内閣府大臣政務官を拝命して一年が経過しようとしています。この一年間、コロナとの戦いの最前線に身を置いて、時に未知の感染症に翻弄されて悔しい思いを重ね、時にいただいたご要望が政府の政策や予算につながり、その中に多くの学びがありました。

 

その一つが、「有事の時にこそ時に大胆な決断が求められる」ということです。

 

野党は昨年11月の衆院厚生労働委員会で外国製ワクチンの使用や特例承認(治験期間の短縮)に反対していました。今でこそ野党は政府に「遅い」などと批判していますが、仮に野党の言う通りにしていたら、今頃はまだ治験の真っ只中で誰も接種できていなかったかもしれません。

 

政府はこのような野党の批判に一定の配慮をしつつも、ファイザーとモデルナのワクチン導入を決断。通常1年以上かかる承認プロセスも特例承認で数ヶ月に短縮しました。

 

その結果、今日6割近い国民がワクチンを2度接種し、また7割に近い国民が一度は接種し、欧米とほぼ同じ摂取率に到達しました。この大胆な決断は正しかったのです。

 

↑私もワクチンを打ちました!

 

一方、より大胆であるべきだったと、悔やまれるものもあります。

 

その一つはマイナンバーカードです。普及していれば、給付金や補助金などがワンクリックで給付されていました。数百億円に上る外注費、自治体職員の不眠不休の作業、国民の待ち時間が大幅に軽減できていたでしょう。「プライバシー」というもっともらしい理由でマイナンバーに対して批判のための批判を繰り返した野党、これに乗って国民の不安を煽り立てた一部メディアの責任は重大です。

 

政府も、マイナンバーと健康保険証・運転免許証・クレジットカード・交通系プリペイドカード・企業や学校の身分証などとの連携、携帯電話への搭載など、「マイナンバーが不可欠」という状況をもっと早く作れなかったことは痛恨でした。協力的でなかった一部省庁には猛省を求めます。

 

もう一つは第5波の初期に出てきたロックダウンの議論に関連する「新型インフルエンザ特措法」です。政府はこの法案を今年初旬国会に提出。当初、政府の要請に対して悪質な違反がある場合は刑事罰を以って対処する法案でした。これは宣言等にご協力いただいている圧倒的大多数の国民の努力を踏み躙る悪質な違反をキッチリと取り締まる手段がなければ申し訳が立たない、その努力に報いて日常を取り戻さなければならない、との政府の強い使命感が原点でした。

 

野党や一部メディアはこれをこぞって反対。政府分科会に出席している医療・感染症の専門家までもが反対しました。政府は結局刑事罰を取り下げて特措法が成立されます。政府はこの時に憲法を盾に「公益を守るための致し方ない手段」として押し切るべきでした。

 

ほかにも、飛行機搭乗前の全件検査、歓楽街でのワクチン優先接種、もっと早い時期の水際対策強化・・・まだまだできたことがあります。

 

国民の利益に資する政策は、それがどのようなメリットをもたらすか、得るものと失うもののバランスはどうあるべきかを分かりやすく説明し、理解を得なければなりません。その上で、大胆な決断を果敢に下さなければいけません。このことを肝に銘じて私は政治活動に邁進します。

 

↑駐日デンマーク王国のピーター タクソ-イェンセン大使が石狩湾新港を視察に来てくださいました