寺田隆尚『高校入試国文法マスター100題』~口語文法を習得することは英語や古典の理解にもつながる | 江東区の家庭教師&ライターのみみずく~半蔵門線・大江戸線沿線及びオンラインで指導中~

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高校入試国文法マスター100題
高校入試国文法マスター100題 寺田隆尚

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小中学生の国語指導を考えるとき、

口語文法(国文法)の扱いに困ります。


文語文法(古典文法)であれば、

大学入試の古典で使うので

生徒に勉強させる意義は大きいです。


一方、口語文法は

中学入試や高校入試でも扱いが微妙です。


公立高校入試では、

ほとんど出題されない県もあります。


そうなってくると、

「わざわざ時間をかけて

口語文法を指導するのもどうか?」

という話になってくるんですね。


しかし、小中学生の中には、

受験までまだ時間のある生徒がいます。

そういう生徒には、

口語文法をみっちり仕込みたいと思っています。


理由はいくつかあります。


一つ目は、英語や古典の準備という側面です。


たとえば、英語の指導時に、

「主語と述語は対応する」

「動詞を修飾する語は副詞」

などと生徒に説明することがあります。


それを聞いた生徒はポカンとします。


「主語」「述語」「修飾」「動詞」「副詞」等、

日本語でも登場する文法用語を

生徒はそもそも知らないんですね。


もちろん、そういう生徒は

古典の学習でも文法事項を理解できません。


それもそのはずです。


小中学校の国語の授業では、

口語文法の扱いがオマケ程度でしかありません。


その中でしっかり文法用語を

習得できる生徒もいますが、

そうでない生徒の方が圧倒的多数です。


現代日本語の文法すら理解できていない生徒に

英文法や古典文法を理解させようとしているのが、

現在の日本の教育制度ということになります。


結果として、生徒が文法学習を嫌がります。


そういう生徒が量産されている現状に対して、

「英語の授業をコミュニケーション重視にしよう」

等と言っているおバカさんも沢山いますね。


しかし、こういう愚かな意見は

そもそも発想がオカシイのです。


生徒達が文法を理解できないのは、

小中学校の国語の授業で

口語文法を軽視しているからです。


身近な日本語のきまりすら理解できない生徒が、

外国語や古典の文法規則を理解できるわけありません。


日本語のきまりを習得させずに、

文章を読ませて感想を言わせたり、

教師の解釈をノートに写させたり、

そんなことばかりしている国語教育が諸悪の根源です。


無意味な授業で膨大な時間を浪費し、

挙句、他の教科の学習にも

悪影響を及ぼしているのが日本の国語教育です。


とはいえ、この先、

日本の国語教育が改悪されることはあっても、

改善されることはないと思われます。


そうである以上、せめて僕が指導する生徒には、

日本語のきまりをしっかり習得させたいと思っています。

学校は端から当てになりませんからね。


口語文法をしっかり習得した生徒は、

後々、英文法や古典文法の習得も楽になります。


二つ目は、文章作成技術を向上させたいからです。


自分の書いた文章を直そうと思ったとき、

「何となく」でその善し悪しを判断するのではなく、

「文法的に」文章を添削できる方が良いのは当然です。


「何となく意味が伝わらない」では、

文章のどこをどう直すのかがはっきりしません。

一方、「主語が明示されていないから意味が伝わらない」

と指摘できれば修正個所は直ぐに判ります。


生徒には、こういうスキルを身に付けさせたいですね。

特に小説や論文を書きたいという生徒には必須のスキルですよ。


以上を踏まえて口語文法指導を実施するとして、

口語文法の教材があまり無いこともあり困っていました。

しかし、最近、冒頭の教材を見つけました。


寺田隆尚『高校入試国文法マスター100題』は

口語文法のパターンを網羅していて問題数も多く、

なかなか使い勝手の良い教材だと思います。


この問題集の章立ては次の通りです。


1章 文・文節・単語

2章 品詞

3章 敬語


この章立てに沿って進めていけば、

口語文法は確実にマスターできるはずです。


ただし、比較的難易度の高い問題集なので、

生徒の自学自習用には向いていないと思います。

あくまでも指導者の解説付きで使うべき教材です。