健康食品に関する文献を比較検討してみると、
信頼度の1番高いのは、2002年に「ジャーナル・オブ・ヘパトロジー(Journal of Hepatology)」誌に掲載された

AHCCに関する論文である。
「ジャーナル・オブ・ヘパトロジー」は欧州肝臓学会の学術誌で、
肝臓分野では権威のある雑誌とされている。

そこで、この文献の内容をエビデンス(科学的根拠)という観点からもう少し詳しく見ることにしよう。
これは、関西医科大学第1外科のグループが肝細胞がん患者の手術後にAHCCを摂取してもらって

その効果を調べたコホート研究の報告である。
AHCCとは、「Active Hexose Correlated Compound」の略で、
活性化された多糖類関連化合物。
東京大学薬学部教授の岡本俊彦さんと札幌市にあるアミノアップ化学との

共同研究によって開発されたキノコ系の健康食品である。
その結果、解析できたのは269人中222人。
そのうちAHCCを摂取した群(113人)のほうが、摂取しなかった群(109人)に比べて、
無再発期間が有意に長く、生存率が有意に上昇することを示す結果であった。
肝がんはよく再発をするがその再発率は、摂取しない群の72人(66.1パーセント)に対し、

AHCC摂取群は39人(34.5パーセント)再発した。

無再発率もAHCC群が有意に良好であった(再発しにくかった)ことを示していた。
死亡率は、摂取しない群の51人(46.8パーセント)に対し、
AHCC摂取群は23人(20.4パーセント)で、これも有意に減少していた。
術後の観察期間は、摂取しない群の2~117カ月(平均30カ月)に対し、

AHCC摂取群は2~108カ月(平均28カ月)の観察期間で全生存率も有意に良好であった。
さらに、術後5年間、肝機能に関する血清学的検査データの経時変化を10項目について追跡調査もしている。
その結果、AST、γ-GTP、コリンエステラーゼにおいてAHCC摂取群で有意な改善が認められてもいる。
以上の調査結果により、肝細胞がん術後にAHCCを摂取することは、

術後の再発を少なくしたり、生存を延長したり、肝炎を改善したりすることにつながる可能性が示唆された。
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