こんばんは
先日、本屋で“十数分にも及ぶ懊悩の末に”購入を決断したのが、平凡社刊『別冊太陽 探偵小説の鬼 横溝正史』の特集本でありました。最近、書店に並べられているのを見られた方も多かったのでは無いでしょうか。
※多分、日頃より横溝ファンを自称されている方々におかれては、別段迷う事も無く購入されたのかもしれませんが、如何せん値段が“2,750円(税込)”であり、横溝作品を全作品読んだ訳でもない、“似非ファン”を自認するところもある私としては、(今回はスルーしても良いかなぁ・・・)と悶え苦しみましたが、『犬神家の一族』における、“家系図の草稿メモ”の写真が掲載されていた事もあり、(作品追及の手段としても入手しなければ)と、思いました。
で、またまた『犬神家・・・』の突っ込みを始めたいと思います。
まず、犬神佐兵衛は犬神庄兵衛となっていて、松子・竹子・梅子の三姉妹では無く、庄太・庄二・庄三の三兄弟であり、その息子が年長順に申彦・酉彦・戌彦となっていました。それでも静馬と珠世は同じでありました。
・・・なる程、だから静“馬(午?)”だったのでしょうかね。
※“シズマ”という名前については、かつての顧客の御祖父様に“静磨さん”という名前を見掛けた事がありました。昔に流行った名前だったのかもしれませんが、多分?、今では“一番忌避されている”名前なのかもしれませんね。
とは言え、その後に彦が“佐(スケ)”に変わったのでしょうが、これについては先回も述べましたが、横溝先生のユーモアセンス全開により、やはり、“犬神佐兵衛(スケベエ)”の意図があったのでしょうか。
そして、“スケベエ”を基準?とすると、例の“遺言状の内容”にも合点が行きそうです。『次の条件のもとに野々宮珠世に譲られるものとす』で、有名な遺言状でありますが、
(何故に、珠世が主導権を握る内容なのか?)
(私個人が思うに)佐兵衛翁が、『まぁ、菊人形にも暗示を仕掛けておいたし、これまでの二人(の関係)を見ていれば、間違い無く佐清を選んでくれるとは思っているけれども、“佐清がスケベな俺の血を受け継いでいるのも間違い無い”だろうから、可愛い珠世が悲しむ事が無い様に(遺言)しておかなくてはなぁ』と、(犬神)三姉妹の母親は散々蹂躙しておきながらも自分の身内には甘い、典型的な?成金気質の持ち主でもあられたのでしょう。
それ故に、『珠世さんに“手綱を渡す内容”としたのだろう』と、推察致しました。
横溝先生におかれても、ここまでヒットする作品になるとは思っていなかったのでしょうが、遊び心も盛り込んだ作品だったのかもしれませんね。
また気付きがありましたら、性懲りも無く述べたいと思います。
それでは