君の愛で育ったから
これが僕の愛の歌
スローモーションで花が散る
沢山の思い出とともに……
泣いてる 血が泣いてる
血が泣いてる 血が泣いてる
血が泣いてる 血が泣いてる
血が泣いてる 血が泣いてる
血が泣いているんだよ
血が泣いているんだよ
THE YELLOW MONKEY
『人生の終わり
(FOR GRANDMOTHER)』
私にとっておばあちゃんというと母方の祖母だ。
保育園、幼稚園の帰りに母親が漕ぐ自転車を降りて坂道を登って祖母の家に行く。物心ついたときから祖母は家にいるときは床に伏せていて、祖父が家事をしていた。
たまにタクシーに乗って土曜日私の家に遊びに来てラーメンの出前を取って食べさせてくれた。祖母と孫の関係でありながら一度だけ本気で喧嘩してお互い譲らず、1週間後私が電話で泣いてあやまった。
私が小4のときに亡くなった。長患いの病名は癌だった。
それから十数年後に祖父、そして父方の祖母と立て続けに亡くなり、現在私の祖父祖母は誰もいない。父方の祖父も同じ頃に亡くなったのだが、私は親から訃報を聞いてから「まだ生きていた」ことを知った。私は勿論、母も父親の父の顔を知らない。そして当の父親も記憶がほとんど無いそうだ。
現在父方の祖父と祖母は別の土地の墓で眠っている。離縁はしていない。祖母は大変な苦労をして女手一つで父たちを育てたそうだ。そして生前から祖母は祖父と同じ墓に入ることを拒んでいたらしい。
2年前先祖の墓参りに行ったときに寄った親戚の家でもうひとりの“おじいちゃん”の顔写真を見たが、当たり前といえばそうなのだが、父親に似ていた。詳しい事情を知る父親の兄達は同時期に皆亡くなってしまった。
孫として詳しい話を知っておいたほうがいいのかもしれないが、「血のつながりはえげつない」とたしなめるように母が言うので、聞かないことにしている。親とか、家の過去は知らないほうがいいということなのだろう。まあ、いいか。生きている人間のことで皆、精一杯だ。