両親の携帯をソフトバンクからドコモに変更しに行ってきた。
うすうす予想はしていたが、やはり非常に面倒くさい仕事であった。
まず現携帯の解約にソフトバンクへ。
私たち親子が店に入った瞬間、中年のおばさん店員が「うわっ!」という顔をした。店内には携帯故障でやってきたと思われる40~50代の田舎のおっさん。そこへさらに私と182cmのでかくて目つきの悪いこれまた田舎のおっさんが入ってきたのを見たおばさん店員は「今、店私1人やのにようけお客さんが来てしもたわ~」といった感じだった。
「これは待たされるな」と思った私は待たされるのが非常に嫌いな父に話をして、母だけソフトバンクに残して近くのドコモへ。
ソフトバンクの倍の広さと白を貴重とした爽やかなドコモショップに入ると、きらきらのネイルとグロスが印象的なベテラン店員と思われる女性がつたたたたーと駆け寄ってきた。私が「新規で2人契約したい」という旨を話す。
私の両親の携帯レベルは
父→「メール出来ない、カメラ使わない、電話番号の登録できない、電話はもっぱら受ける専門で自分から電話するのは競輪の結果。」
母→「電話は少なめ、カメラは欲しい、今回のドコモへの変更を機にメールデビューしたい」
そんな50代夫婦には「らくらくホン」がぴったりだと思い、さっそくらくらくホンコーナーへ行き、本当に電話機能だけの老人向けストレート型の『らくらくホンシンプル』
を見せて父に「これやったら105円やで~」「こんなテレビのリモコンみたいなん嫌や」やはりそうか(笑)。
「こっちは2980円で~」と他のらくらくホンの説明をしていると「これはいややわ」と“俺はまだそこまで衰えちゃいないぜ”と言いたげな非常に嫌な顔をされ、「そんなことを言える携帯レベルじゃないだろうよ、まったく戦後生まれのオッサンは面倒くさいなあ」とイラつく中、父はすたすたと703シリーズのコーナーへ。
「これでええわ」と店員さんに言っているので何にしたのかと見てみたらSO703i
のブルー。
画面も大きいしボタンも大きいからいいですよーと店員さんにも薦められ、値段も安い、在庫もあるということなので「まあ気に入ったやつがあってよかったよ」と早速契約を…とカウンターへ行こうとしたら、水色からシルバーのグラデーションのカラーが「こんな剥げたみたいな色嫌や」などと抜かしやがったので、着せ替えパネルの濃い青を別途注文。
「もうすぐ父の日だから携帯代は私が出すよ(・∀・)」
「電話さえ出来ればいいから、安かったらなんでもええよ(^-^)」
…全然よくねえじゃねえか。このわがまま大臣め(-公-)
機種が決まったところで私に免許証をぽいと渡し、父は喫煙コーナーへ行ってしまった。私は手続きうんぬんをするための人員なのでまあそれはいいとして、料金プランをどうするかの話になり「電話は基本的には受けるのがほとんどなんですが、通話料と別に情報量がかかるサービスの…番号をよくかけてまして…」と“競輪の結果を毎日聞いて月2万そこらかかっている”という事実をなるべくオブラートに包んで店員さんに話していたところに、
「競輪の結果サービスの番号は安くならんのか?」
頭上から声がした。いつ喫煙コーナーから帰ってきたのか父よ、つうか私の努力を返せ(恥)。
「それでしたら、iモードの競輪ナビで見た方がいいですよ」
「それやったら、電話より安いんか?」
「そうですね、見方を覚えてもらえば電話よりお安くなりますよ」
「そんなんあるんか!知らんかったわ~」
父よ、あなたに以前、競輪携帯サイトでのレース結果の見方を3度繰り返し教えてその10分後に操作方法を忘れていた事実すら忘れてしまったのか。
この発言にはさすがに面倒くさい度が一定レベルを超え「…前に教えたやろう」と父の方を向いて低音でキレたら店員さんに笑われた。
一緒にいられるとまた余計なことを言いかねないので父には退場していただいて、入れ替わりでソフトバンクでの解約手続きを済ませた母登場。
気を取り直して、母親にもらくらくホンのコーナーに来てもらい、らくらくホン中、唯一のカメラ付きの『らくらくホンⅢ』
を見せて、
「ほら、これならボタンも文字も大きいし、カメラもついているよ(・∀・)」
と、ほのぼのとした母娘の会話を展開しようと試みるも
「(らくらくホン)、なんかダサイな。」
終了。
らくらくホン…本当に人気があるのか君は?
結局、母も「使い方がわからない時に便利」という理由で父と同じSO703iの色違いに。ここで父が着せ替えパネルを注文したことを話すと「どうせべたべたに汚すくせに、見てくれや気にしてから、あのオッサンは…」と静かに怒っていた。
そんなこんなで母の方の手続きも終えて、約1時間半かかって携帯会社変更完了。
帰りの車の中で早速、今日のレース結果を知りたいとドコモの店員さんがブックマークに登録しておいてくれた競輪ナビの見方を教えるハメになり、帰宅後も新しい電話番号を登録しろだの、着メロを変えてだの、待ち受け画面を変えてなどの設定を全て私がやってみせ、あらゆる面でおいて「面倒くさい」1日であった。母が父と買い物に行くのを嫌がる理由が分かった気がした。
父よ、携帯電話は家電みたいに値切れませんよ…。
まあ、「一般常識が昭和で止まっている」うちの父だけが特別なのだと思うが。思うのもイヤなんだが。
そして2人共拒否したドコモのらくらくホンに「私はらくらくホンを使うような年寄りではない」という葛藤を見た気がした。
五十路とらくらくホンの間には暗くて深い溝があるのだろうか。