志望校を夜決めると合格率が下がる?驚きの脳医学法則!【受験の心療内科】
残念ながら、多くのご家庭で間違った決め方をしてしまい、それがもとで学力が低下し、せっかく決めた志望校に落ちるというケースが多いのです。
その過ちの最たるものが、志望校を夜に決めてしまうということなのです。
志望校を夜に決めると、脳にどのような弊害が出てしまうのか?
親御様は志望校について、どのようなことに気を配ってお子様を導けばよいのか?
受験生を専門に診療している心療内科医としての経験と専門知識をもとに、わかりやすくご説明します。
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志望校を夜に決めると落ちる脳医学の法則とは?
志望校を夜に決めると、なぜ、入試に落ちてしまうのか?
この脳医学の法則を理解していただくには、夜、志望校を決めるときに、脳は、どうなってしまっているのか、知っておく必要があります。
本郷赤門前クリニックで私が受験生にカウンセリングをする中でうかがうと、志望校をどこにするかについて考える時間帯は、圧倒的に夜が多いです。
受験生ご本人は、「なんとなく夜に決めた・・・」と話しますが、脳を扱う医者から見ると、これには脳の働きによる必然性があるのです。
午前中は脳の前頭前野が生み出す論理的な思考力が高まるから、数学など思考力が求められる勉強がはかどります。
午前中は脳の前頭前野が生み出す論理的な思考力が高まるから、数学など思考力が求められる勉強がはかどります。
午後も、午前中ほどではないですが、前頭前野は一定以上の機能で働くため、やっぱり受験勉強がそこそこはかどります。
ところが、夜になると、脳の前頭前野の機能が低下してくるので、まあ、志望校でも考えようかな・・・といった感じになるわけです。
「これって、脳の機能を上手に使っている・・・」と感じた方も多いと思いますが、そこには大きな落とし穴があります。
「これって、脳の機能を上手に使っている・・・」と感じた方も多いと思いますが、そこには大きな落とし穴があります。
夜は脳の前頭前野の機能が低下し自己愛が暴走!
時間による脳機能の変化を分析したサーカディアンリズム研究で、夜は、誰でも他人や世間から自分自身が認めてもらいたいという承認欲求や自己愛が過剰に膨張し、ナルシストになる傾向があるということが解明されています。
実際、私のクリニックには自己愛性パーソナリティ障害の受験生も多いのですが、やはり夜のほうが症状が重くなります。
これには、論理的思考力を生み出す前頭前野の機能が、夜になると低下するという性質が、大きく関わっているのです。
そんな夜に志望校を決めてしまうと、大きなしっぺ返しが後から出てくることになります。
そんな夜に志望校を決めてしまうと、大きなしっぺ返しが後から出てくることになります。
問題の一つは、夜になると脳は、自分の実力にあった志望校を描きにくくなるということです。
とりわけ、自己愛によって高すぎる志望校に決めてしまい、しかも、自分はそこに受かって当たり前の存在だと思い込んでしまうということが起きやすいのです。
正しい自己認識で2ランク上の志望校を目指せ!
でも、誤解してほしくないのですが、偏差値の高い志望校にチャレンジすることが、悪いことだといっているわけではありません。
キャリアアップのためにはもちろん、精神面での成長においても、あこがれの学校に合格したいと思うのは、悪いどころが、とっても大事なことです。
実際、私のクリニックでは、2ランク上の大学を目指すことをおすすめしており、脳に磁気のパルスを当てるなど、ありとあらゆる最新の脳医学を駆使し、憧れの高い偏差値の大学への合格を実現しています。
高い偏差値の大学に受かるためには、まず、受験生ご本人が目指さなければ、何も始まりません。
自己向上欲を持ち続ける意味からも、現状の成績よりかなり高い偏差値の大学を志望校に決めるということは、駄目なことどころか、とても大切なことなのです。
でも、問題は、それが適切な自己認識に基づくチャレンジだと、しっかりと受け止められているかどうかということです。
現状の自分の学力を正しく見定めた上で、なおかつ、健全な自己向上欲に基づいてチャレンジ精神を発揮し、その上で2ランク上の大学を目指すというのが合格のための必須の条件です。
前頭前野の機能低下でチャレンジ精神が生まれない!
