
東京ステーションギャラリー(丸の内)にて
ジャン・ミッシェル・フォロンのイラストレーション
「空想旅行案内人」を見た。

ベルギー出身のイラストレーター。

雑誌「ニューヨーカー」の表紙などやポスターなどが有名で
シンプルで洒脱なグラフィックデザインが魅力だ。

リトルハットマンというキャラクターが
空想旅行の案内人となって旅に出て行きます。
トランクにつめた景色が旅の時間を表して
今の景色と重ねた時間の二重性が面白い。

水を含ませた水彩用紙にカラーインクでもって滲ませる技法による
淡く澄んだ色彩が
透明感のある詩情性を生んでいる。

「世界人権宣言」表紙 原画(1988)

各条文から「意見及び表現の自由に対する権利」
(言いたい、知りたい、伝えたい)のための挿絵原画(1988)

激鉄の先に目隠しをされた人物を描き
個人の意見が弾圧されている現実を表現している。

「世界人権宣言」第3条
(安心して暮らす)のための挿絵原画(1988)

「世界人権宣言」第5条
(拷問はやめろ)のための挿絵原画(1988)

理想から離れている現実の状況
この共通な問題に対して高度な感覚を持っている。とのキャプションがあった。
強いメッセージを描くとその主張に
表現が引っ張られてアクが強くなりがちだけど
フォロンの作品にはそれがなく
彼の詩情性が損なわれることがない。
これが「高度な感覚」なのだろう。

画像がなかったので
つたないうろ覚え画で申し訳ないのですが
こんな感じの
オリンピックのポスターが印象に残っていました。
溺れている5人の手だけが水面から現れて
それを救うために5つの浮き輪を渡そうとしている構図で
溺れている5人も、救助の5つの浮き輪も
5大陸を表す5輪の色です。
平和の祭典と言いながら
なかなか理想に至らないオリンピックゲームの現実。
アイコンとしての五輪の輪が
平和の機能を動かせと言っているポスターだ。
引用写真:NHK Eテレ「アートシーン』より