初めに

・昨年12月議会で道の駅移転拡大事業に関する法的問題について、担当部長の答弁があった。また、住民訴訟も回を重ね第9回公判まで進んでいる。直近には被告(猪名川町)弁護士の交代もあった。

それらを踏まえ、改めて新たな視点でブログを再開したいと思う。

 

 令和3年3月の用地買収売買契約は無効

・私は、猪名川町道の駅用地買収は無効と考えている。以下、関係諸法も明記し考えるところを記してみる。

長文となるがご辛抱いただき、是非最後までお読みいただきたい。

 

①  民法(契約)改定

・平成29年5月に成立し、令和2年4月1日施行開始された民法522条(契約)では、契約の内容を示しての申し込みに対して相手方が承諾をしたときに成立する。また、書面の作成その他の方式を具備することを要しない。となっている。

 

②  地方自治法96条では、政令の定め(猪名川町は5千万円以上)に従い、財産の取得時は、契約締結前に議会で議決しなければならない。

 

③  覚書と事業関係用地個人別調書(令和元年6月~12月締結)

・覚書2条には基本協定締結後、売買契約に入ると規定。

・覚書5条には基本協定が結べなければ、覚書を解除すると規定。

個人別調書には、土地の所在地、地目、買収対象面積のほか、単価が明記されており、売買代金も明記され地権者の署名押印がある。検証委員会調査報告書P5から転用。

・全地権者との間で令和元年12月末までに、締結が完了している。

・ちなみに、購入時期(年度内購入)に関して、令和2年11月13日第二回地権者説明会で、宮脇副町長出席のもと公約されている。(これは口頭による売買契約とはならないのか?)

 

④  変更合意書(令和3年1月25日締結)

・変更合意書により覚書2条と5条を削除。

・よって、変更合意書の締結により、猪名川町は用地取得のための売買契約の締結を進める。また、町が覚書を解除することもできないこととなる。検証委員会調査報告書P6~7から転用。

民法522条の規定により、変更合意書を締結することは、「買収契約」を締結することになると、私は考えている。

 

⑤  結論

・前項④を踏まえ、議会審議を経ないままの変更合意書締結は、地方自治法96条違反と考えます。

・よって、変更合意書締結は無効となり、覚書2条5条は削除されない。結果、年度内購入を前提とした3月議会(変更合意書締結を隠したまま)、における審議は無効と考えます。

・ゆえに、用地買収に関する令和3年2月16日仮契約および3月12日の本契約も無効と考えます。

    

⑥  補足

・令和3年2月17日に覚書を情報公開請求された方がおられます。3月12日議会審議終了以降に、情報公開再請求をするように指示を受けられたようです。

・覚書2条は令和元年6月創成対策特別委員会において説明されているが、覚書5条に関して議会に向けて説明されていない

これは5条(覚書解除条件)を、町として隠しておきたかったのだと思える。まさに町は自ら墓穴を掘ったとしか思えない。

 

⑦  町はどうすべきであったのか

・議会に対して、民法1条2にある『信義誠実の原則』に従うべきである。令和2年3月26日の用地買収予算審議の前提は、最低覚書2条が基本であったはず。変更合意書締結前、令和2年12月議会で、変更合意書(覚書2条5条削除)締結に関して議会承認を受けることが、基本だと思えるのですが。

 

⑧  住民訴訟に関して

・住民訴訟の争点の一つに変更合意書締結があげられている。締結が、法令違反かについては、あと数年の中で神戸地裁が判断し判決として公表される。今後、福田町長や宮脇副町長の証人喚問もあろうかと思える。

・引き続き公判第10回が神戸地裁で6月20日10時30分開催に着目してゆきたいと思う。

令和6年5月26日13時30分~15時30分社会福祉会館で原告団による住民訴訟の報告会が開催される。どのようなお話があるのかは分からないが、多くの方が参加してくださればと思う。

 

検証委員会調査報告書

 

  次回は、住民訴訟の公判経過について書く。