入試の最中に集中力が蘇る脳科学のテクニック!【受験心療内科】
今日のテーマは、入試を受けている最中に、脳が疲労して集中力が低下してしまっても、たった3秒間で脳の認知機能を回復させることができる脳医学を応用した受験テクニックのご紹介です。
誰でも、ご自分一人で、何の訓練も必要なく、簡単にできることなので、ぜひ、入試の本番で実践してください。
今年の入試も、いよいよラストに向かってカウントダウンに入りましたね。
志望校に合格するために最も大事なのは、試験の最中に、開始直後から制限時間いっぱいまで、集中力をしっかり維持し続けることができるどうかということです。
実は、これ、脳医学的には、とても難しいことです。
受験生専門の私の心療内科クリニックでは、CPT(Continuous Performance Test:注意持続力検査)を受けてもらっているのですが、極限状態まで集中力が高まると、それが15分以上も持続することは、まずありえないことです。
「模擬テストでは、90分間、集中できた・・・」と感じている受験生は多いと思いますが、これは、集中力が限界までは上がっていなかったためです。
心の奥底で、「どうせ、模擬テストだ・・・」という感覚が残っており、それで、無意識のうちに集中力をセーブしていたのです。
誤解してほしくないのですが、これは、この受験生が怠けていたためではありません
こういった現象は、実は、すべての受験生に起こっていることです。
人間の脳は、無意識のうちにこういった能力をセーブするということを脳に無理をさせない脳機能の安全対策として行なっているのです。
でも、入試の本試験になると、話は別です。
人生がかかっているので、集中力の限界を突破することもあります。
これによって、それまで経験したことのない素晴らしいパフォーマンスを発揮できる受験生もいます。
ところが、問題は、瞬間的には脳の働きが良くなっても、その分、疲労がたまり、途中で一気に集中力がダウンしてしまう場合が多いということです。
入試の後にカウンセリングを行うと、「模擬テストでは一度もなかったのに、入試の本番では、途中で急降下してしまった・・・」と話す受験生がとても多いのです。
その対策として、ぜひ、やっていただきたいのが、たった3秒間でいいので、目を閉じるということです。
目の網膜に映った情報は、視神経を通って脳の後頭部にある17野という部分に送られ、その後、視覚連合野という部分で分析がおこなわれます。
目を閉じると、この領域で行っていた情報分析が休止し、その影響で、思考力などを生み出す前頭前野の疲労が回復するのです。
実は、私のクリニックで行っている「早期合格コース」は、脳への磁気刺激によって前頭前野の機能をパワーアップさせて、疲労を起こしにくくさせることにより、制限時間いっぱいまで脳を高いパフォーマンスレベルに維持することで、志望校への合格を実現するものです。
程度はまったく違いますが、3秒間、目を閉じるというのも、方向性としては同じです。
もちろん、目を閉じる時間が長いほど、前頭前野が回復する作用も大きくなりますが、時間との勝負である入試の本番では、最もおすすめが、大問が1問、解き終わるごとに、3秒間、目を閉じるということです。
これなら、例えば、大問が5問だったとしたら、3秒間×5=15秒間
たった15秒間なら、ほとんど負担にならないはずです。
一方、脳を回復させる効果は、3秒間を超えると、効果は大きくなるのですが、大きくなるスピードは低下していきます。
つまり、1秒間あたりの回復効果は、どんどん低下していくわけです。
だから、受験生にとって、最も合理的な方法が、大問を1問、解き終わるごとに、3秒間、目を閉じるということになるわけです。
あなたは、3秒なんて、休んだ気がしないのでは・・・と思った人も多いはず。
クリニックに来る受験生に指導しても、はじめは、みんな、そういう反応です。
でも、実際にやってみたら、目を閉じたら、試験の最中の3秒間は、めちゃめちゃ長い・・・。
本当に、そう感じる受験生が大半で、みんなビックリした言っています。
脳の中には時間の進行を認識するシステムがあるのですが、目を閉じたら、脳内の時間の進行を大幅に遅くしてくれるのです。
だから、3秒が長く感じるし、ストレスの緩和作用も、意外に大きいわけです。
ただし、脳の扁桃体という部分が過剰に活動し、暴走しているような状態だと、この方法でも解決しません。
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