↑JFSS(日本戦略研究所)台湾有事シミュレーション会場の様子

 

8月6日・7日の2日に渡りJFSS(日本戦略研究所)の台湾有事シミュレーションにお招きをいただきました。この目的は政治家が有事に適切な判断ができるよう訓練をする事と、政府が適切に事態対処するにあたって足枷となる法律を浮き彫りにする事です。

 

次々と繰り出される状況シナリオは岩田清文元陸幕長、武居元海幕長、尾上元空自補給本部長をはじめとした自衛隊高級幹部OBが作成。シナリオは①武装民兵が漁船に乗り込み尖閣諸島に上陸②先島諸島の国民避難③中国が日本に対して核の恫喝の3種類。それぞれ約半日かけて、閣僚会議の形式で対処していきます。

 

政府の陣容は小野寺五典元防衛大臣が総理大臣役、木原稔元総理補佐官が官房長官役、大塚拓元内閣府&財務副大臣が防衛大臣役、薗浦健太郎元総理補佐官が外務大臣役、松川るい元防衛大臣政務官が国交大臣役、有村治子元国務大臣が経産大臣役、中堅議員がシナリオに挑みました。私は通信の確保や自治体との連携を担う総務大臣役でした。

 

大臣を支える事務次官役には本物の事務次官OBや各分野の専門家が招聘され、大臣役を補佐していただきました。

↑実際の事務次官経験者等に補佐していただき、次々と起こる出来事に対応していきます

 

このシミュレーションを実施している間はマスコミフルオープン。カメラが回っている中、想定外の出来事がものすごいスピードで発生し、それに対して次々と決断をすることは大変良いトレーニングになりました。

 

今回の学びは・・・
▶︎台湾有事では台湾のみならず東シナ海全域が戦場になり、沖縄のみならず沿岸の鹿児島県、宮崎県、佐賀県などにも影響が出ること。
▶︎米軍は台湾の防衛にかかりきりになり、日本の領土領空領海は日本が独自で守らなければならない「分業」体制になること。
▶︎戦争状態になったら在中国邦人11万人と在台湾邦人3万人の避難・救助が事実上極めて困難になること。
▶︎法律の制約で戦争状態にならなければ民兵が上陸した尖閣の島に自衛隊でなく軽武装の警察・海上保安庁を派遣せざるを得ない。従って無駄な犠牲を生む。
▶︎法律の制約で防衛装備や弾薬の大量輸送に大きな制約があり、急速な侵攻に間に合わない。
▶︎法律の制約でサイバー攻撃の兆候を事前に察知するサイバー空間の探査やサイバー反撃が困難なことから、サイバー防衛が後手に回る。
▶︎先島諸島など戦火に近い地域の住民を避難させる船や航空機が圧倒的に足りないことから、かなり早い段階で避難を始める必要がある。
・・・などです。

↑私は通信の確保や自治体との連携を担う総務大臣役でした