WBC、内川の走塁ミスを脳科学で分析!「Oh!Happy Morning」第59回オンエアー | 受験専門の心療内科 東大赤門 吉田たかよし

WBC、内川の走塁ミスを脳科学で分析!「Oh!Happy Morning」第59回オンエアー

WBC、内川の走塁ミスを脳科学で分析!OhHappy Morning 第59回オンエアー」



今週、「Oh!Happy Morning」で話したことを復習!

WBC、先週は、選手の脳が臭いなどで感情を伝え合っているので、試合の流れが作られるという話をした。



本当は、日本3連覇を分析したかったのだが、準決勝で敗退。



勝敗を分けたのは、8回に起きた、信じられないような内川選手の走塁ミス。



どうしてこんなことが起こったのか、実は脳科学で注目されている、ある研究結果で矛盾なく説明がつく。



 



状況を確認しておくと、2塁ランナーの井端と1塁ランナーの内川選手がダブルスチールを仕掛けた。



だけど、井端選手は、すぐに無理だと判断して、2塁に引き返した。



ところが、内川選手は、それに気づかず、2塁に走り続けてしまった。



 



ニュースでは、内川はうつむいて走っていたので井端選手が2累に戻ったことに気づかなかったとされている。



確かに映像を見るとその通りなのでが、不思議ではないか。



人間の目には周辺視野があり、視線の先だけでなく、周辺もぼんやりとは見えていて、それで異常を知る。



うつむいて走っていても、周囲の状況はある程度はつかめるはず。



なぜ、内川には見えなかったのか、その理由がはっきりと分かる研究結果がある。



 



ノースカロライナ大学の研究チームは、緊張状態と視野との関係を調べた。



その結果、のんびりしているときは周辺視野が広く、緊張すると周辺視野が狭くなることを発見した。



これには、意味がある。



何か危険が迫ってきたときは、その原因に集中した方がいい。



だから脳は、視線の先にあることだけに情報処理を集中し、周辺視野の情報は無視するように切り替える。



たとえうつむいていても、内川選手の目には井端選手は周辺視野に映っていたはず。



しかし、脳が無意識のうちに、わざとその情報を無視した。



 



脳にこうした性質があるのは、みなさんにも無関係ではない。



緊張すると視野が狭くなるのは、交通事故の大きな原因となっている。



目には映っているのに、脳が情報処理しないため、本人には見えていないということが、事故を招く。



たとえば、道を歩くとき、何か気がかりなことがあって緊張状態であれば、交通事故に遭う危険性が4倍になる。



ドライバーは、運転以外のことで何か恐怖を感じていれば、道路の異変に気づかなくなるという研究もある。



その原因が、周辺視野の情報を脳が無視することにある。



何か心配事があるときは、できるだけ交通量の多い道路はあるかない、あるいはハンドルを握らないほうがいい。



 



ただし、緊張することが、一方的に悪いわけではない。



周辺視野を狭くする代わりに、目の前のことに能力を集中させて機能を高める。



たとえば、内川選手は、走る速度は早くなったはず。



映像を見ても、アッと言う間に2塁ベースの手前まで来ていた。



緊張感がたかまれば、こうした単純な作業能力は高まる。



火事場のクソ力も、こうした仕組みで生まれる。



 



緊張したら、複雑なことをやろうとしてはいけない。



ダブルスチールをやれたらやれという山本浩二監督の采配が問題。

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