ところが、夜遅く志望校を決めると、脳内で自己愛が暴走してしまい、自分はその大学に受かって当たり前なんだという、ある意味、おごり高ぶった観念が脳内で生じてしまうのです。
その結果、志望校は高いけど、それに見合った努力できなくなってしまうわけです。
適切な勉強法を取り入れることもなければ、脳医学を活用したりといった努力もしない…。
合格が自動的に転がってくるんじゃないか…という、根拠のない空虚な自信によってダラダラと過ごしてしまいます。
さらに、入試が迫ってくると、そこで初めて、このままでは合格が厳しいと言う現実を突きつけられ、今度は一転して悲観的になり、無気力になっていくわけです。
中には、そのまま重度の「受験無気力症候群」に陥ってしまう人もいます。
こうした経過をたどることが多いため、たとえ結論が同じ2ランク上の志望校に決めることになるとしても、夜に決めるのは危険だということです。
志望校がないという受験無気力症候群にも注意!
また、この時期、もう一つ注意していただきたいのは、努力して合格したいという意欲がわく志望校がない、あるいは、そもそも受験自体に意欲がわかないという人が増加してくることです。
この場合は、すでに「受験無気力症候群」に陥っていることが多いのです。
特に、本来は頭の良い受験生なのにも関わらず入試に落ちてしまう要因として、「受験無気力症候群」はとても多く、その場合は、早急に対策が必要です。
第一志望の合格を勝ち取るために、以下に掲載した、「受験無気力症候群」の説明も、ぜひ、ご一読ください。
このページの要点は?
✓「受験無気力症候群・セルフチェック」を掲載しています!
勉強を続ける気力がなくなってきた受験生は、こちらで簡単に自己診断ができます。
✓ コロナ禍の影響で「受験無気力症候群(Exam Apathy Syndrome)」が急増しています。これが、本来は学力があるはずなのに入試に落ちてしまう重大な要因になっています!
✓ 勉強のヤル気が急に出なくなった場合は、単なるサボリではなく、脳の前帯状回(Anterior cingulate cortex)など、何らかの脳の働きに起因する場合が多いので注意が必要です!
✓ 勉強はできないのに、ゲームやスマホなら熱心に取り組めるというのが、受験無気力症候群の最近の特徴です!
✓ ご自宅で誰でも簡単に実践できる「受験無気力症候群(Exam Apathy Syndrome)」の予防法をご紹介しています。
✓ 受験に特化した「光トポグラフィー検査」のデータを、最新の脳科学の研究成果を元に分析することで、最短の時間で受験無気力症候群から脱却し、志望校に合格できる脳に変えることができます!
急増する「受験無気力症候群」(Exam Apathy Syndrome)とは?
勉強に対するヤル気が、ある時期を境に極端に低下してしまう・・・。
もちろん、本人の明確な意思で勉強をサボることを選ぶのなら、病気ではありません。
しかし、そうではないケースが、今、受験生の間で急増しているのです。
これが、「受験無気力症候群」(Exam Apathy Syndrome)です。
従来からある「大うつ病性障害(major depressive disorder)」という心の病気に陥ると、大半の患者さんが、何事に対しても極度の無気力状態に陥ります。
私のクリニックでも、受験生を診察して、この病気が見つかる場合も少なくありません。
ただし、最近の受験生に増えている無気力は、明らかにこれとも異なるのです。
特徴は、勉強にはヤル気が出ないにもかかわらず、ゲームやスマホは活発に取り組めるということです。
そのため、多くの親は、「うちの子どもは、ただサボっているだけじゃないか・・・」と誤解してしまいます。
また、受験生本人も、内心、「私、甘えているだけなのかな・・・」と悩んでしまいがちです。
こうして、多くの場合、「受験無気力症候群」(Exam Apathy Syndrome)は、見落とされてしまっているのです。
「受験無気力症候群(Exam Apathy Syndrome)」
https://www.akamon-clinic.com/受験無気力/
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