2018年に160KMのストレートでブレーク。
クライマックスシリーズで胴上げ投手になり、日本シリーズでも活躍したフランソアを覚えていますか?
特にリリーフに転向してブレークした8月は凄かった。
もう打たれる感じが全くしない。
ところが、がんこな緒方の特徴なのだが、
おとといもフランソア、昨日もフランソア、おいおい今日もフランソアか?
壊れるよ。。。
結局8月は18試合登板の記録を作って、月間MVP。
しかし、活躍したのは、わずか3か月で、壊れてしまった。
もうこの年でカープを応援する熱は醒め切った。
緒方が壊したのは、フランソアだけではない。
2016年の日本シリーズは、歴史に残るひどいリリーフ酷使のシリーズ。
緒方は最低だった。
6試合全試合登板の今村、ジャクソンは、日本シリーズ最多タイの登板記録。
もう一人の6試合登板記録の保持者は、「神様・仏様・稲尾様」と書かれた「鉄腕・稲尾」だが、稲尾も数年後に壊れた。
中崎は5試合に登板。もし6戦目ももつれたら間違いなく中崎も6連投で酷使されただろう。
結局3人全員が壊れてしまった。
「佐々岡はダメで、野村、緒方は名将。もう一度監督を。。。」というファンも多いが、
野村、緒方に選手を心身ともにボロボロにされた佐々岡は冗談じゃないよと思っているに違いない。
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勝負を決した中継ぎの出来
さて、このシリーズを通して振り返ると、チーム力に大きな差は感じなかった。打線では、ファイターズの中田やレアードはしっかりとチャンスをものにし(4勝中2勝は中田、1勝がレアードの決勝点)、カープも1~3番の“タナキクマル”は機能し、エルドレッドも3本のホームランを放った。
打線が互角であったことは、数字にも表れている。ファイターズが、打率.228・本塁打5・出塁率.324・OPS.692・得点24だったのに対し、カープは打率.223・本塁打5・出塁率.320・OPS.661・得点19となっている。第6戦が6点差となったものの、それほど大きな差にはなっていない。
投手も、総合的には大きな差はない。ファイターズは、防御率2.55・被安打42・被四死球26・WHIP1.28・投球数910。カープは、防御率こそ3.38だが、被安打44・被四死球28・WHIP1.29・投球数959。防御率に差が出たのは、第6戦の7自責点があるためだ。
ただ、その内実に目を向けると差がはっきりする。それは先発と中継ぎ投手の違いだ。ファイターズは先発5投手の防御率が2.93(27.2回)だったのに対し、中継ぎ7投手は2.13(25.1回)と先発よりも良い。しかも、先発とほとんど変わらないほどの投球回だ。
一方カープは、先発4投手の防御率は1.05(34.1回)と極めて良いものの、中継ぎは7.58(19回)とひどく悪い。なかでも6連投で、うち3度の逆転打を食らったジャクソンは、5.2回を投げて自責点10、防御率15.88と完全に“逆シリーズ男”になってしまった。
通してシリーズを見ていても瞭然だったが、中継ぎの出来が勝敗を分けてしまったことはデータからも十分に裏付けられる。
カープの敗因は采配
第5戦までで十分に明白だったが、やはり緒方監督の投手起用の頑なさがカープ敗戦の主要因だろう。
先発を4人で回すリスクを取ったのは正解だったが、全試合でリードあるいは同点で終盤に至ったために、すべて勝ち試合の継投になった。ここで緒方監督は、頑なにシーズン中と同じ継投を繰り返した。結果、今村とジャクソンが6連投となった。これは1956年の西鉄ライオンズ・稲尾和久以来の記録だ。それくらい異例のことだ。
ジャクソンは、三振を取るスライダーがことごとく甘いところに入った。第3戦の中田のタイムリー、第4・6戦のレアードのホームランはすべてスライダーだった。2アウトから四球でランナーを出すなど、ストレートのコントロールも乱れ、空振りを取りに行ったスライダーが打たれたというパターンだった。結局ジャクソンは、チーム総自責点20のうち半分の10点を喫する散々な出来だった。
ジャクソンは、今年のカープの快進撃を支えた一人だ。ただ、シーズンでも好不調の波があるように、このシリーズでは明らかに不調だった。ジャクソンは、今シーズン67登板のうち12試合で点を取られている。だが、その12試合のうち9試合は連続しての失点だった。これは登板数の多い今村や中崎と比較しても、非常に顕著な特徴だ。悪いイメージを引きずるタイプなのかもしれないが、好不調の波の激しさがシーズン中にも少し出ていたのだ。
問題は、そうしたジャクソンの出来ではない。不調のジャクソンを6試合も連続で使い続けたベンチワークにある。第4・5戦の戦評でも触れてきたように、緒方監督の采配は意固地なくらいにワンパターンだった。全試合でベンチ入りした福井・九里・一岡の3投手は、結局一度も登板しないままだった。振り返れば、第2戦で4点リードの際にこの3人のひとりでも試していれば、もっと継投の幅が広がったと思える。それができなかったのは、シーズン中と同じ戦い方にこだわったからだ。短期決戦の経験のなさは、選手ではなく監督のほうが強かった。