わかりやす~いがん治療解説。~標準治療を侮ってはいけない~ | よろずクリニックのブログ

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面白い医療ネタ、ためになりそうな情報を発信していこうと思います。

日々診療していく中でこのような方に時々お会いします。

 

がんと診断されて標準治療だと手術や抗がん剤を勧められるので怖くて、何年も○○療法の先生に診てもらっていますが最近腰痛や背骨が痛くなってこれを飲めばいいとか勧められたサプリメントなど飲んでいますがなかなかよくなりません。がんは順調で落ち着いていると民間療法の先生にいわれてますが痛みが取れなくて。。他にも○○浴とか○○療法もやってます。

 

内容だけでお分かりだと思いますが、この方は超進行がんとなっており全身転移状態で骨転移による疼痛も出てきています。

 

逆にこのような方もおられます。

症例

40代女性 2018年 左頸部リンパ節腫大あり、K医科大学にて下咽頭癌と診断。米国スローンケタリング病院へセカンドオピニオン受診、NYの代替医療などを経て当院受診。

気道圧排症状などありまずは標準治療をするよう説得、抗がん剤、オプシーボ、IOダインセラピーも併用し急速に改善したが2019年末、次第に治療抵抗性となり余命3ヶ月と診断され再度治療プログラムを相談に来院。

2020/1/25

 

いわゆる標準治療をしっかり受けられても進行して治療法がなくなり当院にて治療開始した症例。

治療方針

患部の増大、自壊による諸症状改善のため、血管内治療専門のIGTクリニックを紹介。腫瘍血管への抗がん剤選択的投与、血管塞栓術と並行し、当院ではリポソーム化ICGによる光がん免疫療法を開始。唾液腺障害を防ぐため限局性に放射線治療併用。

さらに自壊した組織に対して形成外科によるMohsペースト(*)も併用した。

 

(*)Mohsペースト:

①腫瘍を凝固させ、凝固した部分を切除することにより腫瘍を小さくする。

②腫瘍を凝固させることにより、出血・浸出液や悪臭などの症状を緩和し、QOLを向上させる。

治療経過


2020/3/7

わずか3ヶ月も立たないうちに腫瘍組織はほとんど消失しています。

もう一例

 

食道がんステージⅡ、手術を勧められるも合併症の問題などでまずは保存的治療をしてみたいと来院。標準治療では放射線治療のみを選択し、水素吸入とシイタケ菌糸体でがん抗原を効率よく発現、さらに光がん免疫療法でアブスコパル効果増強

結果、手術、抗がん剤を行うことなくルゴール不染帯も認められないほどにわずか3ヶ月弱で消失した。

半年後再検査

生検結果:2020/5/26 No evidence of malignancy 悪性所見なし


´さて、○○療法を行った方とこのような劇的改善をされる方の決定的な違いはなんでしょう?

単なる偶然では決してありません。

それをわかりやすくご説明しますね。

 

まずがんの発育に関してさかのぼってみましょう。

がん細胞はもともとはじめは一つだったはずです。人は毎日数千個のがん細胞ができていると言われていますが、細胞自身のがん抑制遺伝子が働きアポトーシス(細胞自死)するか体内をパトロール中の免疫細胞が残らず退治してくれているのです。その残骸をはかる検査がいわゆるプロテオ検査なんです。http://yorozu-cl.com/proteo.html

 

では皆さん、がん細胞が5年から20年かけて発育していく間、免疫力がめちゃくちゃ低いままの方はいるでしょうか?

最初の1個のがん細胞はなぜ粛々と育っていくのでしょうか?

 

それは免疫力が低い云々ではないからです!

 

身体が、がんだと認識していないからなのです。←ここ最重要!テストにでます(笑)

 

がん患者さんは免疫力が低いから免疫力を上げなければならない。免疫を上げるにはあれがいいらしい、これがいいらしい、標準治療をすると免疫力が下がるからしないほうがいい→ドツボにはまります。

 

例えば60歳くらいでがんが発覚した人、おそらく40代くらいからがん細胞はチマチマ育ってます。まだまだ元気だった40代、あなたの免疫力、低かったですか?

 

てことは重要なのは免疫力ではないんですね~

 

がん治療において最重要なのはがん抗原なのです。さらにいうと免疫原性細胞死(immunogenic cell death, ICD)なんです。がん免疫サイクルでありアブスコパル効果なんです!

