模試の成績不振から心と脳を回復させるメンタル対策【心療内科】 | 受験専門の心療内科 東大赤門 吉田たかよし

模試の成績不振から心と脳を回復させるメンタル対策【心療内科】

吉田たかよしの勉強法講座

 

 

模擬テストのシーズンも、いよいよ終盤を迎えています。

 

この時期、注意していいただきたいのは、メンタルが不安定な受験生は、思い通りの成績が取れないと、心がポッキリ折れてしまって、無気力になる場合が多いということ。

 

たまたま模試の成績が悪くても、それ自体で入試に致命的な影響はないですが、入試の直前期にメンタルがやられると、こちらは受験にとって致命的です。

 

 

私のクリニックでは、逆境でも勉強のヤル気が高まる専門的な脳医学の治療も行っていますが、誰でもご自宅で簡単にできる対処の方法もあります。

 

模試で悪い成績を取ってしまったら、ぜひ、やっていただきたいのが、窓から空を見上げるということです。

 

 

もちろん、脳医学的な理由があります。


実は、目の網膜に明るい刺激を与えると、脳の中でナルシシズムの暴走が止まることが研究で解明されているんです。

 

ナルシシズムを抑えるって受験には関係ないと感じた方が多いと思いますが、

実は、入試に合格できる脳の状態を維持するには、とっても大事なことなんです。


脳は、明るい環境と暗い環境で、それぞれ違うモードで働いていて、

それを切り替えるスイッチのようなものがあることが解明されているんです。

目に大量の光を入れると、その刺激で、脳内のスイッチが切り替わってくれるのです。


脳は、暗いところでは、わざとナルシシズムのスイッチを入れ、自己中心的になり、自分を守ろうとします。

昔は、そのほうが確実に生き残れたからです。

 

暗くて周囲の目が届かない場合は、苦しいことがあったときに、努力なんてせずに、すべて他人のせいにして、こっそり他人の物を盗んで食べるくらいのほうが、生き残るのに有利だったわけです。


でも、明るいところでは悪いことはできないので、みんなと協調してコツコツ努力したほうが生き残るのに有利でした。

だから、そういう仕組みが脳に備わったわけです。

 

 

脳には、明るいか暗いかによって、このまったく異なる2つの戦略を、無意識のうちに使い分ける性質があるんです。


もちろん、受験はコツコツ努力する必要があるので、明るいほうの能力が求められます。



模擬テストで思ったほど問題が解けないというのは、確かに自分にとって嬉しくないことです。

でも、その現実を受け入れてて、足りないところを勉強で補うという努力が必要ですよね。

模試や過去問は、そのためにあるんです。

 

脳をこうしたモードに切り替えるには、明るい環境に身を置く必要があるわけです。



一方、脳は薄暗い環境に置かれると、ナルシシズムのスイッチが入ってしまい、誰か別の人が悪いということにしたがる性質があるんです。

そうすれば、自分は賢いというプライドは守られますよね。

 

薄暗い環境だと、脳は無意識のうちに、こちらのモードに引きずり込まれていますんです。



多いのは、家族が悪いということにしちゃう。

お母さんがウルサイから、模試ができなかった・・・。

そういう母子が、私のクリニックにも、多くご来院くださいます。


親は、子どもがダダをこねているように思います。

でも、それも脳医学的には間違い。

子どもは、心の奥底から、「やっぱりお母さんが悪い」と思い込んでいる場合が多いのです。


その正体は、ナルシシズム。

これを適正な程度に制御することが合格につながるわけですが、説教話や精神論は逆効果です。

それより、窓から顔を出して目に光を入れた方が、脳医学的にははるかに適切なことなんです。


外を散歩したら、もっといいですね。

 

それから、部屋も照明器具を照度の高いものに変えて、思いっきり明るくしたほうがいいです。

模試で悪い成績をとって、ガックリきたりイライラしたら、実践してね!
 

 

 

ただし、ガックリやイライラの程度が激しい場合、「受験うつ」になっている、あるいは「受験うつ」の一歩手前の状態になっている可能性があります。

 

ぜひ、以下の解説記事も読んでください。

 

「受験うつ(Exam Depressive Disorder)」⇒クリック!

 



 
 

  「受験うつ」とは、受験生が勉強のストレスなどで生じるうつ症状の総称です。2005年に当院院長の吉田たかよし医師が日本で初めて提唱し、「受験うつ どう克服し、合格をつかむか」(光文社新書)がベストセラーになったことなどで広く社会に浸透しました。

 

 受験生の自覚症状として最も多いのは、集中力の低下です。勉強のストレスや不合格になるのではないかという不安によって、脳内で集中力を生み出す中枢が機能低下を起こすために生じます。

 

 英語や国語の課題文が読み取れなくなるということも、「受験うつ」で頻発している症状です。脳内の扁桃体(Amygdala)が暴走すると、ワーキングメモリー(Working memory)の機能が悪化するため起こります。

 

 「受験無気力症候群(Exam Apathy Syndrome)」を併発する方も多く、受験勉強を持続する能力が低下し、志望校への合格を阻む重大な原因になっています。

 

 最新の脳科学とメンタル医学を総動員し、受験生のお一人お一人の脳の状態に最適な治療を行うことで、「受験うつ」が早期に軽快するだけでなく、脳機能がパワーアップするため、発病前より2ランク高い志望校に合格されるケースも少なくありません。

  

 

 


「受験うつ」とは、受験生が、勉強のストレスや入試に落ちるのではないかという不安などにより生じる、うつ症状の総称です。

 

2005年に当院院長の吉田たかよし医師が、受験期にうつ症状が急増することを指摘し、日本で初めて「受験うつ」として警鐘を鳴らすべきだと、所属学会をはじめ、テレビ・ラジオ・雑誌等で広く提唱しました。

 

当初は、「受験うつ」と呼ぶことに対しご批判をいただくことも多く、長く論争が続きましたが、そんな中、光文社新書より「受験うつ どう克服し、合格をつかむか」という書籍を刊行させていただきました。

 

これが、紀伊国屋本店で販売ランキングのトップになるなどベストセラーとなり、一気に社会的な認知が広がり、今ではかなり一般的に使われる用語となっています。

 



 

上記の受験うつの様々な症状の中で、受験生ご本人が感じるのが最も多いのは、集中力の低下です。

 

うつ病になると、記憶力や思考力など、脳内の様々な認知機能が低下しますが、集中力の低下も、かなりの高い割合で生じます。

 

さらに、受験勉強が高度な集中力を要求するため、脳内で集中力を生み出す中枢が、とりわけダメージを受けやすいのです。

 

 

また、受験勉強や模擬テストで集中力を問われるため、受験生は、いわば集中力の検査を日々行っているようなものなので、異変に気づきやすいという側面もあります。

 

集中力の低下が、受験うつを教えてくれる大事なSOSサインであるということを、ぜひ、肝に銘じてください!

 

続きを読む ⇒ 本郷赤門前クリニックホームページ「受験うつ(Exam Depressive Disorder)」

 

受験うつ 本郷赤門前クリニック