夢 | 白昼夢

白昼夢

「夢日記」


「僕をあいして、だきしめて」



白い空間に

黒髪の青年がうずくまっている.


「大丈夫だから」


私はそう言って、

彼の背中に両腕をまわし

包み込むように抱き締めた.





彼は私の腕の中で

途切れ途切れに言葉を紡ぐ.


「切ることを、覚えたんだ、」


「…結ぶのはどうするの?」


抱きしめたまま彼に聞くと、

彼は返答せず

もたれ掛かるように私の首筋に顔を埋めた.

彼の細く滑らかな黒髪が首元を擽る.

私は指先で梳くようにその髪を撫でた.


「繋げ、ない、」


彼は泣きそうな声で

そう呟いた.