深センは香港に隣接する中国の経済特区です。特区に指定された40年前、深センは人口5万人の漁村でした。

 

それが中国政府の金融政策と、それに引き寄せられた民間金融やベンチャーキャピタルで起業ブームが起こり、ファーウェイ(携帯端末・通信基地)、テンセント(中国版ライン、電子決済)、BYD(リチウム電池、自動車、モノレール)、DJI(ドローン世界最大手)など世界に冠たる大企業を輩出。

 

今は人口1,200万人の近代都市になり、毎日1,000社が起業する中国経済のエンジンとなっています。

規制改革が遅れ、特区が徹底的に叩かれる日本を尻目に、隣国の特区は世界的企業を続々と生み出している事実に愕然とします。

 

訪問・視察したファーウエイは5G世代(次世代規格)通信基地局分野で価格と技術に於ける世界的な優位性を保持しており、今後世界市場を席巻する可能性が高いとされています。

8万人のエンジニアを抱え、純利益の約2割を投じて日夜研究開発に精を出しており、驚異的な成長を続けています。

 

同社の輪番CEOの胡氏いわく、中国は人材と資金力が豊富で且つ企画力も優れているが、技術は日本には5年は遅れていると。

しかしその技術はソニーなど日本企業の部品や日本企業を退職したエンジニアがカバーしているからそれで十分であるとのこと。

人不足で喘ぐ日本こそ硬直した定年制度を改めて人材確保に努めなければならないと強く感じました。

                         

米国ではファーウェイやZTEの市場参入をサイバーセキュリティーなど安全保障上の理由から拒否。

同社は日本にも基地局を輸出する計画を持っていることから、意見交換ではサイバーセキュリティに関する厳しい質問をいくつもぶつけました。

 

選択と集中を実践して強みをとことん伸ばし、大胆な研究開発投資を続ける同社の姿勢には大いに感銘を受け、良い学びとなりました。