芸術とセルフフルネス(8)

クラシック音楽の「自然な表現」?

〜セルフフルネスを学ぼう!〜

 

このブログでは、セルフフルネス(アレクサンダーテクニーク)に関する基礎情報を提供しています。

この新しいシリーズでは、「芸術」についてお話しします。

芸術と「本当の自分」は深く関わっていて、セルフフルネスの実践が芸術活動そのものとも言えます。

 

今回は、「自然な表現」ついてお話しします。

 

【再現芸術】

芸術は、「現実をありのままに表現する」ことですが、「ありのまま」が多様に映し出される為に、同じ様なことを表現しようとしているのに全く違う様に見えてしまという性質があります。これが、本来、「個性」と言われる部分です。

「自然な表現」と言っても、固定観念で決めつけられない所もあります。

 

特に、クラシック音楽は、作曲家が楽譜におこした音楽を演奏家が再現する伝統を持った芸術形態なので、楽譜が演奏家の手に渡った段階で、色んな視点や解釈が入ります。

 

その解釈を巡って、ああでもないこうでもないという論争が巻き起こるのも、この界隈の特徴になっています。

 

【表現者の立ち位置】

クラシック音楽を芸術活動として見た場合、演奏家の立場は、作曲家の音楽の世界の真ん中に身を置くことが基本です。

そこで演奏家は同じ人間として置かれた状況で出てくるものをありのままに表現することが、結果的にその演奏家から自然に湧き上がってくるものが明らかになったり、個性や独特な側面がみえることにもなります。

 

【音楽教育の問題点】

音楽家としての成功を、コンクールやオーディションに合格したり、勝ち負けで音楽家の優劣やランクを決める設定にすると、表面的な成功を求める様に奨励してしまいます。

本来芸術で明らかにしたい深さや、人が普段表現しないプライベートな心の動きや秘密の世界を共有することから遠のき、

「強い弱い」、「良い悪い」、「上手い下手」、「作法」や「テクニック」など、可視化しやすいものを基準に音楽を演奏する様に仕向けてしまいますね。

 

【芸術活動の本当の意味】

では、そもそも、なぜ私達は芸術活動をしたいと思うのでしょうか?

それは、普段生きている中では見逃しがちな深い現実、心の底に押し込めている大事なもの、恥や恐怖などをものともしない本当の在り方を、芸術活動の中で発見できると思えるからなのです。

私達は、「真実に触れたい」「真実を生きたい」という欲求を持っています。

 

【芸術文化を育てる】

私達は、芸術を通じて、どんなものにも秘めた価値を見出す力を養うことができます。

子供のピアノの発表会でも、「3流音楽家」のレッテルを貼られた人の演奏を聴いても、コンクールに入賞もしない様な「レベル」の演奏でも、その中に演奏者の中にある大事なものを見極める力。

表向きのテクニックや超絶技巧の中にもある背景、もっと根底に流れる価値。

 

各々がこの「見極める力」を発揮して関わると、「見かけが良い」だけではない様々な深さの世界をお互いが享受できる社会を作ることができます。

そこには、偏見の少ない、人間が本当に生きている意味や価値を共有できる社会があります。

 

クラシック音楽の歴史を見ても、表向きの政治や経済の根底を大きく変える力が働いたり、その時代の現実を反映したものが、

音楽の中に潜んでいたことを証明しています。

例えば、モーツァルトとフランス革命、ショスタコービッチと共産主義社会への疑問、、、、

 

【「偽りの自分」を生きるのをやめよう!】

私達は、「虚構」を作りやすい性質の生命体です。

過去の記憶やパターンを「使って」生きているはずなのに、いつのまにか「使われる」ことになってしまう。

自分を歪めて自分を苦しめる。

心の中の何かを押し殺して、何もないかの様に生きる。

心のどこかで偽りとわかっていても、自分を騙して生き続ける。

 

確かに、これは、事情によっては必要なことではあります。

貧困や暴力に晒されている中では、自分の思いを押し込めなければいけない時もあるかもしれません。

しかし、事情が変わっても、そのパターンで生き続けて、自分の思いを押し込め続けることは逆に、本当の自分を生きていくことの妨げになってしまいます。

 

【アレクサンダーテクニークの実践】

私達は皆、(これを芸術活動のみならず)全ての活動の中で「本当の自分」を明らかにしていきたいと心の中では思っています。

アレクサンダーテクニークは、その基礎を作る活動です。

この基礎は、芸術活動を本当に自分にとって栄養になる活動に直結させることもできます。

普段の生活の瞬間瞬間を「意味のある活動」にする力も養います。

 

私達は、自分の恥部、他人に言えないことも、同じ人間として起こりうることとして認め合える社会の可能性を見出すことができます。

なぜなら、私達は、それがより自然な在り方であることを心のどこかで知っているからです。

 

「自然な表現」は、クラシック音楽だけではなく、全ての人間の活動に必要なことなのです。

セルフフルネスアカデミーでは、無理なく「自然な表現」をする自分を奨励し合います。レッスン、クラスに是非ご参加ください!

 

新入生募集

東京アレクサンダーセンターの教師養成クラスでは、2024年1月からの生徒募集(2名)しています。

 

《若手教師による初心者のためのATトライアルレッスン生募集》

 

詳しくは、ホームページをご覧ください!  

Tokyo Alexander Centre | アレクサンダーテクニーク 教師養成クラス (tac-self-fullness.net)

 

【ウィークデーモーニングクラス(月火水金曜日)】(9:30~13:00)

1月、2月の開校日は

 

1月           5

       9 10 12

   15 16 17 19

   22 23 24 26

   29 30 31

2月           2

    5  6  7  9  

      13 14 16

   19 20 21

     休みの週

 

《福岡での個人レッスン》は、2024年1月14日(日)、15日(月)です。

(福岡の予約、お問い合わせは、メールで、 <uzumaki@hya.bbiq.jp> にお願いします。)

1/14(日)1/15日(月)稲田祥宏の個人レッスンin福岡 – JATS 日本アレクサンダーテクニーク協会 (alextech.net)

 

いずれのクラスの予約、ご質問は、すべてメールにて、

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