愚の骨頂!赤マーカー・緑シートで記憶力が悪くなる!【受験の脳科学】
今日は、入試直前のこの時期に、ガクッと記憶力が悪くなり、模試の成績が急落した受験生の方がご来院。
毎年、こういう方が、11月から12月にかけて急増するんです。
「ひょっとして、赤マーカーを引いて、緑シートで隠して覚えていませんか?」とお尋ねしたら、まさしくビンゴ。
これって、長期記憶になりにくいから、そもそも受験には役に立たない記憶法なんですが、脳の機能を悪化させるので、とっても危険なんですね。
さっそく、記憶方法を変えていただくとともに、10月から私のクリニックで初めた「集中力アップ特別診療」を受けていただき、共通テストに間に合わせることになりました。
ということで、以前、書いた「愚の骨頂!赤マーカー・緑シートで記憶力が悪くなる!」という記事を加筆して、以下、ご紹介します。
また、思い当たる人は、ぜひ、こちらの「集中力アップ特別診療」を受けてください!!
即効性があります!
愚の骨頂!赤マーカー・緑シートで記憶力が悪くなる!
『試験に受かる「技術」(講談社現代新書)』
今日も、『試験に受かる「技術」(講談社現代新書)』の中から、一部を抜粋してご紹介。
「愚の骨頂!赤マーカー・緑シートで記憶力が悪くなる!」
私は、声を大にして指摘したい!
今の日本では、多くの受験生が極めて非合理的な勉強方法に陥っていて、多大な時間と労力を無駄にしています。
それは、記憶の仕方なのです。
授業で配布されたプリントや教科書の中で、暗記しなければならない用語を赤色のマーカーで塗る。
その上に緑色のシートをかぶせると、マーカーで塗った部分の全体が真っ黒に見えるので文字が読めなくなる。
この現象を利用して、穴埋め問題として暗記していく・・・。
私が小学生だった40年前から現在に至るまで、この方法で暗記しようとする受験生は跡を絶ちません。
そんな方に、脳機能を扱う医者として私は断言します。
こんな暗記の仕方は最低です。
思考力を奪い、頭を悪くするだけです。
さらに、勉強のヤル気を奪い、ストレスを高めます。
そして、何といっても、そもそも記憶の効率がものすごく悪いのです。
こんな愚かな勉強方法は、この日本から今すぐ根絶したいです。
実際、灘高校の同級生の中には、この方法で暗記している受験生はほぼ皆無でした。
東大生の中で国家公務員試験の受験勉強をしている学生の中にも、やっぱり見かけることはありませんでした。
なぜか?
だってこんな方法で勉強していたら、灘中学にも東大にも合格できないからです。
実際、学習塾の夏期講習などで、他校の生徒がこの方法で勉強しているのを見かけると、「ライバルが一人減ったな」と、ほくそ笑んでいる灘校生もいました。
効率よく暗記するために最も大切なことは、考えながら覚えるということです。
受験勉強では、これが決定的に重要です。
記憶のメカニズムに関する研究によれば、受験に必要な安定した長期記憶にするには、精緻化リハーサルというプロセスが不可欠だということが実験で証明されています。
精緻化とは、これから覚えようとしていることを、すでに自分が持っている知識と何らかの形で関連付けていくという意味で、それを頭の中で反復することで記憶することを精緻化リハーサルといいます。
具体的には、たとえば英単語を覚える場合は、・・・(本書をご参照ください)
『試験に受かる「技術」(講談社現代新書)』の第3章の中から、一部を抜粋してご紹介。
第2章 効率のよい勉強だけを狙い撃ち ストライクゾーン勉強法