受験勉強のスランプ「Academic Slump」とは?
入試が近づき、スランプに陥っている受験生も多いと思います。
最近、スランプは単なる不調ではなく、脳機能の障害であることがわかってきました。
私のクリニックのホームページに記事を書きました。
その一部をご紹介します。
受験勉強のスランプ
Academic Slump
(このページの要点)
・勉強のスランプは単なる不調ではなく、脳の働きに関して具体的な問題が隠れている場合が多いことが、脳医学の研究で解明された!
・スランプの影に、大うつ病性障害や双極性障害など、「受験うつ」が隠れている場合も多い!
・スランプから「脳のSOSサイン」を読み取り、認知機能の検査結果と照らし合わせれば、早期に回復して合格を勝ち取れる!
・最新の受験に特化した光トポグラフィー検査(Optical Topography)を受ければ、スランプの本当の原因が脳のレベルで分析できる!
合格を阻むスランプの症状!
受験勉強を続けていると、多くの方に、スランプに陥る時期がやってきます。
スランプに陥ると、次のような症状が現れます。
【スランプの症状】
・それまで普通に解けていた問題が、急に解けなくなる・・・。
・一生懸命に教科書を読んでいるはずなのに、目が活字を追うだけで、頭な中には入ってこない・・・。
・せっかく暗記しても、次から次へと忘れてしまう・・・。
・なんだか、一日中、だるくて眠い・・・。
・大好きだった得意科目の勉強まで、嫌で嫌で仕方なくなってしまう・・・。
もちろん、このままでは成績が急落し、志望校への合格は叶いません。
正しい原因を探り、適切な対処をすることで、できるだけ早く回復させる必要があります。
回復が1日、遅れるごとに、ライバルとの学習量の格差は、容赦なく積み重なっていくのです。
解き明かされた「スランプ」の本当の原因!
こうしたスランプを、大半の受験生や塾の先生は、単なる不調だと思っているようです。
実際、私自身も、受験勉強を専門とする心療内科医になる前は、何の根拠もなしに、スランプとはそのようなものだと思っていました。
しかし、メンタル医学が発展しているアメリカを中心に、スランプのメカニズムに関して研究が進み、これまでの常識が誤りであることがわかってきました。
アメリカは日本と異なり、大学への入学は容易なのですが、ハーバード大学やスタンフォード大学など一流大学では、進級や卒業のためには、日本の受験勉強よりさらに過酷な勉強が求められます。
また、医師国家試験(USMLE)は、1度、合格すればいいだけの日本とは異なり、3つのステップをクリアーしなければ医師免許は手に入れられません。
こうした事情もあり、アメリカでは日本以上に スランプに悩む学生が多く、それに伴い、メンタル医学や脳医学の面から分析を試みる研究も、精力的に行われるようになったのです。
(Academic Slump)
「スランプ」は、脳医学的には単なる不調ではない!
メンタル医学の面からスランプを分析した研究によって、実はスランプの大半が、脳の働き方に関し、何らかの具体的な問題を抱えていることがわかってきました。
特に、何らかの脳機能に具体的な障害が生じ、そのため、働きが制限される結果、スランプ特有の症状が現れていたケースが多かったのです。
一方、単なる不調であれば、放置しておいても、やがて不調の時期は終わります。
もちろん、そのような場合もあるのですが、少なくとも、過酷な勉強を続けているアメリカの学生を分析した研究では、単なる不調だと済ませられるケースは、ごく一部に過ぎなかったのです。
日本の学生は、アメリカほど過酷な勉強を強いられているわけではないので、こうした研究結果をそのまま日本に当てはめることはできないでしょう。
しかし、こと受験生に限定すると、日本でもアメリカの学生と同じことが起こっていると考えるべきです。
スランプは脳機能のリトマス試験紙!
私は、アメリカの学生を対象にした研究結果をもとに、スランプを脳機能のリトマス試験紙とするよう提唱しています。
スランプは、実に不快で、実に困るもので、受験生にとっては、たまったものじゃない・・・。
でも、脳医学の面からアプローチを試みると、受験生にとって、有益な情報をつかみ取ることもできるのです。
スランプに陥った受験生には、受験に特化した光トポグラフィー検査を、積極的に受けていただいています。
その結果を精査すると、学習法や学習環境に具体的な問題が潜んでおり、改善を求めるために脳がSOSサインを発している場合がとても多いのです。
あるいは、うつ病や双極性障害といった病気を発病している場合もあります。
いずれにしても、放置しておくのは厳禁です。
脳の状態を正確に測定し、問題点に合わせて改善策を講じる必要があるわけです。