Being の時代の幕開け〜(16)

「能力を伸ばす」は止めろ!

セルフフルネスアカデミー(東京アレクサンダーセンターの活動)

 

情報化社会にどっぷり浸かっている私達は、何でも頭で処理することに慣れ、部分的な対処(正解のある学習や合理的な考え方やメソッドなど)は上手になりますが、自分の心を捉えるのは凄く下手です。

セルフフルネスは、今までのパターン化された学習から自分を解放し、自分や周囲の現実に向き合う体験を積み重ね、「beingの世界」に身を置く取り組みです。

このシリーズでは、現代社会に今こそ必要とされる「beingの世界」を一緒に見ていきましょう!

 

今回は、「能力」についてお話しします。

 

【「能力」の意味するもの】

教育の場面では、

「子供の欠点を矯正するより、長所を伸ばす方が大事だ!」と言う人と、

「子供の欠点を直していくことで、基礎の部分で躓かないで成長できる!」

という対極にある意見があり、「どっちが正しいのか?」

という罠にはまると、答えが出なくなります。

なぜなら、子供(大人でも、どんな人間でも!)の成長のプロセスは多様であり、

状況によってどっちもありだからです。

 

もう少し突っ込んでみると、そもそも「欠点」とか「長所」って何だ?

という疑問が湧きます。

自由奔放に思うがまま、感じるがままに動いたり、表現することが、「自分の機能」を高めるので、「いいこと」「自由な表現力」とみなすこともあれば、

集団で一つのことを取り組んでいる時に、「和を乱す」、「自分勝手な行動」だから、矯正しないといけないこともあるでしょう。

この違いも、置かれている環境や価値の持ち方によって変わるものなので、

同じ行動や現象についてみていても、「能力」の指標は時と場合、文化環境や状況によって変わります。

 

「能力」とは、個人的な独り善がりの期待値を含んだ、バイアスだらけの見方なのです。(「能力」をここまで悪くいうのもバイアスかかってそうだけど、、、苦笑)

 

【「能力」より大切なもの】

そもそも、どうして「能力」が必要かというと、ある環境の中で「自分を生かす」為です。

そこで、様々な環境条件でも普遍的な指標でいうと、「人間力」みたいな言葉になるかもしれません。

 

文化や道徳が違っても、受け入れられたり、サバイバルできる適応力であるとか、柔軟性とか、

逆に、追行する力(ひたすら突き進む力)なども「人間力」と言えます。

 

でも、この「人間力」だって、

例えば、ひたすら突き進む力があっても、「出る杭は打たれる」環境にいたら、一生芽が出ないこともあります。

環境条件を満たさないと、力が発揮されないことは、いくらでもあります。

 

セルフフルネス(AT)では、もっと普遍的なものとして、「1個体としての機能」を指標にします。

このブログで何度も出てくる「本当の自分」「人間の機能」「心と身体の統合機能」「Primary Control 」です。

ATの創始者FMアレクサンダー氏は、「Universal Constant in Living 」(生きるにあたっての普遍的な法則)と言っています。

 

これは、「良いか悪いか」「善か悪か」「優か劣か」「できるかできないか」と言った判断の対象にならないレベルのものが在るがままに起こっているプロセスの中から浮き彫りにされる「現象」「性質」「もののことわり(物理現象)」「生き物のことわり(生理現象)」を表現しています。

 

【Beingの世界】

「私達が豊かに生きる」なんていうのも、「豊かさ」に色んな解釈が入る余地がありますが、

「自分の生き物としての機能」

に関しては、解釈が入る余地がずっと少なくなります。

なぜなら、「性質」は現象の描写に過ぎないからです。

 

元来、「生理学」も、生き物の機能を観察する学問です。

「生きるものの理(ことわり)を追求する学問」。

それを元に応用したり、「良いもの」を作ることになると、いきなり解釈がガッツリ入ってきますね。

 

私達現代人は、「豊かさ」とか「幸せ」とか、情報化社会に晒されて、

パターンをなぞることで「豊かになれる」、「幸せになれる」ように思考が働きます。

挙げ句の果てには、映画やTVドラマなどの影響で、

自分の状況をBGM付けて、ドラマの主人公を演じたりします。

メディアの奴隷ですね。笑

 

しかし、「本当の自分」が現れないで、ドラマの影響受けて「幸せ」や「自由」を満喫した気分になっても、どこかで「自分の内面への偽り」を体験することになります。

 

【Beingとは変化する世界を描写する状態】

平家物語の

祇園精舎の鐘の音も、人の生き様も、この世の全ての現象は絶えず変化していくものだ

(所業無常)という響きがある。

っていう、現象を淡々と描写する世界。

 

周囲の情報に惑わされないで、この世の法則と共に、操作する(doing)ことなく存在している(being)ことは、

私達が「幸せ」や「幸福」や「上手く生きる」こと以前の、

もっと前提となる

「常に動いて変化している世界の中に自分はいる」

という基礎なのです。

 

「能力」や「人間力」は、その前提の後に現れればいいのではないでしょうか?

情報化社会の奴隷になっている現代人達よ!(俺も言われてる!苦笑)

 

セルフフルネスアカデミー(東京アレクサンダーセンター)では、自分の基礎となる取り組みの学習をスタッフと共に学習していきます。

レッスン、クラスに是非ご参加ください!

お待ちしております!

 

新入生募集

東京アレクサンダーセンターの教師養成クラスでは、2024年4月からの生徒募集(2名)しています。

 

《若手教師による初心者のためのATトライアルレッスン生募集》

 

詳しくは、新規改訂したホームページをご覧ください!  

Tokyo Alexander Centre | アレクサンダーテクニーク 教師養成クラス (tac-self-fullness.net)

 

【ウィークデーモーニングクラス(月火水金曜日)】(9:30~13:00)

3月、4月、5月の開校日は

 

3月  25 26 27 29

    春休み

4月          12

   15 16 17 19

   22 23 24 26

      30

5月 祝日  7  8 10

   13 14 15 17

   20 21 22 24

   27 28 29 31

 

《福岡での個人レッスン》は、2024年4月21日(日)、22日(月)です。

(福岡の予約、お問い合わせは、メールで、 <uzumaki@hya.bbiq.jp> にお願いします。)

 

いずれのクラスの予約、ご質問は、すべてメールにて、

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