今回は労働安全衛生法(第五十九条)を根拠法令とする、
テールゲートリフターの資格を取得しました。
テールゲートリフター(Tail gate lifter)とは、
トラック荷台の後部に取り付けられた、
荷物を棚卸しするための昇降装置をいいますが、
よく町中で見るトラックの荷台についてるものですが、労働災害が多いため、
2024年(令和6年)2月1日から仕事で扱うのに特別教育の受講が義務づけられました。
これからは、テールゲートリフターを使用して荷を積み卸す作業者への特別教育を行わなかった事業者は、
6月以下の懲役または50万円以下の罰金(安衛法第119条)になります。
さて、「パワーゲート」とも呼ばれることも多いですが、
「パワーゲート」は極東開発工業株式会社の登録商標(商品名)であるため、
一般名詞ではテールゲートリフターと言うそうです。
米国ではリフトゲート(Lift gate)、
英国ではテールリフト(Tail lift)とも呼ばれており、
大型トラックから軽トラック、
ピックアップトラックに至るまで幅広い車種に採用されていますが、
日本では1964年に極東開発工業が商品化、
極東開発工業株式会社と新明和工業株式会社との2社で、
OEMを含めて日本国内シェアの大半を占めているといったことから、
パワーゲートといった登録商標が代名詞になってしまっていますよね。
メーカーによって複数の名称がありますが、
「パワーゲート」は極東開発工業株式会社が、
また「すいちょくゲート」は新明和工業株式会社がそれぞれ商標登録しています。
なお新明和工業の製品にも「パワーゲート」といった極東開発の商標登録を利用している製品があります。
基本的には学科4時間、実技2時間の計6時間の講習でサクッと取れます。
私は陸上貨物運送事業労働災害防止協会(略称:陸災防,陸運労災防止協会)にて、
特別教育を受講しました。
修了証(表)
修了証(裏)
こちらの団体(陸災防)にはインストラクター資格も有り、
修了証書(インストラクター資格)
私も自己啓発の為に取得しましたが、
陸上貨物運送事業労働災害防止協会のインストラクター資格(1日で取得)は、
社内で特別教育を行う講師となる方を対象とした講習だそうで、
そもそも特別教育の講師は、十分な知識と技能を有していれば、
誰でも講師をすることができます。
なので、こちらの講師資格はあくまでも、
自分の働く事業場内で特別教育を受講していない
社員に対して行う非営利目的であることが前提で、
自分の所属する会社で従業員を教える講師となる予定の社員が、
特別教育をするのに当たって、
講師資格は別段、必要ないけど、
特別教育における教え方のポイントなどを教授してもらえる資格のため、
ある程度質の高い特別教育を出来るようにするための資格だそうで、
労働局登録教習機関等が、営利目的で教えるために活用できるインストラクターの資格ではないそうです。
私の場合は営利目的で教える必要があるため、
一般社団法人 全国登録教習機関協会(略称:全登協)の資格も取得しました。
修了証(特別教育兼インストラクター資格)
こちらの団体(全登協)は2日かかりますが、
インストラクター資格はもちろん、
テールゲートリフターの特別教育の修了証も兼ねているので、
テールゲートリフターの特別教育と、
インストラクター資格を別々に取得する必要がなく一回の講習で終わるため一石二鳥です。
普通にテールゲートリフター(パワーゲート)を仕事で使うだけなら、
自分の会社で行ってる教育を受けさせてもらったり、
外部機関へのアウトソーシングで登録教習機関に受講しにいかせてもらったりと、
それで済むのですが、
特別教育の講師をするとなると、
くどいようですが、
技能講習などは実務経験や学歴と言った講師要件があり、
誰でも講師として教える事ができない資格に対し、
特別教育は法的には十分な知識と技術を有しているといった、
体裁があれば、誰でも特別教育の講師はできてしまうわけなんですよね。
となると特別教育はどこの登録教習機関でどのような講師が教えるのかによって、
取得してしまったあとの資格としての価値は変わりませんが、
教育としての質は大きく変動し、
講師の当たり外れが大きいのが特別教育なんですよね。
私は様々な技能講習、特別教育、安全衛生教育を受講し、
様々な講師をみてきましたが、
本当に講師ってピンキリです。
決してうぬぼれや慢心ではございませんが、
最近講師としても自信がついてきましたので、
私もハイレベルなスペシャリストかつゼネラリストな講師になれるよう、
全力で高みを目指して日々精進していきたいと思います。
といった事で、テールゲートリフターの特別教育は、
6時間でサクッと学べるお手軽資格ですので、
仕事で使わない方も、
ご興味のあるかたはぜひ受講してみてくださいね。
参考(テールゲートリフターは基本4種類)
①パワーゲートⓇ(垂直昇降式)
昇降板が垂直に上下する。不安定な積み荷の場合でも比較的安全に昇降できる。
②パワーゲートⓇ(アーム式)
スイング式とも呼ばれ、昇降板が円弧を描くように上下する。
③パワーゲートⓇ(後部格納式)
昇降板が荷台後部に垂直に格納される。(背負い式とも言う)
④パワーゲートⓇ(床下格納式)
昇降板が荷台の床下に収納される。昇降板は二つ又は三つに折りたためるようになっている。
ちなみに、
Ⓡは、「登録された」という意味の”registered”の頭文字をとったものです。
つまり、Ⓡは「その商標が登録されていること」を示すシンボルマークです。
登録されている商標を無断で使用すると、商標権侵害になり、
使用差止め請求や損害賠償請求の対象になります。
Ⓡを付けることでその商標が登録されていることを示せるので、
商標権侵害について注意喚起ができるというわけです。
陸上貨物運送事業労働災害防止協会(陸災防) (rikusai.or.jp)
一般社団法人全国登録教習機関協会 (zentokyo.or.jp)
東海安全教習センター株式会社|愛知県小牧 車両系建設機械運転等の資格取得講習 (toansenta.com)
ゼネラリストシュン(吉田 峻) PROFILE