アブスコパル効果:https://www.cancerit.jp/64882.html

 

興奮しすぎて飛躍してしまいましたが、わかりやすく説明します。

これは免疫応答を惹起しやすい形でがん細胞を殺傷し、この細胞死をICDとよび,細胞膜表面への露出などでがん細胞が生体免疫機構にがんが認識されることです。

 

がん免疫サイクル(最重要)

 

 

簡単にいうと「ここに悪い奴がおるで~」と生体に教えちゃうことなんですね。

上の表でいくと①番、がん抗原の放出、そして②番のがん抗原の提示がなければなにも始まらないのです。

 

例えば、ある銀行に強盗が入りました。犯人は行員の格好をして立てこもっています。

犯人の特徴は不明、人数も不明。

一般人は殺傷してはならない!とりあえずSWATを送り込む!

敵がわからないので何もせずに帰ってくる!!

 

これが免疫療法単独では治療効果がでない理由です。その他、サプリメントや○○療法をいくら組合わせても効果がでない理由です。

表にも書いてますががん抗原を放出するには抗がん剤、放射線、光がん免疫療法、ハイパーサーミアやマイクロ波レベルの強力な局所温熱療法、などを最初にする必要があります。

 

ならば何故進行がんが抗がん剤や手術で治ってしまわないのか?

 

これは標準治療にはいまだ免疫賦活(個人の免疫力を上げる)という概念が乏しいからです。

がん抗原が放出された後は上記の表のサイクルをグングン回してがんを壊していく必要があるのですが、それには真の意味で免疫力が不可欠なんです。

ここで免疫チェックポイント阻害薬や培養型免疫療法、免疫力を上げるための○○療法なんでもいいことはやったらよろし!!

 

抗がん剤の使いすぎはがん免疫サイクルを回すためのリンパ球が死んじゃうからやめて~

 

がん死の診断の方で死亡後調査にて判明した直接死因結果の一例

 

ってことなんです。

要はバランスが重要なんです。

効率よくがん抗原を認識させること。しかし免疫を落とさないように細心の注意を払うこと

上記のほかに光がん免疫療法で抗原提示したり自家がんワクチンネオアンチゲン樹状細胞ワクチンを使ったり。高濃度ビタミンC点滴も天然の抗がん剤としてお勧め。

それができたら丸山ワクチンでも免疫療法でも○○療法でもよさそうなことはなんでもやってがん免疫サイクルをしっかり回す!

これに尽きるんです。

 

そしてこれがばっちり当てはまると上記2例のようにきれ~にがんがいなくなってくれるんですよね。

 

私が考える最も理想的な抗原提示方法が放射線治療や光がん免疫療法で、これは生体の免疫力に一切ダメージを与えることなく行えるのでがん抗原の放出がうまくいけばあとは免疫を賦活する療法をとればいいわけです。(手術をしている場合は自家がんワクチン一択!)自家がんワクチン:http://yorozu-cl.com/jikagan.html

最も手軽かつ効果的な免疫賦活は丸山ワクチンやシイタゲンPRO飲用、水素ガス吸入、自分でできるのは還元陶板浴や酵素浴やホルミシス療法、重炭酸入浴法、体を温めたり水素風呂に入ったり、水素水のんだり、適度な運動と良質な食事、野菜ジュース、メラトニンなどのサプリメントの飲用で保険でできるのは十全大補湯や補中益気湯の処方などでしょうか。

 

まとめます。

 

がんをやっつけるために最重要なのは何十年も一緒に育っている生体にがん細胞は異物であることを認識させるプロセスを取ること!

(抗がん剤なるべく低容量、放射線治療できれば局所、自家がんワクチン療法、光がん免疫療法、局所温熱治療など)

これをなくしていくら免疫を強化しても身体ががんを退治する方向にはシフトしない!

 

がん抗原を認知させたらあとはひたすら食事、運動、免疫賦活療法、エドガーケイシー療法などを駆使していなくなってもらうべし!

 

最後に、自然療法でがんを克服した方もおられます。そういった事例も信じていますしとてもリスペクトしていますが、多くは事前に標準治療を受けておられたりします。

例)

抗がん剤しんどい、このままじゃ殺されちゃう!っと逃げ出したり自己中断して自然療法へ走る→しばらくしてがんが消えちゃった!→やっぱり抗がん剤じゃ殺される。がんは切る盛る焼く(手術・化学療法・放射線治療)ではよくならない!自分で治すものよ!

 

という方、実は最初の標準治療でがん抗原を生体が認識→でも免疫力は低下、いまいち改善しない→治療放棄→免疫力復活→がん免疫サイクルが回りがん細胞を駆逐!!ということが起こったと考えるほうが自然かと。

何年も共存してきたがん細胞が急に免疫に認識されて消えることもあるかもしれませんが、きっと何かしらのきっかけがあったんでしょう。

 

皆さん、自然療法、代替医療、標準治療、いろいろありますが偏ってはダメですよ~。良くなるためにあらゆる手段を効率よく取り入れてくださいね。                                                        

                                                                      by 院長