吉井和哉 Flowers & Powerlight Tour 2011 5.03 in 高松 | あなたの夜を埋める物

あなたの夜を埋める物

ひきこもごもな毎日とテレビ・音楽・本・食べ物・夜更かしの友をご紹介。独り者推奨。

GW初日の5月3日、高松の吉井和哉のライヴに行ってきた。

モバイル会員の友人が取ってくれたチケットは1階5列目。
現時点においての我がライヴ人生最大の良席で参加することができた。
ちなみにそれまでのライヴの最良席はイエローモンキーのパンチドランカーツアーの1階7列目。
「あんま変わらなくね?」いや、会場が違うので多分見え方が違う…と思う。
サンポートホール高松は香川県民ホール(現・あなぶきホール)よりステージと客席の距離が近い…気が…した、ことにする←むりやり。

席について「ステージ近いようえぇええ~(´Д`;)」とびびりつつも、さらに前の席、最前列の人たちを見て「一体あの席にいる人たちはどうやってチケットを取っているのだろう?」と考えてしまった。

今みたいにネット販売が無かった頃は前日からプレイガイド前に並んだり、「ぴあのオペレーター直通の謎の電話番号がある」とか嘘か本当かよくわからない話があったが、最近だとヤフオクやミクシィのコミュでやりとりしているのだろうか?ダフ屋のおっちゃんもここ数年ほとんど見なくなったなぁ。

逆によく見るようになったのは男性客。ソロになってからいい具合に男性人気が上昇しつつある吉井さん。
曲間の暗転時にも野太い声援が結構多く、「吉井ー結婚してくれー」と叫んだ男子がいたのだが、その後、吉井さんが片腕を上げていたのは「OK」という返事なのだろうか(笑)

今回のツアーは長期にわたるものなので、前回の年末公演のようにラストまで待っていたらなにもかも忘れてしまうおそれがあるので、セットリストネタバレ込みで記事を書きます。
ネタバレ回避したい方はこのままスクロールせず、目を閉じて、別のサイトへ戻るか飛んでください。

もっとも、高松の時点ですでに、演目がいくつか変わっているみたいなので、この先もっと変わる可能性大。40本クラスのツアーとはそういうものだろう。
ただ今回のツアーに関しては「予習が必要だな」という感想を持ったので、新譜も含めて歌詞等聴きこんでおいた方が楽しめるかも…?

セットリストの順番は正直アヤシイのだが、演奏順に個人的に印象に残った曲には感想を記す、うちのブログの十八番「困ったときの箇条書き」形式でお送りします。





・The Apples~ACIDWOMAN
白のレザー?ジャケット、黒ラメ&黒無地ロングストール、黒白柄シャツに黒Tシャツ(丸首で深め)?タンク?シルバーの十字架ネックレス。といういでたち。
あんなにお色気たっぷりにロングストールを着こなす40代の男性を私は見たことが無い。いや、多分吉井和哉ただひとりだろう。

・VS
バックにPVでも使われた漫画擬音文字が映し出されていたのだが、初回盤についているDVDに収録されている『VS』の吉井さんは死神博士みたいで格好いいと思う。
……うん、ヤングには通じないだろうなってわかっている(苦笑)

・Chelsea Girl
今回のツアーにおけるイエローモンキー曲しょっぱながこれだとは思わなかった。
ソロからファンになった人はもとより、イエローモンキー時代からのファンでも忘れかけている曲だよコレ(笑) ちゅーちゅーいえー♪

・ロンサムジョージ
・イースター

・CHAO CHAO
昭和のアイドルがいた(笑)
♪オルタナ~ティブのメロディの部分で人差し指と親指で“Lの字”を作って♪オルタナ~で腕を伸ばして♪ティブッで顔の前でLの字を横に移動させてキメっ☆の振り付けがどこの秀樹かひろみかと。
「あなたのこの世の全部の幸せをあげる」の歌詞がかわいいなぁと思えた。あと一瞬宮尾すすむもいた。ほとんどの観客はわっかんなかっただろうなぁ。

・おじぎ草
深海に届く月光のような、たよりなく揺らめく幾筋の白い照明が歌に合っていて美しかった。
「私は愛の重さとかはどうでもいい」の一節がひどく心に響く。
恋しい愛しいを突き抜けた“ラブソング”などと呼ぶのもおこがましい、人間の本質が見えた気がしてならない。
吉井和哉だからこそたどり着けた“人の業”なんじゃないかと。誰彼そう歌えるもんじゃない歌詞だ。

・球根
物販に「球根セット※東日本大震災チャリティーグッズで開演前の時点で完売。」があった時点で「演るんだろうな」と感じていたが、イントロのアレンジをがらっと変えてきたので、歌いだすまでちっともわからなかった。
現在のこの国にとっては重く、現実的な歌になってしまった『球根』。
セットリストから外すこともできただろう。けれど「希望の水をまいて」そして花が咲くことを願わずにはいられなかったんだろう。
歌い終わった後の長い長いお辞儀が印象的だったと友人が後から話していた。

