受験生の憂鬱な感情が消える!「メンタル図解法」とは?心療内科医が解説!【受験専門の心療内科】 | 受験専門の心療内科 東大赤門 吉田たかよし

受験生の憂鬱な感情が消える!「メンタル図解法」とは?心療内科医が解説!【受験専門の心療内科】

 

 

 

受験の心療内科

 

受験生の憂鬱な感情が消える心療内科のメンタル図解法

 

 

「成績が上がらない・・・」

「勉強がつらい・・・」
受験生は、なにかと憂鬱な感情に苦しむことが多いものです。
 
これを放置しておくと、脳の前頭前野の機能が萎縮してしまい、メンタル面に引きずられる形で、思考力や判断力など問題を解く能力も低下してしまいます。
 
特に大学入試に失敗して浪人が決まった受験生は、早期にメンタルを回復させないと、無気力が脳内で固定化されてしまうので、翌年の入試に大きな悪影響を与えてしまいます。
 
 
その対策として、メンタルをコントロールすることによって、誰でも簡単に憂鬱な感情を軽減させることができるメンタル医学の方法をご紹介します。
それが、心療内科でも取り入れられている「メンタル図解法」です。
 
もともとは、PTSD(心的外傷後ストレス障害)の治療のための研究から生まれたものですが、憂鬱になって落ち込んでいる受験生の心を立て直すためにも大きな効果を発揮してくれます。
 
 

「メンタル図解法」を実践すれば、受験生の脳はどう変わるのか?

具体的には、受験生は何をどう図解すればいいのか?

 

受験生を専門に診療している心療内科医としての経験と専門知識をもとに分かりやすく解説します。

 

模擬テストで憂鬱になる受験生!

 

受験生にとって、現時点での学力を知ることができる模擬テストはとても重要です。
 
模擬テストも成績が返ってきたら、最も気になるのが、志望校への合格判定ですよね。
D判定やE判定といった残念な結果になったら、心の落ち込みはピークに達します。

 
もちろん、模擬テスト以外でも、受験勉強を続けていると、気分が落ち込んで憂鬱になることは、よくあることです。
 

でも、「メンタル図解法」によって憂鬱な感情を対処する方法をわかりやすくご紹介するには、具体例にそって説明したほうが理解しやすいですよね。

そこで今回は、模擬テストの場合を例にとって説明していきます。

もちろん、模擬テスト以外の原因で憂鬱になっているときも、同じ方法で対処できます。

 

 

図を描けば脳内の憂鬱が消える!

 

落ち込んでばかりだと、よけいに成績は悪化して、志望校への合格は、遠ざかるばかりです。

では、どうすれば心を立て直すことができるのか?
 
とっても役立つ方法が、脳科学の研究で明らかになってきました。
それが、図を書いてみるということです。
 
 
図を書く????
 
意外に思われた方が大半でしょうが、図を描くことが、感情の暴走を抑え、理性的に感情をコントロールするのに、とても役立つということが心療内科の研究でわかってきたのです。
 

 

記憶を整理すると心も浄化される!

 

模擬テストでE判定を取ってしまった・・・。
模擬テストの問題を解こうとしたら、記憶したはずのことを忘れている・・・。
 
そんな嫌なことが起こった場合に、ネガティブな感情を漠然としたままにしておくのは、メンタルのマネージメントには良くないことです。
 
これによって気分の落ち込みが脳内で慢性化を起こしてしまうため、いつまでたってもポジティブな感情に戻れなくなってしまうのです。


ところが、それが具体的に自分にどんなマイナスが及ぶのかをしっかり整理すると、意外にも、脳内ではそれに連動して、かえって気分が浄化される効果があるということが、メンタル医学の研究で明らかになってきました。
 
 

PTSDの治療にも応用される効果!

 

実際、PTSD(心的外傷後ストレス障害)の治療では、あえて原因となっている事件や災害の状況を思い出してもらうというカウンセリングが行われています。
 
これは、目を背けたい嫌な記憶であっても、一旦は真正面から向き合うことで記憶を整理し直すと、心が浄化されるという効果を応用したものです。
 
もちろん、PTSDとは心が受けるダメージの程度が違いますが、受験勉強で起こる嫌な体験でも、脳への効果は基本的には同じ方向性にあるのです。
 

 

図解はセルフカウンセリング!

 

もちろん、メンタル医学の専門家のカウンセリングを受けて、記憶を整理し直すのがベストです。

 

でも、ひと工夫すれば、受験生がご自分一人でも、あるいはご家族がほんの少し手助けをしてあげただけで、同じような効果が得られます。

それが、自分自身の感情を図にして書き出すということです。

 

ご自分の感情を図解することによって、「セルフカウンセリング」ができるということなのです。

これが「メンタル図解法」なのです。

 

 

図解が感情のコントロールに役立つ理由とは?

