七夕とヒナちゃんの誕生日
「おかん、なんかあるで。なんなん?」
わざとらしく置かれたケーキ。
「ふふ、ヒナちゃん気がついた?
お誕生日のケーキやで。
今日は七夕。ヒナちゃんの誕生日やんな。
美味しいよ、さ、ヒナちゃん、食べて、ね」
「ふ〜ん。クンクン」
後ろでワクワクするおかん。
「これな、ヒナちゃん、いらんわ」
「プイ」
「フェッ、ヒナちゃん、どうしたん?」
期待に反して全然食べようとしないヒナちゃん。
焦るオカン、猫ちゃんケーキ、結構高かったのに、、
「な、ヒナちゃん、そんなこと言わんと、食べてごらん、美味しいから」
「フニャ〜 ヒナちゃん、いらんねん」
「ほら。お誕生日おめでとうって、ヒナちゃんって書いてもらったんよ。ローソクも立ててね」
困ってしまったオカン、つい、禁断の手を使ってしまった!
シーバだ、、、
「ハイ、美味しいよ。一緒にケーキも食べてね」
魅惑のエビとサーモン味だ。
「うん、美味しいよ!」
「もっとシーバ欲しいな」「ハイハイ」
「うん、とってもとっても美味しいよ♪」
「うんうん、ヒナちゃん、シーバだけじゃなくてケーキも美味しいよ」
「ケーキ? いらんいらん」
「美味しかった。ご馳走さま!」
ヒナちゃん、シーバしか食べなかった、、、
ケーキ🍰、ぜーんぜん食べなかった、おかんの努力も水の泡、、
涙なみだのおかんなのでした。
ヒナちゃんが本当に好きなのは、これ
「美味しいわあ、こんなんなんぼでも食べれるわ。ムシャムシャ」
エノコログサ(猫族の正式名「猫じゃらし」)の若葉が大好きなヒナちゃんなのでした。
なーんてことが、4年前にありました。
18才の誕生日でした。
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ヒナちゃん、今年もお誕生日ケーキ買ってきたよ。
おいっしいよ〜
一緒に食べようね!
「あんなあ、ヒナちゃんケーキはいらんねん」
ええ〜、食べへんの?
しょうがないね。おとんとおかんで美味しくいただくね。
ペロリン!
五感のブランマンジェ。おかんの大好物です。
ヒナちゃんをダシに困ったおかんです。
今年もヒナちゃんの誕生日がきたね。
22年前の今日、どこかの星で生まれ、
流れ星に乗って地球にやってきたんだね。
3年前にいったん星に帰ったけど、
でも今は、星と地球を自由に飛び回って、
いつでも一緒にいるね。
「二つ星」
笹舟の上の老玉と茶玉。ちょこんと乗っているのが柑橘ゼリーとワインゼリー。
彦星と織姫。
ヒナちゃんも、こんな笹舟に乗ってたのかな。