日本大学の過去問で、
長文読解問題の本文冒頭に次の英文がありました。
For the untrained the word marketing simply means the promotion of products.
この英文を生徒に訳させてみました。
「訓練されていない言葉は……」
案の定、生徒は意味不明なことを口走ります
そこで、僕は生徒に聞いてみます。
「この英文の主語はどこからどこまで?」
生徒は、何の疑いも無く答えました。
「"For the untrained the word" です」
この後、僕の説教は始まったのは言うまでもありません
僕はいつも口を酸っぱくして言っています。
「英文の構造を把握しなさい!!」
どの部分が主語(S)で
どの部分が述語(V)なのか、
最低限このくらいは把握できないと
長文読解でも誤読の原因になります
たとえば冒頭の文。
「訓練されていない言葉」って一体何?
この文は長文読解問題の本文冒頭にあります。
「訓練されていない言葉」と誤訳をした時点で、
その生徒は本文全体を誤った方向に読み進めます
生徒の頭の中にはが渦巻き、
それを補うために妄想を膨らませます
そんなんじゃ、
英文を読めるわけないだろ?
というわけで、
冒頭の英文の構造を分析してみます
まず、英文の初めに "for" があります。
この "for" は前置詞です。
「主語が前置詞で始まることは無い」
この大前提を踏まえると、
「前置詞句はどこまでなのか?」
を考えなければならないことに気付くはずです
前置詞句の範囲を考える場合、
前置詞に続く名詞を探します
が、冒頭の英文だと、
初めて登場する名詞が "word" です。
ここで生徒が混乱するわけですね
しかし、次のことを知っていれば、
前置詞句を正確に把握できます。
the+形容詞=「人」を表す複数名詞
たとえば、次の用法を考えます。
The rich are not always happy.
この文の "The rich" は "Rich people" を指します。
つまり、「豊かな人々は」と訳す必要があります
同様に考えると、
冒頭の文の "the untrained" も
「訓練を受けていない人々」と訳すべきです。
そして、この "the untrained" が
"for" で始まる前置詞句の中身になります
前置詞句を除いてしまえば、
文の主語は "the word marketing" だと分かります
以上を踏まえて冒頭に英文を訳すと、
「訓練を受けていない人々にとって
『マーケティング』という言葉は
単に商品の販売促進しか意味しない。」です。
英文の構造を文法的に把握した上で
意味を捉えないと誤読に原因になってしまいます。
そうならないためにも、
日ごろから英文の構造を意識する必要があります。