・MUSIC

・クランベリー
なんの悪魔召還の儀式が始まったのかと(笑)
バックのモノクロの砂絵や水墨画のようなタッチで描かれた不穏な映像と相まって儀式度がさらに倍増。
おーくらんべーりぃーおー♪

・シュレッダー
悪魔召還の儀式←違うよ。の重さを引き継ぐような見事な選曲だった。
重たいけれど、やがてはかなく消えてしまう喪失感。
久しぶりに聴いたが歌いだしの♪あぁ…にやられてしまう。とてもジュリーです……。

・ONE DAY
先ほどまでの重厚さとは打って変わって、終始笑顔で歌っていた。友人は「どうして大人なのにあんなにかわいい、あどけない笑顔するんだろう」と語っていたが、私はというと顔よりも首にくぎづけになっていた。

吉井和哉の肌の白さというのは黄みがかった白じゃなく、青みがかった白さで「イギリス人とのハーフなんですよ」と言われたら「そうですよね、わかります」とすんなり納得できる顔のつくりであり肌だ。
ぐるると上下する喉ぼとけ、首筋の筋肉の隆起、照明に照らされる汗で濡れた白磁のような肌…1階5列目の特権とばかりにストリップ劇場の踊り子を見るおっさんの気持で見つめてしまったいた。

「なぜ首だったのか?」後から考えてもさっぱりわからないのだが、吉井さんが悪い…全部悪いんだ。
あんなあどけない笑顔と色気両方兼ね備えたロックスターが四十路の日本人なわけがない!(ダァン!!←机的な物を叩く音)

わたしは明日の仕事とかどうでもいい~♪嗚呼、ライヴって魔物←そして私は妄想の化け物。


・バラ色の日々
「年内には東北にライヴに行くつもりです」
この曲も『球根』と同じ一途に未来を信じてがむしゃらに駆け出す力を持った歌だ。東北の人たちに持っていくからとマイクを客席に向ける吉井さん。
四国の吉井ファンの歌声とパワーを吉井さんにあずけました。


・ビルマニア
・LOVE & PEACE

◆アンコール…の前に

マイクに近づいて♪らーらーらららららららららーとアカペラで歌いだしたので会場中が「???」になっていたところに



♪消臭~力~(めっちゃいい声)


CMの白人の男の子とちょっと顔の系統が似てるのがよけいに可笑しい。こんなところで歌唱力の無駄づかいをしないでください(笑)

過去にも「ラブ注入!」やらポニョのお父さんコスプレをしていた意外と流行に敏感なロックスター吉井和哉。『消臭力』はセットリストに加えていいと思う。
ある意味今回のツアーで一番好きなナンバーになったかもしれない。
吉井和哉の『消臭力』が聴けるのはライヴだけ!

・HIGH & LOW

・BELIEVE
「この曲を作った頃はつらい時期で、ただ過ぎるのを待っていた」といった感じのMCをしていたのでちょっと心配になったが、この曲も散る桜に過去の思い出を重ねて「今をかけぬけたい」で締めるので、今回のツアータイトルにあわせているのかもしれない。

・WEEKENDER

・FLOWER
Mステで聴いて涙が出たので、生で聴いたらまた泣いてしまうかなと思ったが、全体の流れもあってか“泣ける感動”ではなく“まぶしい光が射す感動”があった。



「今回のツアータイトルの『Flowers』は皆さんのことです」。

、『LOVE & PEACE』の前のMCで、自分が東日本大震災で受けた衝撃、『LOVE & PEACE』を出した時に「なぜ今このテーマ?」と聞かれたけれど、その後に震災が起きてしまって、最後の歌詞のように日曜の朝に「おはよう」と言えることの平和さ…「うまく言えないけれど…」ともどかしげに、けれど一生懸命話していた姿を見て、「多分この時期にツアーをやること、そして行くはずの都市でやれなかったこと、自分のやるべきこと、全部ひっくるめて、たくさん迷って、悩んでいるんだろうな」と感じた。

イエローモンキーの頃からたまに言葉足らずでファンに動揺をあたえたり、誤解させたりしていたけれど、四十を超えた今もまだとまどいや弱さを隠し切れないでいる。
でもそんな吉井和哉だからこそ、ポジティブの押し付けでもなく、説教くさくない、「前向きに1日1日を生きることの大切さ」というメッセージがすっと胸にしみ込んできた。

約2時間の公演だったが、長かったーでもなく、もの足りないとも違う、「あの2時間をもう一度味わえないものか」という気持でいっぱいになるライヴだった。
それだけ選曲や全体の構成、バランスが絶妙だったがゆえの感覚なのだろう。本当にいいライヴだった。

 

The Apples (初回限定盤)(DVD付)/吉井和哉

 

The Apples/吉井和哉

 

LOVE&PEACE/吉井和哉

「後になって気がついた。『リバティーン』やってないよ!なんで!?」