その方がセレモニーサロンに初めていらっしゃったのは、10年ほど前のこと。

 

「子供たちに迷惑をかけたくないから、自分のことは全部準備しておきたい」

 

とご相談を受け、まず遺言を証書にして残すことに決めました。

ご自分が入る永代供養墓も、桜の花が春には咲く霊園で用意されました。

終活のお手伝いをしながら、

 

「すごいな。私はここまできちんとできるかな」

 

と思ったことを覚えています。事務所の近くにお住まいで会うと

必ず

 

「いつも清水さん、ありがとう」ニコニコ

 

と感謝の言葉を口にされました

 

「母はしっかりした人でしたから」

 

お葬儀の時、4人の息子さんが誇らしげに話していました。

 

お葬儀という仕事は別れに寄り添う仕事ですが、ご家族がお互いを思いやる気持ちに触れる仕事でもあります。故人の方、ご家族の方、それぞれの思いを大切に、これからも1つ1つのお別れに向き合っていきたいと思っています。