まだ間に合う!2次試験までに対処したい「受験の強迫性障害」
受験の強迫性障害
受験生に蔓延する「強迫性障害」
「試験中に一つの問題に異常に執着しすぎて、時間が足りなくなってしまった・・・」
「英語の構文を細かく考えすぎて、長文全体の意味がサッパリつかみ取れなかった・・・」
「数学の計算が不安で何度も検算を繰り返し、次の問題に進めなくなった・・・」
あなたは、こんな経験がありませんか?
世間では、あまり知られていないようですが、「強迫性障害」という病気は、受験生の間でも決して少なくありません。
なぜなら、受験勉強に伴う精神的なストレスや、不合格になるかもしれないという恐怖心が「強迫性障害」を増悪させる大きな原因となるからです。
また、病気としての「強迫性障害」には至っていないものの、多くの受験生がストレスのため、一時的に「強迫性障害」に類似した心理機構に陥ります。
合格を勝ち取るためには、こうした自分自身の脳の状態を良く理解した上で、適切な対処が求められます。
受験生特有の「強迫性障害」の症状!
「強迫性障害」とは、強い不安やこだわりによって、日常生活に支障をきたす病気です。
一般的には、以下のような症状が現れます。
・手が不潔になっているのではないかと不安になって手を洗い続けるという「手洗い強迫」
・カギのかけ忘れやガスの消し忘れが気になって何度も確認する「確認強迫」
・ラッキーナンバーなど過剰に縁起担ぎをして生活に不便をきたす「縁起強迫」
もちろん、受験生の場合もこうした症状が現れることがありますが、見逃してはならないのは、受験勉強に特有の症状だけが現れる場合も多いということです。
なぜなら、受験生にとって不安やストレスの対象となるのは、カギのかけ忘れやラッキーナンバーなどではなく、模擬テストや志望校の選択など、受験そのものである場合が一般的だからです。
実際、模擬テストの成績が急落したため当院を受診され、強迫性障害が初めて見つかるというケースも少なくありません。
世間でよく知られている「手洗い強迫」や「確認強迫」がないからといって、「強迫性障害」の心配はないと決め付けるのは危険です。
模擬テストでわかる「強迫性障害」
受験生特有の強迫性障害による症状を見つけ出す上で最も参考になるのは、模擬テストの答案用紙と問題用紙です。
答案用紙には、バランスの良い解答が書けなくなることが多く、得点が一定の分野に偏っていたり、不自然なこだわりが見受けられたりします。
たとえば、数学の模擬テストで、普通に式を変形すればいいだけなのに、必要条件と十分条件をともに満たしていることをクドクドと説明してある答案用紙を見たことがあります。
診察をした結果、やはり「強迫性障害」が見つかりました。
また、問題用紙には、通常では見られない独特の書き込みがしてある場合も少なくありません。
たとえば、英語の長文読解の問題で、課題文の単語に、片っ端から記号が書き入れられ、修飾・被修飾の関係など文の構造が明らかに必要以上に示されていました。
この場合も、診察の結果、「強迫性障害」が見つかりました。
強迫性障害(受験生)の治療法!
抑うつ症状や不安感が強い場合は、抗うつ薬のSSRIなどの投与が必要です。
ただし、一般的なうつ病の場合より、さらに大量の服用が必要となるため、安易に薬に薬に頼るのは考えものです。
当院で重視しているのは、「曝露反応妨害法」という治療法です。
これは、恐れたり避けたりしていた状況に、あえて向き合うことで、脳を慣れさせていくものです。
一般的な「手洗い強迫」や「確認強迫」については、すでに「曝露反応妨害法」のスタンダードな手法が確立されています。
当院では、それを受験勉強の実情に合わせて改良し、「受験版・曝露反応妨害法」を完成させました。
「受験版・曝露反応妨害法」の長所は、単なる治療にとどまらず、解答能力を高めることで、試験でも得点アップにダイレクトに役立つということです。
つまり、病気の治療と受験勉強を、車の両輪のように同時に行うことができるのです。
また、病気としての強迫性障害ではなくても、試験中はストレスが高まるため、解けない問題に過剰に固執したり、不安感が暴走するなど、強迫性障害に類似した症状が現れます。
こうした対策にも、「受験版・曝露反応妨害法」は・・・・ 《続きを読む》