もとにする量ってどれですか?~損益算における原価・定価・売値の関係から割合を考える | 江東区の家庭教師&ライターのみみずく~半蔵門線・大江戸線沿線及びオンラインで指導中~

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多くの小中学生が苦手とする分野に
割合の応用問題である損益算があります計算機

「損益算」というのは、
物の売買による金銭の増減を計算する問題類型です。
具体的には、次のような問題があります。

【問題】
ある品物を仕入れて原価の40%の利益を見込んで定価をつけたが売れなかったので、安売りの日に定価の20%引きで売ったら480円の利益を得た。この品物の原価を求めなさい。


今回はこの問題を使って、
損益算の考え方を解説します得意げ

※中学生向けの記事なので、
一次方程式の解法を使います。

このタイプの問題を解く際には、
何をxにするのかをまずは決めましょう。


特殊な問題でない限り、
求めたい数値をxにするのが一番楽です。

【問題】では「品物の原価」を求めます。
したがって、品物の原価をxとしますひらめき電球

次に図を描くことが大切ですbenkyou☆☆

では、どのような図を描くのか?

損益算では、下図のように
3本の線分を描くと分かりやすいですひらめき電球

もとにする量ってどれですか?~損益算における原価・定価・売値の関係から割合を考える

ここでポイントとなるのは、
損益算に関する次の関係です。

定価=原価+利益

この関係が成り立つ理由についても
本来であれば説明しなければならないのですが、
今回は時間の関係上省略させていただきます。

とりあえずこの関係を踏まえて、
定価は原価よりも長い線分で描きますbenkyou☆☆

また、多くの場合、
定価=売値(実際に販売したときの値段)
となるのですが、【問題】ではそうなりません。
なぜなら、定価から値引きして売ったからです得意げ

ただし、実際に販売して利益が出ているので、
売値は定価よりも短く
原価よりも長い線分
で描きますbenkyou☆☆

では、これらの線分に数値や文字を書き込んでいきましょう!

線分は2本ずつ見ていくのがポイントです。

まずは原価と定価の関係から~

もとにする量ってどれですか?~損益算における原価・定価・売値の関係から割合を考える

この図では、
もとにする量である原価を1すると、
利益が原価に対する比べられる量となるので、
40%を小数に直して0.4としました。
したがって、利益は0.4×x=0.4x(円)です得意げ

定価は、「原価+利益」なので、
x+0.4x=1.4x(円)ですねクラッカー

ここでよく質問が出るのは、

そもそも「もとにする量」ってどれですか?

こういう質問が出て来るのは当然です。

「もとにする量」とか「比べられる量」とか、
何だかよく分からない用語を使うから、
多くの生徒達が割合の分野で混乱するのですショック!

しかし、損益算に関しては、
普段は分かりにくい割合の用語のうち
「もとにする量」は比較的分かりやすいですひらめき電球

損益算では、次のように考えて
「もとにする量」を見つけていきましょう~

「ある品物を仕入れて原価の40%の利益を見込んで定価をつけた」

ここまでで、ある品物の値段が
原価から定価へと変化しています。
このとき、もとの値段は原価ですか?定価ですか?

ふつうに考えれば、
もとの値段は原価ですよね?
ここを間違える生徒は今までいませんでした(笑)

もとの値段」が分かったら、
それを「もとにする量」と考えてください
ひらめき電球

こうしてもとにする量が分かったら、
数直線のもとにする量(原価)の下側に1と書き込んでください。
あとは、割合の公式でも使って、
利益や定価を出して下さいね(公式の利用法についてはこちら

次に定価と売値の関係です~

原価と定価の関係と同様に、
定価と売値の関係を考えてみます。

定価から売値へと変化したとき、
もとの値段は定価ですよね?

したがって、定価をもとにする量と考えます。


数直線のもとにする量(定価)の下に1を書き込みます。

更に、数直線の値引き額の下に
20%を小数に直した0.2を書き込みます。
定価に対する値引き額が比べられる量なので、
値引き額は1.4x×0.2=0.28x円ですクラッカー

売値から生じる利益の480円も書き込むと、
数直線は次のようになるはずです~

もとにする量ってどれですか?~損益算における原価・定価・売値の関係から割合を考える


以上を踏まえて、
再度冒頭の三本線に金額だけを書き込んでいきますbenkyou☆☆

もとにする量ってどれですか?~損益算における原価・定価・売値の関係から割合を考える

ここまで図を描いたら、
長さの等しい部分を見つけて方程式を作ります。

上の図の赤枠で囲った部分が長さの等しい部分ですね!!

これを方程式で表すと次の通りです。

0.4x=480+0.28x

移項して解きます~

0.4x-0.28x=480
0.12x=480
x=480÷0.12
x=4000   答、4000円


多くの小中学生が苦手とする損益算も、
数直線をしっかり描いて
割合の考え方を用いれば簡単ですにひひ

特に、割合の考え方を用いる場合、
もとの値段」が「もとにする量」である
という当たり前のことを意識してくださいね!!