オウム菊地直子容疑者の逮捕を脳科学で分析!
FM「Oh!Happy Morning」
今朝、番組で話した内容をご紹介します!
第19回:オウム菊地直子容疑者の逮捕を脳科学で分析!
地下鉄サリン事件で特別指名手配されていたオウム真理教元信者の菊地直子容疑者が逮捕された。
警視庁が現在の菊地容疑者の写真を公開した。
指名手配写真とかなり違い、別人のように感じる。
美容整形はしていないようだが、17年の歳月がたっている。
しかも、逃亡生活。
容姿が変わるのは当然。
注目していただきたいのは、それでも、顔を見ただけで「指名手配の女だ」とピントきた人が、かなりいたこと。
それが逮捕につながった。
なぜ、こんなに顔が変わっているのに、見る人が見ると、すぐに分かるのか、脳の仕組みを解説したい。
人の顔を見たときに、自分自身では、テレビの画面のように顔の映像を脳に映して認識しているように感じる。
しかし、脳科学の研究によって、それは間違いであることがわかった。
人の顔を見ると、まず、脳は、顔の輪郭、目の形、唇の形、鼻の形といった具合に、顔の映像をバラバラにする。
そして、顔の輪郭は丸顔、目はタレ目、唇はタラコ唇といったように、どんな特徴を持っているか、分析する。
その上で、丸顔、タレ目、タラコ唇だったら、この人だといった具合に、特徴の組み合わせとして、人の顔を記憶する。
私たちの脳は、人の顔を見るたびに、映像をバラバラにして、それぞれの特徴を拾い出し、その組み合わせに合致する人を、記憶の中から見つけ出している。
これらの作業は、すべて無意識の内に自動的に脳の中で行われる。
だから、普段は本人が意識することはない。
でも、分析した結果、指名手配の犯人のように、意外な人物であることがわかると、脳の中で強い電気的な刺激が流れる。
この瞬間、本人の意識の上でも、ハッとした感覚が生じる。
実際、菊地容疑者だと気づいた人は、その瞬間、鳥肌が立つようなハッとした感覚だったと証言している。
では、変わり果てた現在の菊地容疑者を見て、どうして気づける人がいるのか?
痩せたので顔の輪郭はかなり変わったが、眼の形や鼻の形は、それほど変わっていない。
人の顔を認識するときに、様々な顔の要素の中で、何を重視して分析するかは、人によって違う。
頬のラインを重視して人を判別している場合は、菊地容疑者だと気づきにくいが、たまたま、17年前と変わらない特徴を重視して判別している人は、同一人物だと認識できた。
残りは、高橋容疑者。
周囲の人の顔をよく見て、ハッとしたら通報してほしい。