Mother ~特攻の母 鳥濱トメ物語~ | よろず「ゆんたく」広場

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ぎのわんシティFM「水曜ちゅらちゅら作戦」でパーソナリティーを務めるコギーのブログです。
「水曜ちゅらちゅら作戦」は毎週水曜日20時30分から20時55分に放送されております。

大林素子さんが主演の舞台『MOTHER マザー~特攻の母 鳥濱トメ物語~』を観てきました。
http://www.airstudio.jp/index_131211mother_tokyo.html


この舞台では、自らが営む富屋食堂で特攻隊員を見守ってきた鳥濱トメさんを大林素子さんが演じたのですが、大変素晴らしい演技でした。鳥濱トメさんの思いを多くの人に伝えていこうという意気込みがひしひしと伝わってきたような感じがしました。


鳥濱トメさんの言葉の中で一番印象的だったのが、「生き残った人間が、特攻作戦が成功だったかどうか語るべきではない」という言葉です。特攻隊員には、我々後世の人間が祖国・日本に対して誇りをもって生きていくためにはどうするべきかを考えて戦地に赴いた人がほとんどだと思います。それは、彼らが書き遺した遺書を見ると良くわかると思います。それなのに、特攻作戦が成功だったかどうかについてこだわるのは、命がけで戦った特攻隊員の思いに水を差すことになると改めて思い知らされました。


また、鳥濱トメさんが、戦中は富屋食堂で特攻隊員を見守ってきたのに、戦後は進駐軍の世話をしたことに対しては、手のひら返しだという批判もあります。しかし、鳥濱トメさんは進駐軍の世話をすることに対して最初は断固拒否していました。それが、やむなく進駐軍の世話をすることになった理由は、彼らは日本兵と同じように戦争をしたくて戦争をしたのはないからだということでした。日本兵も進駐軍も人種は違っても同じ人間なのだから、進駐軍の面倒を見ずに差別するのは、特攻隊員に対して顔向けできないという思いや、特攻隊員のことを語り継いでいくためにも、富屋食堂を続けていくべきだという思いがあったのかもしれません。


舞台の最後には、警察署長役を務めた小西博之さんが「特攻隊員が日本を護るために戦ったからこそ、今こうして私たちは生きているのです」とお話しされていたのには、全面的に同意します。このような大切なメッセージを伝えていく舞台は大変素晴らしいものです。


『MOTHER マザー~特攻の母 鳥濱トメ物語~』は数年前から、毎年東京などで舞台を開催しています。恐らく来年も開催されると思うので、今回観られなかった方は、下記のFacebookから情報をチェックされることをお勧めします。(Facebookにアカウントをお持ちでなくてもご覧になれます)
https://www.facebook.com/torihamatomemonogatari


ちなみに、早くも来年の3月には、広島と神戸で舞台が開催される予定です。
http://www.airstudio.jp/index_140311mother_hiroshimakoube.html