中村勘三郎さんの命を奪った元素はホルマリンの親戚!【その4】 | 受験専門の心療内科 東大赤門 吉田たかよし

中村勘三郎さんの命を奪った元素はホルマリンの親戚!【その4】

中村勘三郎さんの命を奪った元素はホルマリンの親戚!【その4】

昨日、アップした「中村勘三郎さんの命を奪った元素」について、質問をいただいたので、お答えします。


【ご質問】

こんばんわ。

メチルアルコール(戦時中お酒の代わりに飲んで)?も、失明や内蔵をボロボロにすると聞いた事が有ります。

同じ症状ですか?


【吉田たかよしの回答】

中村勘三郎さんは、お酒好きだったので、アセトアルデヒドが食道がんの原因の一つだったのは間違いない。

これが、ホルマリン(正確には、ホルムアルデヒド)とよく似ていると書いたんだけど、的確なご質問です。


お酒はエチルアルコールなんだけど、戦時中、物不足で、それより炭素が一つ少ないメチルアルコールが代用品として飲まれたのは事実。

そうしたら、失明してしまった。


なぜかというと、
メチルアルコールは、体内で、ホルムアルデヒド、つまりホルマリンに変化するため。

つまり、人体が、内部からホルマリン漬けになったようなもの。

網膜は、たまんない。

真っ先にやられて、失明してしまう。



お酒が変化してできるアセトアルデヒドは、ホルムアルデヒドよりは、かなりマシ。

炭素原子が1つ多いために、毒性が薄まる。

このあたりの性質は、元素周期表から、きれいに説明できる。

とはいえ、アセトアルデヒドは、全体としては、ホルムアルデヒドの親戚だから、やっぱり毒物。


繰り返し飲酒をしてると癌になるというのも、腑に落ちるでしょ!


人体と元素の関係について、「元素周期表で世界はすべて読み解ける」(光文社新書)の第3章で詳しく解説しているので、こちらをご参照ください。

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