 

つらい記憶を自分ひとりで思い出した場合は、感情に整理をつけることが困難です。
ですから、むしろ、感情を暴走させてしまうことが多く、そのままでは逆効果です。
 
 
でも、図解すると、否応なく感情を整理せざるを得なくなる効果が働きます。
こうした効果は、文章にすることによっても、多少は現れます。
 
ただし、図のほうが圧倒的に効果は大きいのです。
 

 

鍵をにぎる前頭前野の作用!

 

図にすると感情を整理する効果が大きくなる理由は、脳内では、物事を理性的に認識する前頭前野と呼ばれる部分を使って、図に書かれた概念を認識するからです。
 
また、文章より、図のほうがひと目見ただけで全体像が把握できます。
 
そのため、脳に課せられる負担は遥かに軽いんです。
 
こうした効果が重なり、図は感情を整理する力が大きくなるわけです。
 

 

「メンタル図解法」は3分で実践!

 

ということだから、図は簡単でいいのです。
むしろ簡単な図のほうが、抑うつ感情を治す効果は大きいのです。
 
受験生が「メンタル図解法」を実践する場合、所要時間は3分くらいで済ませるようにしましょう。
この程度でも、感情を整理する効果はかなり得られます。
 
勉強時間を割かなくても実践できるというのが、受験生が行うメンタルマネージメントには、とても大事な条件なのです。
 

 

「メンタル図解法」はとても簡単!

 

では、「メンタル図解法」は、具体的には、どのように図解していけばよいのでしょうか?
 
 
最も簡単な方法は、2つのフレーズを矢印で結ぶことです。
 
矢印で結ぶことで、因果関係があることや、時間の経過が表現できます。
これだって、メンタルにとっては図解としての効果が得られるのです。
 
 
たとえば、模擬テストがE判定だった場合に、
 
「予想はD判定⇒実際は判定E」
 
 
こういう図を書いただけで、判定が予想より悪かったのは辛いが、まあ、一つぐらい下がるのはよくあることだともいえますよね。
 
「予想はE判定⇒実際も判定E」
 
こういう場合は、単に現実を突きつけられただけで落ち込んでいることが自覚できます。
だったら、「自分、頑張れよな!」と思えてきませんか。
 

 

この他、ベン図を使って憂鬱になっている原因を分析したり、要因が5つなら五角形、要因が6つなら六角形で図解するなど、慣れてきたら、いろんな高度な図解にも挑戦しましょう。

 

ただ、「メンタル図解法」は、図解の能力を高めることが目的ではなく、あくまでもメンタルをたてなおすことが目的です。

ですから、当面は矢印だけのシンプルな図解で十分です。

 

 

感情の暴走を招く「受験うつ」

 

ただし、問題は、こういう心の整理は、脳が健康な状態にないとできないということです。
 
この時期、実は多くの受験生の脳が、「受験うつ」、あるいはそこまでは行っていなくても、「受験うつ」の一歩手前の状態に陥っています。
 
「そんなの、怖いな・・・」と思われたかもしれませんが、現実は正反対です。
「受験うつ」の場合は、治療して治ったら、成績は大幅にアップして、今、考えている第一志望の大学より、さらに上の大学に合格できる可能性もあります。
 
成績低迷の理由が頭が悪いということなら、今後の見通しは厳しいですが、「受験うつ」が原因なら明るい未来が見通せます。
 
ぜひ、以下の、「受験うつ」の解説文もお読みください。
 

 

「受験うつ(Exam Depressive Disorder)」⇒クリック!

 

 

  「受験うつ」とは、受験生が勉強のストレスなどで生じるうつ症状の総称です。2005年に当院院長の吉田たかよし医師が日本で初めて提唱し、「受験うつ どう克服し、合格をつかむか」(光文社新書)がベストセラーになったことなどで広く社会に浸透しました。

 

 受験生の自覚症状として最も多いのは、集中力の低下です。勉強のストレスや不合格になるのではないかという不安によって、脳内で集中力を生み出す中枢が機能低下を起こすために生じます。

 

 英語や国語の課題文が読み取れなくなるということも、「受験うつ」で頻発している症状です。脳内の扁桃体(Amygdala)が暴走すると、ワーキングメモリー(Working memory)の機能が悪化するため起こります。

 

 「受験無気力症候群(Exam Apathy Syndrome)」を併発する方も多く、受験勉強を持続する能力が低下し、志望校への合格を阻む重大な原因になっています。

 

 最新の脳科学とメンタル医学を総動員し、受験生のお一人お一人の脳の状態に最適な治療を行うことで、「受験うつ」が早期に軽快するだけでなく、脳機能がパワーアップするため、発病前より2ランク高い志望校に合格されるケースも少なくありません。

  

 
 

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