13年目の病い | あなたの夜を埋める物

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COMPLETE SICKS(DVD付)Blu-spec CD(TM)/THE YELLOW MONKEY

「セミシグレ(未発表曲)はいつになったら発表されますか?←今回収録されないかと密かに期待していた」


発売日にamazonから届いていたものを、今夜CD2枚、DVDと全部をひととおり視聴し終えた。

まずBlu-spec CD仕様の方、音はいい。無理矢理例えてみれば「近視と乱視両方持ちが、近視用レンズから、近視&乱視用レンズに変えた時の視界」くらいの違いがある←実体験。
そして2枚目のデモトラックバージョンだが、まあ、「SICKS完成度6~8割バージョンだね」という1枚だ。こっちはBlu-spec仕様ではない。デモ音源って要は“楽園(仮)”みたいなもんだろうから、普通仕様でいいよね、そりゃ。

念のため、1997年発売の“初代SICKS”と聴きくらべてみたが、やはり音の輪郭や、つやが違うなあと感じた。あくまで私の耳判断であり、再生ハードがPCなので、このへんは人それぞれだと思う。

SICKS収録曲で好きなやつは、マザーベストに収録されているので、オリジナルアルバムとしてSICKSを丸々聴いたのはものすごく久しぶりだったが…濃いねぇ。
90年代にこんだけ濃ゆい国産ロックアルバムが出ていたという事実にあらためて驚いた。そして2010年の現在聴いても、イエローモンキーの異色っぷりがゆるぎないという、恐ろしいアルバムである。

だが、結論としては、コレクターズアイテムの域を出ることのない商品だろう。
活動していないバンドの一度発表した作品なので、仕方ないっちゃあ、ないんだが、イエローモンキーをとことん研究したいファンや、SICKSという作品が好きだった人、そしてこれからイエローモンキーのアルバムを揃えるぞ!というSICKS未購入者には激しくオススメしたい。

少々値は張るが、DVDは2時間越えのボリュームだし(インタビューは興味深いが、基本レコーディング風景メインのゆるうい映像が主)ちょっとした写真集と化している、分厚いブックレットも付いてくるし(イエローモンキーファンにはおなじみの結城雅美と吉井和哉の文章もあるよ!)、完全生産限定盤なのでいざというときの経済難にも役立つ…かもしれない。

私個人としては、完成盤“SICKS”を聴くことが出来たのは嬉しかった。
正直、イエローモンキーというバンドの重圧や複雑な想いも正直あっただろうに、現在でも過去の作品を磨いてくれる、吉井さんにありがとうと伝えたい。