に眠気を感じたら、迷わず散歩!
急に早起きをすると、ほぼ全員が、日中に眠くなります。
眠気を感じたら、その日は、一日、散歩をしていましょう。
人間の脳は散歩している時は、人間の脳は決して眠らない仕組みになっています。
とにかく昼寝をしてしまったらサーカディアンリズムは元に戻らないので、無理無理でも起きたまま、なんとか夜まで引っ張ります。
そして、夜になったら、睡眠不足の眠気を利用して、思いっきり早く眠るのです。
かなり荒療治ですが、受験生の場合は1日も早く睡眠リズムを復活させた方がいいので、このやり方がベストです。
受験の失敗に直結する「受験ストレス性不眠(過眠)」
ただし、受験うつやその前段階の状態だと、こういう生活リズムの再建もできなくなります。
この場合は、眠れなくなれば「受験ストレス性不眠」、朝、起きられなくなれば「受験ストレス性過眠」と呼ばれ、単なる生活リズムの問題だけではないのです。
脳の機能不全も起こっている場合が多く、むしろこちらのほうが入試の結果に深刻な影響を与えます。
目前に迫った次の試験の前に、専門の医療の力で脳の状態をもとに戻しておかないと、入試の結果は絶望的です。
ぜひ、放置はしないでいただきたいです。
少しでも心当たりがある方は、本郷赤門前クリニックのホームページ(受験ストレス不眠)の解説記事をご参照ください。
その冒頭だけ、少しご紹介します!!
該当する項目があったら、ホームページ(受験ストレス不眠)を必ず御覧ください!
このページの要点は?
✓ 受験ストレスによって、不眠になる場合と仮眠になる場合と両方がありますが、これを放置することで受験に失敗する人が急増しています。
✓ 心臓にある神経叢(しんけいそう)と呼ばれる部分が過剰に刺激を受けると、胸がドキドキした感覚になり、眠れなくなります!
✓ コルチゾールと呼ばれるストレスホルモンが過剰に分泌されると、脳は無理やり覚醒され、やはり眠れなくなります!
✓ 「眠れないときに無理に寝ようしなくていい」というのは高齢者向けのアドバイスで、受験生が鵜呑みにすると、不合格になってしまいます。
✓ 睡眠薬には脳にある海馬の機能を低下させる副作用を持つものが多く。安易に手を出すと、合格率を下げてしまいます。
✓ メンタル医学や脳科学に即した正しい対処の仕方をご紹介します。
ポイント!
多くの受験生が、受験ストレスによって不眠症などの睡眠障害で悩まされています。
これを放置しておくと、試験で実力を発揮できず不合格になってしまいます。
また、重度の「受験うつ」に移行しまって将来に禍根を残すことになるのです。
また、受験ストレスの場合は、単純に不眠をもたらすだけでなく、朝、起きられなくなる過眠として現れる場合も少なくないのが特徴です。
受験ストレスによる睡眠障害を、「緊張しているのだから仕方がない」などと、安易に考えるのはとても危険なことです。
まずは、受験ストレスが、こうした不眠や過眠にどう関係するのか、その理由を正しく理解してください。
そして、適切な改善策を実行することが合格を勝ち取るためには不可欠なのです。
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