中村勘三郎さんの命を奪った元素!【その3】 | 受験専門の心療内科 東大赤門 吉田たかよし

中村勘三郎さんの命を奪った元素!【その3】

中村勘三郎さんの命を奪った元素!【その3】

【その2】で、お酒を飲んで顔が赤くなる人が、大量にお酒を飲むと、食道癌に89倍もなりやすくなるという、National Institute on Alcohol Abuse and Alcoholism (NIAAA アメリカ国立アルコール中毒研究所)をご紹介。

中村勘三郎さんが、お酒好きなのは有名。

赤くなるタイプだったかどうかは分からないが、仮にそうではなくても、飲酒は食道癌の原因になる。


またまた、読者からご質問をいただいたので、さらに解説。

アルコールが代謝されてできるアセトアルデヒドは、発がん物質。

「アセトアルデヒドは、元素周期表で特別な位置にある炭素原子が、パイ電子というものを持っていて、これが不安定な状態になっており、DNAと反応して傷をつけちゃうのが発癌の原因」と書いたが、これについての質問。


アセトアルデヒドから、炭素を一個、とった物質を考えれば、毒性がよく分かる。

それは、ホルムアルデヒド。

そんな物質、聞いたことないという人も、実は知っている。

別名、ホルマリン。

ほら!知っているでしょ。


ホルムアルデヒドは、バリバリの毒物で、体内に入ったら失明することもある。

もちろん、発がん性も高い。


アセトアルデヒドは、ホルムアルデヒドほどではないが、やっぱり人体には毒。

そんなものが、何度も食道を攻撃したら、食道癌になっちゃう。

飲めない人にお酒を強要するのは、犯罪行為だと思ってほしい。


人体と元素の関係について、「元素周期表で世界はすべて読み解ける」(光文社新書)の第3章で詳しく解説しているので、こちらをご参照ください。

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